11日のNYダウ工業株30種平均は4日続落した。前週末比53ドル22セント安の2万5053ドル11セントで終えた。
米中高官協議の再開を受けて、今後の展開を見極めたいとの思惑が広がったほか、15日のつなぎ予算の失効期限を控えて、共和・民主両党の協議が難航しており、政府機関閉鎖への懸念から小動きとなった。
米中首脳が3月中旬にも、会談を開く方向で協議中だと10日に伝わった。貿易摩擦を巡る過度な警戒感が和らぎ、建機のキャタピラーや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など、中国売上高比率が高い銘柄が買われた。ダウ平均は朝方に90ドルあまり上昇する場面があった。
ただ、今週北京で開く閣僚級協議を控え「交渉の具体的な進展を見極める必要がある」との見方が広がり、買い手控えムードが強まった。米連邦政府のつなぎ予算が15日に期限を迎える。政府機関が再び閉鎖に追い込まれるとの懸念もくすぶり、午後には一時97ドル安まで下げた。
ダウ平均銘柄では、8日に日本法人が高血圧症治療剤の自主回収を発表した製薬のファイザーが下落。映画・娯楽のウォルト・ディズニーや医療保険のユナイテッドヘルス・グループも下げた。
セクター別では、運輸や耐久消費財・アパレルが上昇する一方でメディアやテクノロジー・ハード・機器が下落した。
ナスダック総合株価指数は小幅に続伸し、前週末比9.707ポイント高の7307.905で終えた。主力株はまちまちだった。
個別では、電気自動車のテスラ(TSLA)は、一部アナリストによる投資判断引き上げを受け上昇。レストラン運営のレストラン・ブランズ・インターナショナル(QSR)は、既存店売上高が予想を上振れ堅調推移した。
一方で、大手行のモルガン・スタンレー(MS)は、企業向け株式報酬プラン管理サービスを手掛けるカナダのソリアム・キャピタルと約9億ドルで買収合意したものの軟調推移。携帯端末のアップル(AAPL)は、市場調査会社IDCによると10-12月期の中国向けiPhone出荷台数が20%減となり小幅下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,053.11-53.22
S&P500種
2,709.80+1.92
ナスダック
7,307.905+9.707
NY金(ドル/トロイオンス)
1,318.50+4.30
NY原油(ドル/バレル)
52.45-0.27
円・ドル
110.36 – 110.37+0.62
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は4営業日ぶりに反発した。
3月物は前週末比145円高の2万0450円で引け、8日の大取終値を160円上回った。
円安が相場を支えた。11日の東京市場が休場なうえ、米中貿易協議の先行きを見極めたいとの向きが多く動意薄の展開になった。米中貿易協議は11日から次官級が、14日からは閣僚級の協議が始まる。
この日の3月物高値は2万0475円、安値は2万0200円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
20450 ( +160 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
20450 ( +160 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7129.11(+57.93)
FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、英FT100種平均株価指数(FTSE100)は前営業日終値比57.93ポイント高の7129.11で終了した。
前週末8日の終値に比べ57.93ポイント高の7129.11で引けた。通信関連株、金融株を中心に買いが広がり、構成銘柄の9割が上昇した。
個別では、値下げ幅の大きかった広告大手のWPPグループの上げが目立った。教育事業のピアソンや携帯電話サービスのボーダフォン・グループなども軒並み上昇した。先週末に下落した石油株は全面高で引けた。
金融株ではファイナンシャル・サービスのハーグリーブス・ランズダウン2.9%高、資産運用のシュローダーズ2.6%高と高くなった。
ただ、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)だけはアナリストが投資判断と目標株価を引き下げたことで下落した。旅行のTUIが終日、大幅高で推移した。アナリストが同社を買い銘柄に戻したことなどが買い安心感につながった。
半面、医療機器のスミス・アンド・ネフューが安かった。米国の同業他社に高額の買収案を提示したようだとの報道がきっかけになった。産銅大手アントファガスタ3.6%安、鉱業大手アングロ・アメリカン1.1%安、資源大手グレンコア0.8%安など資源株の一角が売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11014.59(+107.81)
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反発した。終値は前週末8日と比べて107.81ポイント高の11014.59だった。
下げ基調が続いていたこともあり、幅広い銘柄が買い戻された。下落したのは2銘柄にとどまった。
個別では、前週末に急落したオンライン決済サービスのワイヤーカードがふたたび急上昇し、6%超高となった。ドイツポストとドイツ銀行も高くなった。
一方、医薬・化学大手のメルクと自動車のBMWが小幅に下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5014.47(+52.83)
