NYダウ39ドル高、景気敏感株に買い

25日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前日比39ドル24セント高の3万5405ドル50セントで終えた。過去最高値が近づき、高値警戒感から朝方は短期的な利益確定売りが先行した。だが、新型コロナウイルスのワクチンの普及や、米政権の大型の財政支出による景気拡大を期待した買いが次第に優勢になった。
 
ただ、このところ上昇基調が続き利食い売りに押されやすかったほか、今週のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を控え、内容を見極めたいとのムードも強く、上値は重かった。
 
朝方発表された7月の耐久財受注額は前月比0.1%減と、3カ月ぶりのマイナスを記録。市場予想(ロイター通信調べ)の0.3%減ほどの落ち込みとはならなかったが、相場への影響は限られた。
 
医薬・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソンは25日、新型コロナワクチンの追加接種(ブースター接種)で効果的な免疫反応が確認できたと発表した。米食品医薬品局(FDA)がファイザーと独ビオンテックの新型コロナワクチンを正式承認し、米企業では従業員に接種を事実上、義務化するところが増えている。ワクチンが普及し、経済活動の再開が進むとの見方が広がった。
 
米下院は24日夕、子育て支援などに10年で3.5兆ドルを支出する予算案を可決した。成立すれば長期的な経済成長につながるとの期待も株買いを後押しした。景気敏感株が堅調に推移し、建機のキャタピラーや化学のダウが高い。米債券市場では長期金利が上昇し、利ざや改善を見込んでゴールドマン・サックスなど金融株が買われた。
 
ただ、ダウ平均の上値は重かった。過去最高値が近づいているとあって、短期的な過熱感を警戒した売りが出やすい。27日の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演が予定されている。講演内容を見極めたい投資家が多く、上値を追う動きは限られた。
 
ダウ平均の構成銘柄以外では半導体メモリーのウエスタンデジタルが8%高と急伸した。半導体メモリーのキオクシアホールディングスとの合併交渉が進んでいると伝わり、好感した買いが入った。
 
ナスダック総合株価指数は5日続伸した。前日比22.059ポイント(0.1%)高の1万5041.859で終え、連日で過去最高値を更新した。半導体のエヌビディアが高い。米エネルギー省が同社の半導体を搭載したスーパーコンピューターを採用する見通しだと伝わった。主力株では検索エンジンのアルファベットと交流サイトのフェイスブックが高い。
 
S&P500種株価指数は前日比9.96ポイント(0.2%)高の4496.19で終え、過去最高値を更新した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,405.50+39.24
S&P500種
4,496.19+9.96
ナスダック
15,041.859+22.059
NY金(ドル/トロイオンス)
1,791.00-17.50
NY原油(ドル/バレル)
67.99+0.45
円・ドル
109.99 – 110.05+0.25
 


【シカゴ日本株先物概況】

25日のシカゴ日経平均先物は続伸した。9月物は前日比35円高の2万7800円で引け、25日の大取終値を60円上回った。
NYダウは、利益確定売りに寄り付き直後、下落。しかし、7月耐久財受注速報値が予想ほど落ち込まず、安心感が広がり上昇に転じた。製薬会社ファイザー・ビオンテックがブッスター接種の正式承認を目指した申請を当局に提出したとの報道で、回復期待に伴う買いが一段と強まり、終日、堅調に推移した。ハイテクも引き続き強く、3日連続で史上最高値を更新して終了した
新型コロナウイルスのワクチン普及やバイデン政権の大型財政支出による景気回復見通しが広がり、日経平均先物は米株とともに買われた。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
 27800 ( +60 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27805 ( +65 )
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7150.12(+24.34)
25日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日の終値に比べ24.34ポイント高の7150.12で引けた。ジャクソンホール会議でのパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演を前に買いが優勢となり、指数構成銘柄の約6割が値上がりした。
銀行株と鉱業株が買われ、株価指数の上昇に寄与した。英国の新型コロナウイルスの感染者数が再び増えるリスクも意識され、上値は重かった。
 
個別銘柄では、スタンダードチャータード銀行とブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントはともに3%超の上昇と目立った。エンジニアリング会社ウィアーグループが3.0%高、オンライン食品販売オカド・グループが2.9%高と買われた。
 
一方、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスと水道大手セバーントレントが1.5%安、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルと水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループ、送電大手ナショナル・グリッドがいずれも1.4%安とさえなかった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15860.66(-45.19)
25日のドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて45.19ポイント(0.3%)安の1万5860.66だった。午前に発表された8月の独Ifo企業景況感指数が前月から低下したことを受け、売りが先行した。
 
個別では、ミュンヘン再保険が売られた。7月にドイツで発生した大規模な洪水の被害について、ドイツ保険業協会が25日に保険請求の推定額を引き上げたことが売り材料となった。医療機器のフレゼニウスも下げた。ドイツ銀行は上昇した。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6676.48(+12.17)
 

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