NYダウ4日ぶり反落、新型コロナ「第2波」警戒

17日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落した。前日比170ドル37セント(0.7%)安の2万6119ドル61セントで終えた。
 
新型コロナウイルスの感染が米国の一部地域で拡大。経済活動の再開が鈍るとの見方につながり、景気敏感株を中心に売りが広がった。
ダウ平均は感染「第2波」への懸念と、景気回復への期待を手掛かりに、前日終値を挟んで上下する展開となった。ただ、終盤には売りが強まり、この日の安値近くで引けた。
米国の一部の州や中国・北京で新型コロナの新規感染者が増え、感染第2波への警戒感が高まっている。また、ダウ平均が前日まで3営業日続伸したことを受けて、この日は買いが失速した。
 
テキサス州では感染者に占める入院患者の割合が上昇するなど、米国の一部の州では新型コロナの感染が再び広がっている。中国の北京市でも集団感染が見つかり、中国の航空会社は北京発着の航空便を減らしたと伝わった。景気懸念が再燃し、石油株や銀行株など業績が景気に連動しやすい銘柄に売りが目立った。
 
市場では「感染拡大が続くうちは人々は飛行機での移動やレジャーに神経質にならざるをえない」との声が聞かれた。外出規制が業績に響くクルーズ船や空運株に売りが目立った。
 
ただ、下値は堅く、取引時間中には前日終値を上回る場面もあった。米政権が1兆ドル規模のインフラ投資計画を検討しているとの前日の報道が引き続き材料視された。商務省が発表した5月の住宅着工許可件数は前月から14.4%増加し、住宅市場の本格的な回復の兆しが示された。住宅市場が持ち直しつつあるとの見方も株買いにつながった。
 
セクター別では、エネルギーの下落が目立った一方で、半導体・同製造装置は上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比14.66ポイント高の9910.53で終えた。自宅でサービスを利用する「巣籠もり消費」の恩恵を受ける動画配信サービスのネットフリックスやネット通販のアマゾン・ドット・コムが上昇。ゲームソフトや半導体株も買われた。米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和の長期化で流動性相場が続くとの思惑も、高PER(株価収益率)銘柄が多いハイテク株の支えになった。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,119.61-170.37
S&P500種
3,113.49-11.25
ナスダック
9,910.532+14.665
NY金(ドル/トロイオンス)
1,735.60-0.90
NY原油(ドル/バレル)
37.65-0.31
円・ドル
107.02 – 107.03-0.32

 


【シカゴ日本株先物概況】

17日のシカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前日比115円高の2万2460円で引け、17日の大取終値を70円下回った。
 
NYダウは、景気回復期待で上昇して寄り付いたが、中国北京の感染拡大やテキサス州のウイルス患者入院数の急増が伝えられると、感染第2波への懸念が上値を抑え、前日終値を挟んで揉み合う展開となった。日経平均先物は米株が上げた場面で買われた。
 
この日の9月物高値は2万2710円、安値は2万2190円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22460 ( -70 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22525 ( -5 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6253.25(+10.46)
17日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ10.46ポイント(0.2%)高い6253.25で引けた。
方向感に乏しく、終値もほぼ横ばいだった。安価で入手しやすいステロイド薬が新型コロナウイルスに効果があると伝わり、相場の下支え材料になった。指数構成銘柄のうち、上昇、下落はそれぞれ約半分だった
 
個別銘柄では、電力大手のSSEが9.1%の大幅高。製薬大手グラクソ・スミスクラインが2.0%高となるなど、製薬株も軒並み締まった。
半面、クルーズ船運営の旅行大手カーニバルが5.9%安で下落率トップ。金融大手バークレイズ(2.7%安)を筆頭に銀行株もさえなかった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12382.14(+66.48)
17日のドイツ株式指数(DAX)は小幅に続伸した。終値は前日と比べて66.48ポイント(0.5%)高い1万2382.14だった。米政府の景気刺激策や欧州各国の移動制限の緩和により、景気が回復に向かうとの期待感から買いが優勢だった。
きのう発表された6月のZEW景況感指数が予想を上回った。景気回復期待の高まりを受けリスクオンムードが続いている。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4995.97(+43.51)

 

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