NYダウ322ドル高、早期利下げ期待

 

21日の米株式市場でNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比322ドル35セント高の3万7404ドル35セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が2024年に利下げに転じ、米景気を支えるとの見方が根強い。一部銘柄の好決算を受けて半導体関連株が上昇したのも投資家心理の好転につながった。

朝方発表された7~9月期の米実質国内総生産(GDP)確定値が改定値から下方修正。最新週の新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀地区の製造業景況指数がともに悪化し、米連邦準備制度理事会(FRB)が来年3月にも利下げを開始するとの見方が強まった。

 

ダウは前日利益確定売りに押されて急落していたこともあり、取引序盤から買いが入りやすい展開。翌日に個人消費支出(PCE)物価指数の公表を控えているものの、ハイテク株などが買われ、終日堅調な展開を維持した。

CMEグループのフェドウオッチによると、来年3月の連邦公開市場委員会(FOMC)における少なくとも0.25%の利下げ確率は約83%。前日は79%織り込まれていた。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、20日夕発表の四半期決算が市場予想を上回った半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが大きく上昇した。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)のほか、ダウ平均の構成銘柄ではインテルにも買いが及び、投資家心理を支えた。

ダウ平均は上げ幅を40ドルあまりに縮める場面があった。相場の過熱感は解消しておらず、利益確定や持ち高調整の売りが出た。

顧客情報管理のセールスフォースやドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが上昇した。半面、ネットワーク機器のシスコシステムズとスマートフォンのアップルは売られた。

ナスダック総合株価指数は反発した。前日比185.923ポイント(1.25%)高の1万4963.866で終えた。半導体株の上昇が指数を押し上げた。電気自動車のテスラやネット検索のアルファベットも買われた。

 

 

債券】

21日のニューヨーク債券市場で長期債相場は下落した。長期金利の指標となる表面利率4.500%の10年物国債利回りは前日比0.01%高い(価格は安い)3.89%程度となった。同日に発表された同期の個人消費支出(PCE)物価指数で、エネルギーと食品を除くコア指数は前期比年率2.0%上昇と前回(2.3%上昇)から下方修正された。24年の利下げ期待を強めたとの見方もあったが、長期債相場への影響は限られた。

 

【為替】

21日のニューヨーク外国為替市場で円相場は、前日比1円30銭程度円高・ドル安の1ドル=142円20銭台で取引を終えた。根強い米利下げ観測に加え、7〜9月期の米実質GDP(国内総生産)確定値の下方修正などを材料に円買い・ドル売りが優勢となった。

 


【シカゴ日本株先物概況】

21日のシカゴ日経平均先物は上昇した。2024年3月物は前日比200円高の3万3250円で終えた。

NYダウは、7-9月期国内総生産(GDP)・個人消費、価格指数確定値の予想外の下方修正を受け、来年の利下げ観測が強まり、一段の上昇につながった。この日は米主要株価指数が上昇し、日経平均先物も買いが優勢となった。

 

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)

33250 ( +130 )

シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)

33310 ( +190 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100 7694.73(-20.95)

21日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前日比20.95ポイント(0.27%)安の7694.73で終えた。原油先物相場の下落を背景に、英シェルなどエネルギー株が下げた。11月に入って以降、相場上昇の基調が続いており、利益確定や持ち高調整の売りも出やすかった。

FTSE100種指数の下げは限られた。21日の米株市場が上昇して始まったのは投資家心理の支えとなり、FTSE100種指数も徐々に下げ幅を縮めた。

FTSEの構成銘柄では、一部金融機関による高級小売店の目標株価引き下げにより高級衣料のバーバリーが4.19%安と売られ、下げ幅トップ。オンライン食品販売大手オカド・グループは4.03%安、水道サービス会社ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループは2.95%安と続いた。通信大手ボーダフォンは2.25%高、投資会社メルローズ・インダストリーズが0.78%高だった。

 

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

 

DAX 16687.42(-45.63)

21日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比45.63ポイント(0.27%)安の1万6687.42で終えた。21日に発表されたドイツの小売企業の景況感を示す指標が悪化したことなどが重荷となった。自動車株が下げたほか、スポーツ用品のアディダスやファッション通販大手のザランドなど消費関連の銘柄に売りが出た。

一方で20日夜に欧州中央銀行(ECB)から最大6億ユーロ相当の自社株買い計画の承認を受けたと発表したコメルツ銀行株が上昇した。

個別では、製薬大手サルトリアスが2.4%安、高級車メーカーポルシェが1.33%安、業務用ソフトウエア大手SAPが1.16%安と売られた一方、コメルツ銀行が1.33%高、化学品商社ブレンタークが0.66%高と買われた。

 
 
 

■フランス・パリ株価指数

CAC40 7571.40(-12.03)

フランスCAC40種指数は0.16%安だった。米利下げ観測を背景とした世界的な株価上昇が一巡し、欧州株式市場は下落。自動車関連株や不動産株が下落し、全体を押し下げた。

 

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