13日のNYダウ工業株30種平均は前日比101ドル94セント高の2万6106ドル77セントと3日ぶりに反発した。5月6日以来、ほぼ1カ月ぶりの高値で終えた。
中東の原油輸送の大動脈であるホルムズ海峡近くのオマーン湾で13日、タンカー2隻が攻撃を受けたことで供給懸念が広がり、原油先物相場が急伸した。原油高で業績が向上するとの思惑からエクソンモービルやシェブロンなどのエネルギー株に買いが入り、ダウは一時142ドル高まで上昇した。
朝方発表の5月の米輸入物価指数が前月比で5カ月ぶりに低下した。5月の米消費者物価指数(CPI)も低調と受けとめられており、低インフレを背景に米連邦準備理事会(FRB)が早期に利下げに動きやすくなるとの見方が広がった。米長期金利も低下基調で、投資指標面で割安感が意識されたハイテク株に買いが入りやすかった。
相場は伸び悩む場面があった。米中の貿易摩擦の長期化で、世界景気が減速するとの警戒感が引き続き相場の重荷だった。原油先物相場の伸び悩みも上値を抑えた。
市場では「原油相場は米国産の供給過多や世界景気の後退などもあり、一方向に進むとは思えない。中東地域の緊張が一段と高まれば、株価にとってはマイナスだ」との指摘が聞かれた。
セクター別では医薬品・バイオテクノロジーを除いて全面高となり、特に耐久消費財・アパレルや自動車・自動車部品の上昇が目立った。
ナスダック総合株価指数は前日比44.410ポイント高の7837.130と5月16日以来約1カ月ぶりの高値で終えた。グーグルの持ち株会社アルファベットやフェイスブックなど主力ハイテク株が上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,106.77+101.94
S&P500種
2,891.64+11.80
ナスダック
7,837.130+44.410
NY金(ドル/トロイオンス)
1,343.70+6.90
NY原油(ドル/バレル)
52.14-0.14
円・ドル
108.36 – 108.37 +0.02
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前日比45円高の2万1080円で終え、大阪取引所の終値を60円上回った。
ホルムズ海峡近くのオマーン湾で石油タンカー2隻が攻撃を受け炎上したのを受け、米国市場で原油先物相場が上昇し、日経平均先物は石油株が先導して上げた米株式相場につれ高した。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21010 ( +70 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21035 ( +95 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7368.57(+0.95)
FTSE100種総合株価指数は小反発した。前日の終値に比べ0.95ポイント高の7368.57で引けた。上昇・下落銘柄数はほぼ拮抗した。
原油高を背景に買われていた石油株が売りに転じ、上げ幅を縮小した。午後に一時売りが先行する局面もあった。
個別銘柄では、建設資材のファーガソン(旧ウルズリー)が5.9%高、好決算を発表した包装のDSスミスは5.1%高と大幅上昇し、指数をけん引した。ファーガソンは米著名投資家が率いるファンドが同社への出資率を引き上げたとの報道を材料に買われた。DSスミスには通期の増益を好感した買いが入った。同業の梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループは4.8%高や製紙のモンディも2.0%高と買いが波及し高くなった。鉱業株は全面高となった。
半面、住宅建設のパーシモンは4.5%安。ベンチャー・キャピタルの3iグループ、広告のWPPグループは各4.4%安と売られた。いずれも配当の権利落ちとなったことで売られた。ネクストやマークス・アンド・スペンサー(M&S)など小売株の売りが目立った。足元の利益確定目的の売りなどで石油株は下落して引けた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12169.05(+53.37)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて53.37ポイント高の12169.05だった。前日下落した反動もあり、買いが優勢だった。
個別では、オンライン決済サービスのワイヤーカードの上げが目立ったほか、前日安くなった医療機器のフレゼニウスやハイデルベルクセメントが買い戻された。
一方で電力のRWEが安かった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5375.63(+0.71)
欧州の主要株式市場も総じて上昇した。フランスの株価指数CAC40は小幅に上昇した。
