NYダウ316ドル高と反発 ワクチン普及への期待

 
21日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比316ドル01セント高の3万4137ドル31セントで終えた。
 
決算シーズンで個別企業の業績が注目されているものの、この日は米主要経済統計などの手掛かりに乏しかった。ダウ平均は前週末の最高値更新を受けて今週明け以降値を下げた反動から買いが入り、ほぼ終日堅調に推移した。
新型コロナウイルスのワクチン普及への期待から景気敏感株中心に買いが優勢だった。IBMなど好決算を発表した銘柄への買いが強まり、ダウ平均は取引終了にかけ上げ幅を広げた。
 
米疾病対策センター(CDC)によると、米国のワクチン接種回数は2億回を超えた。バイデン米大統領は21日、企業に対し従業員がワクチン接種できるよう有給休暇を積極的に付与するように促すなど、一段の普及を目指す姿勢を示した。
 
経済活動の正常化期待から工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や建機のキャタピラーなど景気敏感株に買いが入った。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスとビザも上昇した。前日まで下落が目立ったスポーツ用品のナイキは2%強上昇した。ダウ平均の構成銘柄以外ではクルーズ船のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスやユナイテッド航空ホールディングスなど旅行・レジャー関連株が買い直された。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比163.950ポイント高の1万3950.218で終えた。オランダの半導体製造装置ASMLホールディングの好決算を受け、同業のアプライドマテリアルズやラムリサーチなどが買われた。一方、1~3月期の世界の新規契約者数が市場予想を下回った動画配信のネットフリックスは7%安で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,137.31+316.01
S&P500種
4,173.42+38.48
ナスダック
13,950.218+163.950
NY金(ドル/トロイオンス)
1,793.10+14.70
NY原油(ドル/バレル)
61.24-0.1
円・ドル
108.05 – 108.07-0.17

 


【シカゴ日本株先物概況】

21日の日経平均先物は反発した。6月物は前日比260円高の2万8885円で引けた。21日の大取終値を345円上回った。新型コロナウイルスの感染が世界各地で再拡大していることに懸念を示す声がある一方で、この日は現物市場が急反発したことをはやして買われた。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28885 ( +345 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28910 ( +370 )
 ( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

 
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6895.29(+35.42)
21日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ35.42ポイント高の6895.29で引けた。上昇と下落銘の柄数は拮抗した。
この日のFT指数は高寄りして6900台を回復。その後はもみ合いとなっていったん上げ幅を削ったが、終盤に米株価の上昇を眺めて買い戻された。
英米で新型コロナウイルスのワクチン接種が順調に進んでいることを背景に、経済活動の早期正常化に対する期待が相場を支えた。
 
個別銘柄では、前日に下落した時価総額の大きい石油株やたばこ株、酒類のディアジオには割安感に着目した買いが入った。航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)も買い戻された。
ヒクマ・ファーマシューティカルズを筆頭に医薬品株の上げも目立った。ヒクマは、グラクソ・スミスクラインのぜんそく薬の後発医薬品の販売を再開すると伝わり上昇した。医療機器のスミス・アンド・ネフューも高かった。金属相場高を背景に鉱業株も買われた。
 
一方、料理宅配のジャスト・イートは2.7%安と安く引けた。競合大手のウーバーイーツがドイツ市場に参入するとの報道を嫌気した売りが膨らんだ。アナリストが目標株価と投資判断を引き下げたことも響いた。午前は買いが優勢だった銀行株は全銘柄が下落した。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15195.97(+66.46)
21日のドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反発した。終値は前日と比べて66.46ポイント高の1万5195.97だった。
前日に大幅下落した反動から買いが優勢だった。21日の米株高が波及した面もある。
 
個別では、医薬・農薬大手のバイエルと医療機器のフレゼニウスの上げが目立った。工業用ガスのリンデも上昇した。フォルクスワーゲン(VW)をはじめ自動車株は軒並み下げた。電力株も売られた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6210.55(+45.44)

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