24日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3日続伸した。前日比33ドル18セント(0.1%)高の3万4798ドル00セントで終えた。ダウ平均は前日までの2日間で800ドル超上昇しており、短期的な過熱感を意識した売りが先行した。売り一巡後は、22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の通過まで様子見姿勢を強めていた投資家から金融や消費関連株に買いが入った。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが上昇したことも、ダウ平均を押し上げた。
複数の米メディアは、中国恒大集団が23日に期限を迎えたドル建て社債の利払いができなかったと報道。30日の猶予期間に入ったが、デフォルト(債務不履行)になるとの見方が強まっている。金融市場や中国経済への悪影響が懸念されており、相場の重荷となった。
ただ、期限内の利払いの不履行は「想定の範囲内」との声もある。市場では、前日までの大幅上昇で高値への警戒感もあり、利益確定の売りが先行したが、終盤に掛けて買いが優勢となった。
業績期待の高いセールスフォースが連日で過去1年(52週)の高値を更新した。底堅い個人消費が続くとの見方からクレジットカードのビザとアメリカン・エキスプレスが上昇した。長期金利の上昇を受け、利ざや改善の思惑から金融のJPモルガン・チェースも買われた。製薬のメルクや外食のマクドナルドなどディフェンシブ株の一角も堅調だった。
原油先物相場の上昇を受け、シェブロンなど石油株も買われた。ダウ平均構成銘柄以外では、運航再開が順調に進んでいるとみられているカーニバルなどクルーズ船株の上昇が目立った。
ダウ平均は上値が重くなる場面があった。スポーツ用品のナイキが6%安となったことが響いた。ナイキは23日夕に発表した2021年6~8月期決算で売上高が市場予想を下回った。世界的なサプライチェーン(供給網)の混乱で年末商戦に向けた商品の生産や販売に支障が出るとの見通しも示し、22年5月期通期の売上高見通しを引き下げたことで売りが膨らんだ。
中国人民銀行(中央銀行)による仮想通貨の決済や取引情報の提供など関連サービスの全面禁止を受けてビットコイン相場が下落したことも投資家の警戒につながった。中国の不動産大手、中国恒大集団を巡り、23日の期日までにドル建て債の利払いを予定通りできなかったと伝わったことも懸念材料となった。
ナスダック総合株価指数は4日ぶりに小幅に反落した。前日比4.545ポイント安の1万5047.699で終えた。半導体のエヌビディアが下げた。バイオ製薬のモデルナも安い。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,798.00+33.18
S&P500種
4,455.48+6.50
ナスダック
15,047.699-4.545
NY金(ドル/トロイオンス)
1,751.70+1.90
NY原油(ドル/バレル)
73.95+0.6524日 16:59
円・ドル
110.74 – 110.76+1.30
【シカゴ日本株先物概況】
24日のシカゴ日経平均先物は反落した。12月物は前日比65円安の3万0035円で引け、22日の大取終値を115円下回った。24日朝に暗号資産(仮想通貨)のビットコインが大幅に下落した。投資家心理の悪化から、NYダウ工業株30種平均は下げて始まり、日経平均先物にも売りが先行した。投資家の回復期待も強まり、押し目からは景気循環株の買いも目立ち、引けにかけてダウ平均が上昇に転じ、下げ幅を縮めた。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
30035 ( -115 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
30085 ( -65 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
24日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日の終値に比べ26.87ポイント安の7051.48で引けた。
中国恒大集団の経営不安が依然として解消されない中、利益確定売りが先行。24日に発表された9月の英GFK消費者信頼感指数が低下したことなどから、幅広い銘柄が売られた。指数構成銘柄の約8割が下落した。
個別では、品質試験サービスのインターテック・グループの下落が目立った。スポーツ関連小売りのJDスポーツ・ファッションも売られた。米スポーツ用品大手ナイキが23日、2022年5月期通期の売上高見通しを引き下げたことが響いた。
一方、航空機エンジンのロールス・ロイスは4%超上げた。医薬品のアストラゼネカも買われた。前立腺がん治療薬の臨床試験で良好な結果が示され、買い材料となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
24日のドイツ株式指数(DAX)は4日ぶりに反落した。終値は前日と比べて112.22ポイント安の1万5531.75だった。
中国の不動産大手、中国恒大集団の経営不安や、24日に発表された9月の独Ifo企業景況感指数の悪化などを材料に売りが先行した。
個別では、食材・レシピ宅配のハローフレッシュは4%超下げた。スポーツ用品のプーマとアディダスの下げも目立った。同業の米ナイキが23日、2022年5月期通期の売上高見通しを引き下げたことが響いた。自動車のダイムラーは買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)6,638.46 -63.52
