6日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比375ドル88セント安の2万7772ドル76セントで終えた。
新型コロナウイルス感染拡大を受けた追加経済対策をめぐる与野党協議進展への期待から、小幅続伸して取引を開始した。ただ、午後に入り、トランプ大統領が、協議を打ち切るよう与党共和党に指示したとツイッターで表明。11月の大統領選後まで対策がまとまらない可能性が強まった。市場では景気の先行きへの懸念が広がり、ダウ平均は急落、下げ幅は一時400ドルを超えた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は6日の講演で「金融政策と財政政策がそろって機能し続ければ、経済の回復はさらに強く、早くなる」と述べた。一方で経済対策の協議の進展がなければ「景気持ち直しの勢いは弱くなり、家計やビジネスに不必要な困難を作り出す」とも警告していた。
急落に転じる前に、ダウ平均は200ドル超上昇する場面もあった。新型コロナウイルス感染で入院していたトランプ大統領が5日夕に退院した。大統領の健康状態悪化で米政治が混乱するとの懸念がひとまず後退し、市場心理が改善した。
スマートフォンのアップルやソフトウエアのマイクロソフトなど主力ハイテク株が下落した。化学のダウや建機のキャタピラーなど景気敏感株にも売りが目立った。2029年までの航空会社の商用機需要を下方修正した航空機のボーイングが売られたことも指数を押し下げた。
セクター別では小売りやテクノロジー・ハード・機器が下落した一方、公益事業が上昇。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比177.88ポイント安の1万1154.60で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや交流サイト(SNS)のフェイスブックが下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,772.76-375.88
S&P500種
3,360.95-47.68
ナスダック
11,154.604-177.881
NY金(ドル/トロイオンス)
1,908.80-11.30
NY原油(ドル/バレル)
39.68-0.99
円・ドル
105.61 – 105.62-0.03
【シカゴ日本株先物概況】
6日のシカゴ日経平均先物は反落した。
12月物は前日比130円安の2万3270円で引け、6日の大取終値を130円下回った。
トランプ米大統領が6日、追加経済対策を巡る与野党協議を大統領選後まで停止すると表明した。このため景気先行き警戒感が広がり、引けにかけて大きく下げに転じた。
日経平均先物は米株とともに売られた。
この日の12月物安値は2万3215円、高値は2万3435円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23270 ( -130 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23310 ( -90 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5949.94(+7.00)
6日のFTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日の終値に比べ7ポイント高の5949.94で引けた。指数構成銘柄全体のうち、上昇銘柄は半分程度だった。
原油相場の上昇圧力が強まると石油株が買われ、銀行株の上昇とともに株価指数を押し上げた。医薬品株が売られ、上値を抑えた。
個別銘柄では、航空機エンジンのロールス・ロイスは9月以降、下落傾向にあったが今週から買い戻され、6日は21%急伸した。航空のインターナショナル・エアラインズ・グループも7%高だった。銀行株も買われ、バークレイズの上昇が目立った。アナリストの投資判断の引き上げなどを好感した。
半面、ヒクマ・ファーマシューティカルズなど医薬品株は売られた。ネット専業スーパーのオカド・グループは9%近く下げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12906.02(+77.71)
6日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて77.71ポイント高の1万2906.02だった。午後に買いが強まった。
個別では、ドイツ銀行と航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズがともに大幅高だった。自動車のフォルクスワーゲン(VW)とBMWの上昇も目立った。半面、医薬・農薬大手のバイエルは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4895.46(+23.59)
