NYダウ4ドル高、ナスダック3カ月半ぶり安値

 
3日のNYダウ工業株30種平均は小反発し、前週末比4ドル74セント高の2万4819ドル78セントで終えた。
 
前週まで相場は下げ基調が続いたため、短期的な戻りを見込んだ買いが入りやすかった。貿易摩擦をめぐる米中対立の激化に加え、トランプ大統領は不法移民対策が不十分だとしてメキシコからの全輸入品に制裁関税を発動する方針を示し、ダウは前週に770ドル下落。週明け3日は押し目買いの動きも出て、ダウは取引前半に一時120ドル高となる場面もあった。
 
5月のダウ平均は月間で1777ドル(7%)安と大きく下げていた。3日は化学のダウや石油のシェブロンなど最近の下げが大きかった銘柄が買われ、相場を支えた。コカ・コーラや医薬品株など、業績が景気の影響を受けにくい「ディフェンシブ銘柄」も幅広く買われた。
 
半面、米国を巡る貿易摩擦の激化が景気を冷やすとの懸念は根強く、ダウ平均は134ドル安まで下げる場面もあった。
米長期金利が低下し、景気後退の予兆とされる長短金利の逆転も一段と進んだ。5月のサプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数は前月比で低下し、2年7カ月ぶりの低水準となった。貿易戦争による米景気の悪化への懸念も改めて高まり、相場の重しとなった。
 
セクター別では、電気通信サービスや素材が上昇する一方で、メディアやソフトウェア・サービスが下落した。
 
IT大手の市場寡占に対する米当局の厳格な監視方針が相次いで報じられたことから、グーグル親会社アルファベットなどには売りが集中。ナスダック総合株価指数は大幅続落し、同120.129ポイント安の7333.019と、ほぼ3カ月半ぶりの安値で終えた。ナスダック指数は5月3日に付けた史上最高値(8164.00)から1割超下落し、相場は調整局面入りした。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,819.78+4.74
S&P500種
2,744.45-7.61
ナスダック
7,333.019-120.129
NY金(ドル/トロイオンス)
1,327.90+16.80
NY原油(ドル/バレル)
53.07-0.18
円・ドル
107.99 – 108.00-0.25
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅反発した。
6月物は前週末比40円高の2万0465円で引け、3日の大取終値を105円上回った。
前週に売られた反動で、日経平均先物は割安感からの買いが入った。
ただ貿易摩擦の悪化による世界景気の減速懸念は根強く、米株とともに上値の重い展開になった。
トランプ米大統領は30日、メキシコへの関税導入を発表し、投資家心理を冷やした。米長期金利の低下も上値を抑えた。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
20465 ( +105 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
20465 ( +105 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7184.80(+23.09)
FTSE100種総合株価指数は反発した。前週末の終値に比べ23.09ポイント高の7184.80で引けた。構成銘柄の半数以上が上昇した。
 
アジアの株安を背景に朝安で始まったが、午後に入って米国株の寄り付きの反発を眺めて切り返した。ただ、米中貿易摩擦や米国の対メキシコ制裁関税などが心理的重しとなり、上値は重かった。
朝方は原油と銅の相場下落で、資源株は売られたが、その後原油と銅の相場がともに上昇に転じると、資源株も買いが優勢となった。景気の先行きへの不透明感から、安全投資先として金が買われた。
 
個別銘柄では、産金大手フレスニーヨは金塊相場の上昇を背景に3.8%高と買われた。5月31日に大幅下落した反動で、総合ヘルスケアのNMCヘルスは4%超上がった。前営業日の大幅安の反動で買いを集めた。製薬大手アストラゼネカ1.9%高、同グラクソ・スミスクラインは、1.5%高、同ヒクマ・ファーマシューティカルズは1.4%高と製薬株も買われた。
 
半面、保険株は下落した。旅行のTUIと自動車売買ウェブサイトを運営するオート・トレーダー・グループの値下がりが目立った。今週発表されるFTSE100の銘柄入れ替えを前に、除外が予想される航空のイージージェットも売られた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11792.81(+65.97)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前週末と比べて65.97ポイント(0.56%)高の11792.81だった。米国を中心とした貿易摩擦が世界的な景気減速につながるとの懸念から、欧州各国株式相場は下落して始まった。ただ、下げ幅は徐々に縮まり、午後には各国そろって上昇に転じた。
 
個別銘柄では、オンライン決済サービスのワイヤーカードは買われた。同社の最高経営責任者(CEO)が2日に、上期の業績は良好との見通しを示したことが好感された。鉄鋼のティッセン・クルップも買われた。
一方、下落したのは全30銘柄中5銘柄だけだった。半導体のインフィニオンテクノロジーズは8%安。同業の米サイプレスセミコンダクタを90億ユーロ(約1兆880億円)で買収すると発表したが、市場では買収価格が高過ぎると判断され、売りが広がった。ドイツ銀行も下げた。
 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 5241.46(+33.83)

 

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