7日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、前日比87ドル06セント(0.3%)高の3万4583ドル57セントで終えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)による積極的な金融引き締めが景気悪化につながるとの懸念から、ダウ平均は前日までの2日間で計400ドル超下落した。7日も取引中盤までは、金融引き締め加速への懸念などからリスク回避ムードが優勢で、株価は軟調に推移した。
FRBが6日に公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、保有資産の圧縮ペースが前回よりも大幅に加速し、通常の2倍の0.5%の利上げを複数回実施する道筋が示された。金融引き締めが景気を冷やすとの警戒感から、ダウ平均は午前に一時305ドル安まで下げた。
ただ、売り一巡後は値頃感も意識され、徐々に買い戻しが入った。必需品やヘルスケアなど、景気動向の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄が上昇を先導。その後IT株など幅広いセクターに買いが広がり、主要株価指数は取引後半に軒並みプラス圏に浮上した。この日食品メーカー複数社が発表した四半期決算が好内容だったことも、株価の追い風となった。
業績が景気に左右されにくいヘルスケア株の上昇が目立ち、ダウ平均の構成銘柄では製薬のメルクとドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスが2%高となった。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や小売りのウォルマートも高い。
7日の米長期金利は一時2.67%と2019年3月以来の高水準を付けたが、前日も2.66%まで上昇しており、比較的落ち着いた動きだった。前日に金利上昇を嫌気して売られたハイテク株は、業績の安定成長が見込まれる銘柄が買い直された。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルが上昇した。
一方、クレジットカードのビザや化学のダウ、金融のゴールドマン・サックスなど景気敏感株の一角が下げた。
ナスダック総合株価指数は小幅に3営業日ぶりに反発し、前日比8.483ポイント(0.1%)高の1万3897.300で終えた。電気自動車のテスラが上昇した。一方、半導体のエヌビディアやネット通販のアマゾン・ドット・コムは下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,583.57+87.06
S&P500種
4,500.21+19.06
ナスダック
13,897.300+8.483
FTウィルシャー5000
45,790.39+141.90
NY金(ドル/トロイオンス)
1,937.80+14.70
NY原油(ドル/バレル)
97.10+1.07
円・ドル
123.98 – 124.00+0.23
【シカゴ日本株先物概況】
7日のシカゴ日経平均先物は小幅に続落した。6月物は前日比55円安の2万7055円で引け、7日の大取終値を155円上回った。
連邦準備制度理事会(FRB)による急激な利上げを警戒した売りが継続し、寄り付き後、下落。しかし、雇用関連指標の強い結果や一部長短金利の逆転が解消したため景気後退入り懸念も緩和したほか、値ごろ感からの買いが下値を支え、引けにかけてプラス圏に回復した。
日経平均先物は午後に入り米株が上げに転じるにつれ、下げ幅を縮めた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
27055 ( +155 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
27100 ( +200 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7551.81(-35.89)
7日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ35.89ポイント(0.47%)安の7551.81で引けた。ロシア事業の撤退に伴い2022年1~3月期に最大50億ドルの評価損を計上する見通しを発表したシェルが売られ、指数を押し下げた。
FTSEでは、指数構成銘柄の6割超が下落。保険大手アビバが4.9%安と大きく下げたほか、ロシア事業に絡む巨額損失を発表した石油大手シェルも2.1%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14078.15(-73.54)
7日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比73.54ポイント(0.52%)安の1万4078.15で終えた。米金融引き締めへの警戒に加え、欧州中央銀行(ECB)による金融政策の正常化観測が強まったのも消費財株やハイテク株などの売りにつながった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6461.68(-37.15)
フランスCAC40種指数は0.56%安だった。
米国の金融引き締めへの警戒感から売りが先行した。
