27日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比32ドル14セント安の2万5625ドル59セントで終えた。
先週末から台頭している世界経済の減速懸念の高まりを受け、ダウは乱高下し、不安定な値動きが続いた。朝方は100ドル高まで上昇したが、買いの勢いは続かず、一時232ドル安まで売られる場面もあった。
米長期金利が低下し、長短金利の逆転が一段と進むとの思惑を誘った。特に10年債米国債利回りが2.4%割れまで急低下し、米3カ月物TB(財務省証券)利回りが10年債利回りを上回る「長短金利逆転(逆イールド)」が一段と拡大した。
世界の主要中銀が景気の先行きに警戒感を強めており、世界経済の先行き不透明感が強まった。
一方、米景気の底堅さに着目した買いが優勢になる場面もあった。1月の貿易赤字が市場予想以上に縮小し、1~3月期の実質国内総生産(GDP)見通しを引き上げる市場関係者が相次いだ。ダウ平均は朝方に100ドル高まで上げた。
ダウ平均の構成銘柄では原油安を受けてシェブロンなど石油株が売られた。一方、2度の墜落事故を起こした新型機「737MAX」のシステムについて、「追加の問題は見つかっていない」との認識を示したと伝わったボーイングなどが買われた。
セクター別では、運輸や耐久消費財・アパレルが上昇する一方で半導体・半導体製造装置や自動車・自動車部品が下落した。
ナスダック総合株価指数は反落し、同48.145ポイント安の7643.377で終えた。フェイスブックやアマゾン・ドット・コム、ネットフリックスなど主力株の一角が売られた。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,625.59-32.14
S&P500種
2,805.37-13.09
ナスダック
7,643.377-48.145
NY金(ドル/トロイオンス)
1,310.40-4.60
NY原油(ドル/バレル)
59.34-0.07
円・ドル
110.51 – 110.52-0.17
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反落した。
6月物は前日比80円安の2万1190円で終え、大阪取引所の終値を190円下回った。
世界景気の先行き警戒感が広がり、日経平均先物は米株式とともに売られた。
米長短金利の逆転が続いているほか、景気減速を警戒した世界の中央銀行が金利引き下げや利上げ先送り姿勢を相次いで示し、世界景気の先行き不透明感が意識された。
6月物の安値は2万1060円、高値は2万1390円だった
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21190 ( -190 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21205 ( -175 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7194.10(-2.10)
FTSE100種総合株価指数は小反落した。前日の終値に比べ2.10ポイント安の7194.19で引けた。
27日の英議会の欧州連合(EU)離脱をめぐる代替案を模索する投票を控え、様子見気分が強かった。株価は前日終値付近の水準で、総じて狭いレンジ内にとどまった。
午後に原油相場の下げ幅が広がると石油株は一段安となる場面もあり、株価指数の下げに影響した。ただ、構成銘柄の半数以上は上昇した。
個別銘柄では、総合ヘルスケアのNMCヘルスは7%超下落した。産金大手フレスニーヨは2.0%安。産銅大手アントファガスタは、1.9%安や鉱業大手アングロ・アメリカンは、.6%安などもさえなかった。UBSが株価目標を引き下げたクルーズ運航のカーニバルも軟調だった。
半面、ソフトブレグジット(穏健離脱)への期待が強まり、銀行株は上昇した。保険株も高くなった。バラット・ディベロップメンツは、2.7%高など住宅建設株も上昇した。航空のイージージェットの値上がりが目立った。前日に急落した建設資材のファーガソンはこの日買い戻された。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11419.04(-0.44)
ドイツ株式指数(DAX)は小反落した。終値は前日と比べて0.44ポイント安の11419.04だった。欧州景気が懸念され欧州各国の株式相場はそろって下がる場面もあったが、一部諸国ではその後買い戻された。
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズが5%超下がった。2019年の売上高の見通しを引き下げたことが響いた。タイヤのコンチネンタルの下げも目立った。オンライン決済サービスのワイヤーカードは前日に急伸した反動で売られた。
一方で、ドイツ銀行は大幅高となった。自動車のダイムラーも上昇した。同社が小型車ブランド「スマート」の株式50%を中国の自動車大手に売却する交渉を進めているとの報道で買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5301.24(-6.14)
