4日のNYダウ工業株30種平均は前日比407ドル82セント高の2万8807ドル63セントと続伸で終えた。上げ幅は一時500ドルを超えた。
中国政府による積極的な経済対策への期待から、新型肺炎の感染拡大による実体経済への懸念が和らいだ。
中国人民銀行(中央銀行)は、春節明けの3日に1兆2000億元の大規模な資金供給を実施。4日も多めの供給を継続した。それに先立ち、中国政府は金融面を中心にした経済対策も打ち出した。新型肺炎の感染拡大は続いているものの、経済への影響緩和や金融市場沈静化に向けた中国当局の積極姿勢により、投資家心理が改善した。アジアや欧州でも株価は上昇しており、米国市場でも買いが先行した。
中国の主要サプライヤーが10日から全面的に生産を再開すると報じられたスマートフォンのアップルが3%強上昇した。中国売上高の大きいエヌビディアやマイクロン・テクノロジーなど半導体関連株の上昇も目立つ。一方、原油安を受けて石油のエクソンモービルが安い。
米商務省が発表した2019年12月の米製造業受注が2カ月ぶりに増加。伸び率は市場予想を上回り、米製造業の堅調さが確認されたことも株買いを促した。
恐怖指数と呼ばれ株式相場の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は1割超下落し、16前後で推移。新型肺炎への懸念から半年ぶりの下げ幅を記録した1月31日の前日の水準にまでほぼ低下した。
セクター別では公益事業を除いて全面高となり、特にテクノロジー・ハード・機器や半導体・半導体製造装置の上昇が目立った。
ナスダック総合株価指数は前日比194.572ポイント高の9467.974で終え、1月23日以来となる過去最高値を付けた。電気自動車(EV)のテスラが連日で急伸し、相場をけん引した。マイクロソフト、フェイスブックも3%前後上昇した。
一方、インターネット検索のグーグルの親株会社アルファベットは下落した。前日夕に発表した2019年10~12月期決算で、売上高が市場予想に届かなかった。
NYダウ工業株30種(ドル)
28,807.63+407.82
S&P500種
3,297.59+48.67
ナスダック
9,467.974+194.572
NY金(ドル/トロイオンス)
1,582.40-5.50
NY原油(ドル/バレル)
49.45-0.66
円・ドル
109.46 – 109.47+0.53
【シカゴ日本株先物概況】
4日のシカゴ日経平均先物は大幅続伸した。
中国政府の景気対策を手掛かりに世界景気の先行き警戒感が薄れ、米株とともに買い進まれた。中国人民銀行(中央銀行)は連日、金融市場に大量の資金を供給しており、積極的な景気対策の導入が続くとの期待が広がった。4日の米株式市場ではナスダック総合株価指数が過去最高値をつけた。
3月物は前日比505円高の2万3365円で引け、4日の大取終値を275円上回った。
この日の3月物高値は2万3400円、安値は2万2800円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23365 ( +275 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23380 ( +290 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7439.82(+113.51)
4日のFTSE100種総合株価指数はリスクオフの後退を受けて全面高となった。
前日の終値に比べ113.51ポイント高の7439.82と大幅に続伸で引けた。
新型肺炎の感染拡大による世界景気への悪影響が懸念されるなか、中国人民銀行(中央銀行)が景気下支えのための資金供給を実施したことが好感された。英国では業績が世界景気の動向に左右されやすい資源株が買われ、株価指数を押し上げた。
構成銘柄の約8割が上昇した。日中を通して高値圏で推移した。
個別銘柄では、自社株買い戻し計画を発表した建設資材のファーガソンは7%近く上昇した。資源商社のグレンコアは5.2%高と大幅高だった。2019年の生産は軟調だったものの、20年の生産目標を据え置いたことが買い材料となった。石油のBPは19年10~12月期の利益が市場予想を上回ったほか、増配を発表したことが好感され買われた。
一方、公益企業銘柄は売られた。前日に急落した総合ヘルスケアのNMCヘルスは、4日も3.3%安と大幅安だった。産金・産銀会社ポリメタル・インターナショナルは2.7%安、英ガス・電力大手セントリカは2.0%安とふるわなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13281.74(+236.55)
4日のドイツ株式指数(DAX)は大幅に続伸した。終値は前日と比べて236.55ポイント高の13281.74だった。アジアと米国株の上昇に連動し、欧州各国の株式相場も上がった。
個別では、オンライン決済サービスのワイヤーカードと工業用ガスのリンデの上昇が目立った。下落したのは、不動産のボノビアと電力のRWEの2銘柄だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5935.05(+102.54)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて1%以上、上昇した。
