NYダウ39ドル高、米中貿易交渉の合意期待

3日のNYダウ工業株30種平均が反発し、前日比39ドル00セント高の2万6218ドル13セントで終えた。
 
米中両政府はこの日からワシントンで閣僚級の貿易協議を再開した。合意の妨げとなっていた問題の大半が解決したとする英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)の報道や、協議が「かなり前進している」とのクドロー米国家経済会議(NEC)委員長の発言などを受け、市場では協議進展への期待が拡大した。投資家のリスク志向が強まり、ダウは一時103ドル高まで上昇した。
 
アナリストが強気な見通しを示したことが半導体株への買いにつながった。
アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やインテルなど半導体株全般が買われたことで投資家心理を支えた。半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が半導体の生産を加速しているとの報道を受け、年後半の業績改善期待が強まった。
 
一方、米サプライ管理協会(ISM)が朝方発表した3月の非製造業景況指数(NMI)や、米民間雇用サービス会社オートマティック・データ・プロセッシング(ADP)の3月の全米雇用報告がいずれも市場予想を下回ったため、景気減速への警戒感が相場の上値を抑えた。新型旅客機の墜落事故が業績悪化につながるとの見方が広がった航空機大手ボーイングの下落もダウの重しとなった。
 
セクター別では、半導体・半導体製造装置や自動車・自動車部品が上昇する一方で食品・飲料・タバコやエネルギーが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、同46.864ポイント高の7895.553と昨年10月上旬以来の高値で終えた。半導体関連に加えて、アップルなど大型ハイテク株全般が上げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,218.13+39.00
S&P500種
2,873.40+6.16
ナスダック
7,895.553+46.864
NY金(ドル/トロイオンス)
1,295.30-0.10   
NY原油(ドル/バレル)62.46±0.00
円・ドル111.43 – 111.44-0.08

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前日比235円高の2万1760円で引け、3日の大取終値を40円上回った。3日にワシントンで再開した閣僚級の米中貿易協議が合意に向けて進展しているとの期待から、米株とともに買われた。
中国の3月の非製造業購買担当者景気指数(PMI)が改善し、世界景気への警戒感が薄れたことも買いを支えた。
この日の6月物高値は2万1830円、安値は2万1480円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21760 ( +40 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21780 ( +60 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7418.28(+27.16)
FTSE100種総合株価指数は5日続伸した。前日の終値に比べ27.16ポイント高の7418.28と、終値ベースで2018年10月上旬以来、約6カ月ぶりの高値で引けた。
構成銘柄の約8割が上昇した。小動きで推移した後、午後に買いがやや強まった。
 
メイ英首相は2日夕、欧州連合(EU)離脱日を12日から再び短く延期したいとの意向を示した。これを受けて、「合意なき離脱」は回避されるとの思惑から内需関連の銀行と住宅建設株が買われ、株価指数を押し上げた。
 
個別では、住宅建設のテイラー・ウィンピーは4%超上昇した。保険株も堅調だった。銅価格の上昇を受けて、鉱業株も上がった。航空のインターナショナル・エアラインズ・グループも大幅高となった。
 
半面、離脱延期の期待からポンドが上昇し、通貨高で業績に悪影響を受ける多国籍企業銘柄は下落した。医薬品とたばこ株の下げが目立った。酒類のディアジオも売られた。ファッションのバーバリー・グループも下がった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11954.40(+199.61)
ドイツ株式指数(DAX)は5日続伸した。終値は前日と比べて199.61ポイント高の11954.40だった。良好な中国と欧州の経済指標が発表されたほか、米中の貿易協議の進展が期待され、欧州各国市場で買いが広がった。
 
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズが4%超上がった。米中協議の期待から日米の半導体株が買われたことに連動した。素材メーカーのコベストロと、化学のBASFも大幅高となった。
一方で下落したのは、医薬・化学大手の独メルクと日用品のバイヤースドルフの2銘柄だけだった。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5468.91(+45.44)

 

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