24日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比322ドル58セント(1.0%)高の3万4196ドル82セントで終えた。
バイデン米大統領と米議会上院の超党派グループは同日、8年間で1兆2090億ドル(約134兆円)に上るインフラ投資計画をめぐって合意した。道路などのインフラや電気自動車(EV)の充電拠点整備などを進める。法人税率引き上げは見送った。政権が目玉に据える成長戦略が実現へ前進した。22日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言以降、米利上げ前倒しへの懸念が薄れたことも買い安心感につながった。
米労働省が午前発表した新規の週間失業保険申請件数は41万1000件となった。市場予想を上回ったものの、2週ぶりに前週より減少した。また、米商務省が発表した1~3月期の税引き後企業利益は前期比1.7%増に上方修正された。
ダウ平均は、雇用情勢の改善や企業収益増加への期待から、景気変動の影響が大きい銘柄を中心に買いが先行し、反発して取引を開始した。インフラ投資をめぐる合意が伝わると、一段高となった。
S&P500種株価指数が寄り付き直後に最高値を上回ると、投資家心理が強気に傾いた。S&P500種は前日比24.65ポイント(0.6%)高の4266.49で終え、過去最高値を更新した。
米政権が掲げる2兆ドル規模の投資計画の一部を切り出す形で道路や橋、空港などの整備に充てる。建設投資拡大の恩恵を受ける建機のキャタピラーが一段高となった。
ダウ平均は一時360ドル近く上げた。取引終了後に公表されるFRBのストレステスト(健全性検査)の結果を受けて金融大手が株主還元の強化を発表するとの期待から、ゴールドマン・サックスなどの金融が買われた。ダウ平均の構成銘柄では航空機のボーイングの上げも目立った。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比97.976ポイント(0.7%)高の1万4369.709と連日で最高値を更新した。ソフトウエアのマイクロソフトや交流サイト(SNS)のフェイスブック、画像処理半導体(GPU)のエヌビディアなどが上場来高値を更新した。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,196.82+322.58
S&P500種
4,266.49+24.65
ナスダック
14,369.709+97.976
NY金(ドル/トロイオンス)
1,776.70-6.70
NY原油(ドル/バレル)
73.33+0.2524日 16:59
円・ドル
110.83 – 110.85-0.04
【シカゴ日本株先物概況】
24日のシカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前日比260円高の2万8980円で引け、24日の大取終値を180円上回った。
NYダウは、連邦準備制度理事会(FRB)が当面緩和策を維持するとの期待に寄り付き後、上昇。バイデン大統領がインフラ投資計画で超党派上院議員との会談後、合意を発表すると、景気回復期待が一段と強まり、景気循環株が再び買われ相場を一段と押し上げた。
日経平均先物は米株とともに買われた。24日発表の週間の新規失業保険申請件数が市場予想を大幅に上回ったため、利上げ時期の先送りを見込む買いも入った。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
28980 ( +180 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
29005 ( +205 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7109.97(+35.91)
24日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ35.91ポイント(0.5%)高の7109.97で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
英イングランド銀行(中央銀行)の金融政策委員会の発表を受けて上げ幅を広げた。英中銀は24日、現行の金融策を据え置いた。緩和策が続くとの見方が広がり、買いにつながった。時価総額の大きい鉱業株や医薬品株、銀行株が上昇し、指数の上げをけん引した。石油株も上げた。
個別銘柄では、鉱業大手アングロ・アメリカン(3.6%高)や資源大手BHPビリトン(1.6%高)、同グレンコア(1.3%高)などの資源株が軒並み堅調。ブックメーカー(賭け屋)のフラッター・エンターテインメントが高かった。
半面、欧州大陸での通話料金上乗せなどが伝えられ通信関連株は安かった。通信大手ボーダフォンは4.1%の大幅安。同BTも1.3%安とさえなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15589.23(+132.84)
24日のドイツ株式指数(DAX)は大幅に反発した。終値は前日と比べて132.84ポイント(0.9%)高の1万5589.23だった。
前日に大幅下落した反動もあり、幅広い銘柄が買い戻された。朝方に独Ifo経済研究所が発表した6月の企業景況感指数が改善したことも指数の支えになった。
個別では、ハイデルベルクセメントをはじめ構成銘柄の9割が上昇した。産業機器のシーメンスと不動産のドイチェ・ボーネンの2銘柄が下げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6631.15(+80.08)
