13日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比320ドル04セント(0.9%)安の3万5650ドル95セントで終えた。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への警戒感から景気敏感株を中心に売りが優勢だった。15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、過去最高値圏で推移する米株には利益確定売りも出やすかった。
英国のジョンソン首相は13日、オミクロン型に感染した死者が確認されたと明らかにした。同国では急速に感染が拡大しており、ロンドンでの感染の4割がオミクロン型によるものという。先週末には、再び在宅勤務を基本にするよう勧告するなど、感染防止策が強化された。
米国でも感染者が再び増加しており、行動制限などによる景気への影響が懸念された。航空旅客数が減り、航空機の受注にも響くとの見方からボーイングが4%下落した。工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や化学のダウ、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスなど景気敏感株が幅広く売られた。
ダウ平均の構成銘柄以外では空運のアメリカン航空グループやクルーズのカーニバルなど旅行・レジャー株の下げが目立った。
FOMCではテーパリング(量的緩和の縮小)の加速が決定される見通し。テーパリング終了後に予想される利上げの開始時期やペースをどうみているのか確認したい投資家が多く、積極的な買いは見送られた。
一方、ディフェンシブ株には資金が流入した。アナリストが投資判断を引き上げた飲料のコカ・コーラが3%高。日用品・医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソンや製薬のメルクも上昇し、ダウ平均を下支えした。ダウ平均の構成銘柄以外では、新型コロナのワクチン需要拡大観測から製薬のファイザーが5%高で終えた。
ナスダック総合株価指数は反落し、前週末比217.319ポイント(1.4%)安の1万5413.282で終えた。スマートフォンのアップルは朝方に上場来高値を更新したが、その後は売りに押された。電気自動車のテスラと半導体のエヌビディアが大幅安となった。
17日は日本でのメジャーSQ(特別清算指数)に当たる「クアドルプル・ウィッチング」の実施日に当たる。オプションのコール(買う権利)の建玉(未決済残高)が多い一部ハイテク株は「持ち高整理の動きが下落につながっている可能性がある」(インガルズ・アンド・スナイダーのティム・グリスキー氏)との見方もあった。
NYダウ工業株30種(ドル)
35,650.95-320.04
S&P500種
4,668.97-43.05
ナスダック
15,413.282-217.319
NY金(ドル/トロイオンス)
1,788.30+3.50
NY原油(ドル/バレル)
71.13-0.5413日 16:59
円・ドル
113.54 – 113.59±0.00
【シカゴ日本株先物概況】
13日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前週末比135円安の2万8425円で引け、13日の大取終値を225円下回った。
新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」の感染拡大への警戒感が広がり米株とともに売られた。連邦準備制度理事会(FRB)が今週開催する連邦公開市場委員会(FOMC)で緩和縮小ペースを加速する可能性も警戒され、終日軟調に推移した。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
28425 ( -225 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
28510 ( -140 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7231.44(-60.34)
13日のFTSE100種総合株価指数は4日続落した。前週末の終値に比べ60.34ポイント(0.83%)安の7231.44で引けた。構成銘柄の約7割が下落した。
午後に売りが優勢になった。英国で13日、新型コロナウイルスの変異型「オミクロン型」感染者の死亡が確認された。オミクロン型の感染拡大による影響が警戒され、投資家が運用リスクを回避する姿勢を強めた。
原油安で石油株は売られ、景気動向に敏感な銀行株は全銘柄が下落した。鉱業株の一角も売りに転じた。
個別では、航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)をはじめレジャー・外食のウイットブレッドやインターコンチネンタル・ホテルズ・グループなど旅行関連株の下げも目立った。
一方で、金相場の上昇を受けて関連のフレスニージョは買われた。産業用ソフトウエアのアヴィバグループなどハイテク株も上げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15621.72(-1.59)
13日のドイツ株式指数(DAX)は小幅ながら4日続落した。終値は前週末と比べて1.59ポイント(0.01%)安の1万5621.72だった。
米株安が波及し、引けにかけて下げた。
個別では、航空機のエアバスや航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズの下げが目立った。料理宅配大手のデリバリーヒーローと食材・レシピ宅配のハローフレッシュは続落した。一方で、前週末に下落した高級車のポルシェやフォルクスワーゲン(VW)は上昇した。IT(情報技術)のSAPは、アナリストが投資判断と目標株価を引き上げたことを手掛かりに買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6942.91(-48.77)
