NYダウ4日続伸71ドル高、景気敏感株に買い

 
27日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比71ドル37セント高の3万4869ドル37セントで終えた。
原油高を受けてエネルギー株が買われ、株価全体をけん引した。27日の米市場の原油先物相場は5営業日続伸し、約3年ぶりの高値を回復した。また、米長期金利の上昇を好感して金融株も買われたほか、景気動向の影響を受けやすい資本財や素材なども上昇した。半面、金利上昇で割高感が意識されたハイテク株は売られた。
 
米長期金利が朝方に一時1.51%と前週末から0.06%上昇した。22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の翌日以降、長期金利の上昇基調が続く。利ざや拡大の観測から金融のJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスが2%上昇。米原油先物が7月上旬以来の高値を付け、シェブロンなど石油株が上げた。
 
景気敏感株では化学のダウが5%高となり、建機のキャタピラーや航空機のボーイングなど資本財株の上げも目立った。新型コロナ感染が和らげば恩恵を受ける映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーも高い。ダウ平均は午前に一時263ドル高を付けた。
 
ただ、ダウ平均は取引終了にかけては伸び悩んだ。PER(株価収益率)が高く、長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすいグロース株が売られ、相場の重荷となった。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムとソフトウエアのマイクロソフトが2%安、スマートフォンのアップルは1%安となった。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前週末比77.729ポイント安の1万4969.970で終えた。巨大ハイテク株のほか、半導体関連も総じて売られた。医療機器、バイオ製薬などの下げも指数の重荷だった。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,869.37+71.37
S&P500種
4,443.11-12.37
ナスダック
14,969.970-77.729
NY金(ドル/トロイオンス)
1,752.00+0.30
NY原油(ドル/バレル)
75.45±0.00
円・ドル
110.98 – 110.99+0.21

 


【シカゴ日本株先物概況】

27日のシカゴ日経平均先物は小幅に上げた。12月物は前週末比20円高の3万0055円で引け、27日の大取終値を25円下回った。27日のNYダウ工業株30種平均は、経済活動再開への期待が強まり、寄り付き後上昇。8月耐久財受注速報値が予想を上回ったほか、金利の上昇や原油高を受け、景気循環株の買いが目立ち続伸した。一方でナスダック総合株価指数は米長期金利の上昇を背景に続落し、日経平均の上値を抑えた。ダウは終日堅調に推移した。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
30055 ( -25 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
30105 ( +25 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7063.40(+11.92)
27日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前週末の終値に比べ11.92ポイント高の7063.40で引けた。
航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスがスペイン子会社の売却を発表して大幅高となり、相場をけん引した。
指数構成銘柄全体の約6割が上昇。英国内の燃料不足や金利上昇期待を背景に、エネルギー株や金融株の上昇が目立った。銀行株には、欧米の長期金利上昇を背景に利ざや改善を期待した買いが入った。
 
個別銘柄では、航空機エンジンのロールス・ロイスが急伸し、11%超高で引けた。米空軍との大型契約の報道を材料に朝方から高く推移していた。午後にスペインの子会社ITPエアロの売却報道が伝わると、買いに弾みがついた。航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)も高くなった。
半面、製薬大手アストラゼネカは3.1%安とさえず、信用リスク管理サービス会社エクスペリアンは4.4%安の軟調だった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15573.88(+42.13)
27日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前週末と比べて42.13ポイント高の1万5573.88だった。
個別では、原油高を受けてエネルギー関連のシーメンス・エナジーが上昇した。ドイツ銀行の上げも目立った。欧米の長期金利が上昇し、利ざや改善を意識した買いが入った。医療機器のザルトリウスや食材・レシピ宅配のハローフレッシュは安かった。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6650.91(+12.45)
 
 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次