12日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比317ドル46セント(1.1%)安の2万9080ドル17セントで終えた。
米国でコロナの感染が再び拡大しており、報道によれば、11日に報告された1日当たりの新規感染者は過去最多を更新した。感染拡大を受け、東部ニューヨーク州は同日、酒類を提供する飲食店やスポーツジムの営業時間を制限すると発表。中西部イリノイ州シカゴ市も12日、住民に自宅待機を勧告した。
コロナワクチンの開発進展を受けて和らいでいた景気回復の遅れへの警戒感が再び台頭し、この日のダウ平均は序盤から下落。中盤にアップルなどのハイテク大手がマイナスに転じると、ダウは下げ幅を拡大した。同指数は週前半の2日間で計1097ドル超上昇したため、利益確定売りも出やすかった。短期的に景気の足を引っ張るとの警戒が強まった。景気敏感株中心に売られた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は12日の討論会で、米経済について「2~3カ月は厳しい状況になるかもしれない」と述べた。
12日は、バイデン次期大統領の新型コロナ対策のアドバイザーが「全米で4~6週間のロックダウン(都市封鎖)が必要になるかもしれない」と述べたとも伝わった。すでにニューヨーク州のクオモ知事が飲食店の営業規制を求めるなど、経済活動を制限する動きが再び広がりつつある。
米議会で議論が続く追加の経済対策案については規模を巡って与野党の溝が大きい。米CNBCが12日、「数カ月以内の成立は難しい」と報じたことも、投資家心理を冷やす要因になった。
米長期金利の低下を受け、ゴールドマン・サックスなど金融株が売られた。航空機のボーイングや化学のダウも安い。原油安を受けてシェブロンなど石油株も下落した。空運など旅行・レジャー株の下げも目立った。前日に相場を支えた大手ハイテク株や半導体株の一角も売り優勢になった。
セクター別では、エネルギー、自動車・自動車部品が大きく下落した一方、食・生活必需品小売りが上昇。
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比76.842ポイント(0.7%)安の1万1709.589で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
29,080.17-317.46
S&P500種
3,537.01-35.65
ナスダック
11,709.589-76.842
NY金(ドル/トロイオンス)
1,861.60-14.80
NY原油(ドル/バレル)
40.92-0.53
円・ドル
105.09 – 105.15-0.18
【シカゴ日本株先物概況】
12日のシカゴ日経平均先物は続落した。
12月物は前日比300円安の2万5280円で引け、12日の大取終値を80円下回った。
新型コロナウイルス感染者が連日急増、コロナによる入院患者数も2日連日過去最多にのぼり、景気回復に影響するとの懸念で寄り付きから下落。シカゴ市長が市民に外出を控えるよう勧告を出すと引けにかけ、下げ幅をさらに拡大した。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が12日の討論会で、米国の感染者数が急増するなか「今後数カ月は厳しい状況が続くだろう」と指摘した。
この日の12月物安値は2万5220円、高値は2万5585円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
25280 ( -80 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
25300 ( -60 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6338.94(-43.16)
12日のFTSE100種総合株価指数は、このところの強気地合いが一服し、株価は9営業日ぶりに反落した。前日の終値に比べ43.16ポイント(0.7%)安の6338.94で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
早朝に発表された7~9月期の英国内総生産(GDP)速報値が市場予想を下回る軟調な内容だったことから、利益確定の売りが出やすかった。FTSE100種指数は前日まで今年に入って最長となる8日間連日で上昇していた。
前日に上昇した銀行株と医薬品株が売られ、指数の下げを主導した。
個別銘柄では、新型コロナウイルスワクチンの期待で急騰した航空機エンジンのロールス・ロイスは前日に続いて安くなった。航空のインターナショナル・エアラインズ・グループも下げた。
一方、時価総額の大きい石油株と鉱業株も売りに押された。金相場高を追い風に関連のフレスニージョとロシアの金銀生産大手のポリメタル・インターナショナルが高かった。アナリストが目標株価を引き上げたビジネスサポートのDCCも上昇した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13052.95(-163.23)
12日のドイツ株式指数(DAX)は4日ぶりに反落した。終値は前日と比べて163.23ポイント(1.2%)安の1万3052.95だった。
個別では、電力のエーオンなどが利益確定の売りで下落し指数の重荷になった。産業機器のシーメンスも安かった。一方、タイヤのコンチネンタルや自動車のBMW、フォルクスワーゲンには買いが入った。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5362.57(-82.64)
