NYダウ337ドル高、経済対策への期待

 
15日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比337ドル76セント(1.1%)高の3万0199ドル31セントで終えた。
追加経済対策を巡る米与野党の協議が進展するとの観測が広がり、投資家心理が強気に傾いた。新型コロナウイルスのワクチンの普及期待も、景気敏感株を中心とした買いを後押しした。
 
米議会の超党派議員は前日、追加の新型コロナウイルス経済対策について、与野党の合意が得られそうな7480億ドル分と、意見が対立する1600億ドル分に分けて協議することを提案。議会での協議が前進することへの期待が相場を支えた。日系証券関係者は「一部の追加対策法案が成立する可能性が上がってきている。きょう、あすが(交渉の)ヤマ場だ」と指摘した。
野党民主党のペロシ下院議長が15日夕に与野党の議会幹部らと協議すると伝わったことも、追加対策成立への市場の期待を高めた。
 
ワクチンの普及が経済活動の正常化を後押しするとの期待も相場を支えた。米食品医薬品局(FDA)は15日、バイオ製薬のモデルナが開発中のワクチンの予防効果について「感染防止に有効で安全性も高い」との報告書をまとめた。米国で接種が始まった米ファイザーと独ビオンテックのワクチンに続き、緊急使用が承認されるとの見方が広がった。
 
ワクチン普及が業績の追い風になる映画・娯楽のウォルト・ディズニーが買われた。景気敏感株とされる化学のダウ、建機のキャタピラーの上げも目立った。米長期金利が上昇し、金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースも高い。
 
スマートフォンのアップルが5%高となり、ダウ平均を押し上げた。日本経済新聞(電子版)が15日、「来年1~6月にiPhone(アイフォーン)の生産を前年同期比3割増やす方針を取引企業に伝えた」と報じ、好感した買いが入った。
 
ナスダック総合株価指数は続伸。前日比155.020ポイント(1.2%)高の1万2595.060で終え、1週間ぶりに過去最高値を更新した。アップルに加え、半導体関連株が軒並み上昇して指数を押し上げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
30,199.31+337.76
S&P500種
3,694.62+47.131
ナスダック
12,595.060+155.020
NY金(ドル/トロイオンス)
1,832.10-11.50
NY原油(ドル/バレル)
47.59+0.60
円・ドル
103.66 – 103.69-0.40
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は続伸した。
3月物は前日比105円高の2万6760円で引け、15日の大取終値を130円上回った。
米追加経済対策を巡る与野党間の協議が進むとの期待が広がり、日経平均先物は米株とともに買われた。新型コロナウイルスのワクチン普及への期待も投資意欲を高め、ナスダック総合株価指数は15日に過去最高値を更新した。
 
この日の12月物高値は2万6780円、安値は2万6540円。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26760 ( +130 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26795 ( +165 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6513.32(-18.51)
15日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日の終値に比べ18.51ポイント(0.3%)安の6513.32で引けた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、16日からロンドンなどで厳しい社会制限が導入される。これらを背景に相場は軟調に推移した。ただ、英国と欧州連合(EU)の交渉の進展期待が相場を下支えしている。
構成銘柄の約6割が上昇したが、午後に時価総額の大きい多国籍企業銘柄に売りが広がり、相場を押し下げた。
 
個別銘柄では、外国為替相場でポンド高が進み、ポンド高が業績の重荷になる医薬品株やたばこ株、酒類のディアジオ、食品・日用品のユニリーバに売り圧力が強まった。
巨額買収で前日急落した製薬大手アストラゼネカがこの日も2.4%安と軟調。同グラクソ・スミスクライン(2.5%安)、ヒクマ・ファーマシューティカルズ(2.8%安)と製薬株がそろって値を下げた。
 
半面、金属相場の上昇で鉱業株は買われた。石油株と銀行株は一時売りに押される場面もあったが、引けにかけてともに買い戻された。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションには米スニーカー専門店の買収発表を好感した買いが入り、一時7%超す上げ幅となった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13362.87(+139.71
15日のドイツ株式指数(DAX)は大幅続伸した。終値は前日と比べて139.71ポイント(1.1%)高の1万3362.87だった。
引けにかけて上げ幅を広げた。欧州医薬品庁(EMA)は15日、新型コロナウイルスワクチンの承認会議を前倒しすると発表した。欧州連合(EU)内のワクチンの早期実用化を期待した買いが強まった。
指数への寄与度が大きい自動車株が上昇銘柄の上位を占め、相場の上げをけん引した。
 
個別では、アナリストによる目標株価と投資判断の引き上げを手掛かりに、フォルクスワーゲン(VW)は7%超高となった。
 
半面、料理宅配大手のデリバリーヒーローは安かった。上昇が続き、利益確定の売りが出た。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5530.31(+2.47)

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次