NYダウ285ドル高、FRBの追加資金供給を好感

9日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比285ドル80セント高の2万3719ドル37セントで終えた。上げ幅は500ドルを超え、2万4000ドルを上回る場面もあった。
 
米連邦準備理事会(FRB)が企業向けの新たな資金供給策を発表し、米景気の支えになるとの期待が買いを後押しした。パウエルFRB議長が長期間の金融緩和の継続を示唆したのも投資家心理の改善につながった。
 
FRBはこの日、新型コロナウイルスの感染拡大で苦境に陥っている中小企業や自治体の資金繰りを支援するため、最大2兆3000億ドル(約250兆円)の資金供給を行うと発表した。市場の安定化と景気の下支えにつながるとの期待から、金融株を中心に幅広い銘柄が買われ、ダウは一時575ドル高まで上昇した。
 
パウエルFRB議長は9日午前、ネット配信の講演で景気回復軌道に乗ったと確信するまで「力強く、積極的に(政策ツールを)行使する」と述べた。ゼロ金利政策については「経済が困難を乗り切り、雇用最大化と物価安定という目標に向けた軌道に乗るまで続ける」と主張した。長期に渡る金融緩和の継続を示唆した。
 
米労働省が朝方発表した4日までの1週間の失業保険申請件数は660万6000件と、過去最多だった前週(686万7000件=改定)に次ぐ高水準となった。新型コロナの感染拡大による雇用情勢の悪化が改めて浮き彫りとなったが、FRBの大規模な景気対策に打ち消され、相場への影響は限定的だった。
 
FRBの企業向け資金供給和を好感し、JPモルガン・チェースやシティーグループなど銀行株が大幅高。動画配信サービスの視聴者数が大きく増えた映画・娯楽のウォルト・ディズニーの上げも目立った。
 
一方、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は9日、テレビ会議で緊急会合を開いた。欧米メディアによると、各国は原油の大幅減産で合意したが、市場では減産の実効性に懐疑的な見方が台頭。原油先物相場の下落で石油のエクソンモービルやシェブロンは売られた。一時急騰した原油相場が再び下落すると、ダウは上げ幅を削った。
 
セクター別では銀行や自動車・自動車部品が上昇した一方で、エネルギーや半導体・同製造装置が売られた。
 
ナスダック総合株価指数も前日比62.672ポイント高の8153.575と続伸した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
23,719.37+285.80
S&P500種
2,789.82+39.84
ナスダック
8,153.575+62.672
NY金(ドル/トロイオンス)
1,752.80+68.50
NY原油(ドル/バレル)
23.19-1.90
円・ドル
108.46 – 108.47-0.47
 


【シカゴ日本株先物概況】

9日のシカゴ日経平均先物は続伸した。6月物は前日比315円高の1万9460円で引け、9日の大取終値を30円下回った。
新たな米経済対策を受け投資家心理が上向き、日経平均先物は米株とともに買われた。
 
米連邦準備理事会(FRB)は9日、一般企業への融資など新型コロナに対処する2兆3000億ドル(約250兆円)の緊急資金供給策を決めた。
9日発表の週間の米新規失業保険申請件数(季節調整済み)は660万6千件と市場予想を上回り、売られる場面もあった。
 
この日の6月物高値は1万9620円、安値は1万9095円。
 

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
19460 ( -30 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
19600 ( +110 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5842.66(+164.93)
9日のFTSE100種総合株価指数は反発した。前日の終値に比べ164.93ポイント高の5842.66で引けた。
米連邦準備制度理事会(FRB)の大規模な資金供給などを好感し、米国株が堅調に推移する中、英国株も買いが先行した。指数構成銘柄全体の約9割が上昇した。
 
新型コロナウイルスの感染拡大は英国では歯止めがかかっておらず、都市封鎖も延長される見通しだが、欧州では解除の動きが出てきたことも投資家心理の改善につながった。
石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国による「OPECプラス」の会合で、ロシアとサウジアラビアが大幅減産で合意したと伝えられたが、石油関連銘柄の上昇は小幅にとどまった
主要な産油国が協調減産で合意するとの期待感から原油先物相場が上昇し、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルやBPなどへの買いを誘った。
 
個別銘柄では、オンライン食品デリバリー大手ジャストイートが14%の大幅高。クルーズ船運営の旅行大手カーニバルも、サウジ政府系ファンドによる株式取得を好感して9.1%高と締まった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10564.74(+231.85)
9日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて231.85ポイント高の10564.74だった。米連邦準備理事会(FRB)による企業向けの新たな資金供給策を好感して米国株が上昇し、欧州市場でも投資家心理が改善した。
ユーロ圏財務相会合が開催予定であり、新型コロナウイルス対策としてのコロナ債の協議がまとまるかに注目される。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4506.85(+64.10)

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