3月31日のNYダウ工業株30種平均は前日比410ドル32セント安の2万1917ドル16セントと反落で終えた。月間では3492ドル安、1~3月期では6621ドル安となり、ともに過去最大の下げ幅となった。
前日のダウが690ドル高で引けたことを受け、利益確定の売りも出やすかった。この日は四半期末に当たるため、持ち高調整の売買も多く、株価急落の場面で買われやすかった公益や不動産などのディフェンシブ株に売りが膨らんだ。ダウは午後にかけて下げ足を速めた。
米民間有力調査会社コンファレンス・ボードが31日発表した3月の消費者景気信頼感指数(1985年=100)は120.0と、前月の132.6(改定値)から急低下した。市場予想(ロイター通信調べ)の110.0は上回ったものの、2017年7月以来、2年8カ月ぶりの低水準となった。市場では新型コロナが景気を下押しするとの懸念が広がる中、幅広い銘柄に売りが出た。
新型コロナの感染者数の大幅な増加が続き、米国の死者は31日に3000人を超えた。ゴールドマン・サックスは31日、4~6月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前期比年率で34%減ると予想した。経済活動の低迷が長引くとの懸念が改めて強まった。
幅広い銘柄が売られ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスやホームセンターのホーム・デポ、銀行のJPモルガン・チェースの下げが目立った。前日に大きく上げたソフトウエアのマイクロソフトや半導体のインテルなどハイテク株は利益確定売りに押された。
一方、ダウ平均は150ドル超上げる場面もあった。中国国家統計局が発表した3月の製造業購買担当者景況指数(PMI)が過去最低まで悪化した2月からV字回復したほか、トランプ米大統領が新型コロナ問題を受けた経済対策「第4弾」として2兆ドル(約216兆円)規模のインフラ整備に意欲を示したことが支援材料となり、ダウの下げ幅は抑えられた。原油先物相場の反発もエネルギー株の買いにつながった。
セクター別では不動産や銀行が大きく下げた一方、エネルギーは小幅な下げにとどまった。
ナスダック総合株価指数は同74.05ポイント(1.0%)安の7700.10で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
21,917.16-410.32
S&P500種
2,584.59-42.06
ナスダック
7,700.098-74.053
NY金(ドル/トロイオンス)
1,596.60-46.60
NY原油(ドル/バレル)
20.26-0.22
円・ドル
107.52 – 107.53-0.89
【シカゴ日本株先物概況】
31日のシカゴ日経平均先物は反落した。
6月物は前日比415円安の1万8645円で引け、31日の大取終値を275円下回った。
新型コロナウイルスの感染拡大による景気停滞が長期化するとの懸念から、シカゴ日経平均先物は米株とともに売られた。期末を控えた持ち高調整の動きもみられた。
この日の6月物安値は1万8535円、高値は1万9315円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
18645 ( -65 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
18865 ( +155 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5671.96(+108.22)
31日のFTSE100種総合株価指数は英通貨ポンド安や米株高を好感し続伸した。前日の終値に比べ108.22ポイント(2.0%)高の5671.96で引けた。
31日発表の中国企業の景況感指数が大幅に改善し、新型コロナウイルスで中国景気の落ち込みが長期化するとの警戒感が後退。業績が世界景気の動向に左右されやすい業種を中心に買い戻しが入った。指数採用銘柄の約7割が値上がりした。
個別銘柄では、英たばこ大手インペリアル・ブランズが12.3%の大幅高。英医療機器・精密部品大手スミスグループとアイルランドの賭け屋フラッター・エンタテイメントは各9.9%高。英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルやBPといった石油株や、スイス系グレンコアや豪英BHPビリトンなど資源株の買いが目立った。
一方、メキシコ産金大手フレスニロと水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループはいずれも4.7%安。英金融大手ロイズ・バンキング・グループは4.5%安、英金融大手M&Gは4.2%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 9935.84(+119.87)
31日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて119.87ポイント(1.2%)高の9935.84だった。
31日発表の中国企業の景況感指数が大きく改善し、中国景気に対する悲観論がやや後退。景気敏感株を中心に買い戻しが入った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4396.12(+17.61)
