NYダウ42ドル安 7日続落、米中貿易摩擦の懸念

20日のNYダウ工業株30種平均は7日続落し、前日比42ドル41セント安の2万4657ドル80セントで終えた。7日続落は2017年3月下旬の8日続落以来となる。
 
トランプ米大統領による中国に対する新たな制裁関税検討の表明で、前日は米欧アジアの主要市場は軒並み安だったが、20日はその売りも一服。ダウは寄り付き直後に100ドル超上げた。
ただ、米中貿易摩擦への警戒感がくすぶる中で買い戻しの勢いは弱く、上げ幅はすぐに縮小。その後は方向感に乏しい展開が続き、マイナス圏に沈んで取引を終えた。
建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)などに売りが続いた。
 
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が利上げを継続する姿勢を示したのが重荷だった。ただ、前日に大幅安だった反動から買いも入り、上昇する場面もあった。
 
パウエルFRB議長は20日、ポルトガルで開催中の経済フォーラムで利上げ継続に積極的な姿勢を示した。「米国の利上げ路線の継続が改めて意識されやすく相場の重荷になった」との指摘があった。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比55.930ポイント高の7781.515で終え、4営業日ぶりに過去最高値を更新した。フェイスブックやアマゾン・ドット・コム、ネットフリックスが上場来高値を更新した。バイオ関連株にも上昇する銘柄が目立った。
 
セクター別では、メディアや不動産が上昇する一方で消費者・サービスや保険が下落した。
 
個別では、21世紀フォックス(FOX)は、メディアのウォルト・ディズニー(DIS)が713億ドルの買収案を新たに提示し上昇。ケーブルテレビのコムキャスト(CMCSA)も買収案上乗せに意欲を示し堅調推移。朝方に発表した四半期決算が市場予想を上回ったキャンピングカーなどを製造・販売するウィネベーゴ・インダストリーズが大幅高だった。
 
一方、コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)は、4-6月期の全世界既存店売上高が小幅な伸びにとどまるとの見通しを示したほか、大都市圏を中心に採算性の低い店舗の閉鎖を進める計画を発表し、大幅下落。ソフトウェア大手のオラクル(ORCL)は、クラウド事業の弱気な成長見通しが嫌気され軟調推移した。
 
VIX指数は12.79と下落(前営業日13.35)。米中報復関税合戦により米中貿易戦争が勃発する可能性は払しょくされていないものの、アジア、欧州、米株式市場が下げ渋る展開となったことで、貿易戦争への警戒感がやや緩和された。
VIX指数は一時12.25まで下落した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,657.80-42.41             
S&P500種
2,767.32+4.73
ナスダック
7,781.515+55.930
 
米10年債利回り(%)
2.937 +0.044
米2年債利回り(%)
2.5659 +0.021
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,274.50-4.10   
NY原油(ドル/バレル)
65.34+0.44
円・ドル
110.34 – 110.35   +0.13
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は4営業日ぶりに反発した。9月物は前日比270円高の2万2480円で終え、大阪取引所の終値と並んだ。
前日まで下落した反動で買いが先行した。円相場が下げたのも支援材料になった。米中貿易摩擦への警戒感は根強く、買い一巡後はダウ工業株30種平均が下げに転じたのにつれて伸び悩んだ。
この日の9月物の高値は2万2555円、安値は2万2120円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22480 ( 0 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22520 ( +40 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7627.40(+23.55)
FTSE100種総合株価指数は4日ぶりに反発した。前日19日の終値に比べ23.55ポイント高の7627.40で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
米中貿易戦争の懸念がいったん和らいだことで、アジア市場の株高も眺めて、朝方から買いが優勢となった。しかし、午後にかけて利益確定売りで伸び悩んだ。
 
為替相場でのポンド安を背景に、通貨安の恩恵を受けやすい銘柄とされるたばこ株や医薬品株が買われた。銀行株は全面高で引けた。指数への寄与度が大きい鉱業株もおおむね上昇した。
 
主な個別銘柄では、英オンライン食品販売会社オカドが5.6%高で上昇率トップ。アナリストが目標株価を引き上げたことなどを好感した。他の銘柄にも買いが波及し、スーパーマーケット株は全面高となった。
インペリアル・ブランズ(3.2%高)、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(2.4%高)と英たばこ大手もアナリストの高評価を受けて堅調。英放送局スカイニューズ、同ITVの上げも目立った。
 
半面、石油輸出国機構(OPEC)の定例総会を控え、BP(1.1%安)、ロイヤル・ダッチ・シェル(0.6%安)と石油株がさえない。通期の減益見通しを示したバークリー・グループが5.9%安と下落率トップで引けた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12695.16(+17.19)
ドイツ株式指数(DAX)は4日ぶりに反発。終値は前日19日と比べて17.19ポイント高の12695.16だった。
 
個別では、フォルクスワーゲン、ドイツ取引所、医療機器のフレゼニウスの上げが目立った。一方で鉄鋼のティッセン・クルップとタイヤのコンチネンタルが安かった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5372.31(-18.32)
 
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次