NYダウ282ドル安、金融緩和長期化で銀行株に売り

10日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比282ドル31セント安の2万6989ドル99セントで終えた。
 
米連邦準備理事会(FRB)はこの日まで開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で、事実上のゼロ金利政策と量的緩和の据え置きを決定。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気悪化で失業率が高止まりし、今年の成長率がマイナス6.5%に落ち込むとの予測も示した。
 
また、ニューヨーク連銀が同時に公表した毎月の国債購入額は800億ドルと市場予想の上限に近かった。長期金利が低下して銀行株が大幅安となり、資本財など他の景気敏感株にも売りが波及した。
JPモルガン・チェースなど銀行株に加え、航空機のボーイングが大きく下落しダウ平均を押し下げた。銀行株は長期金利低下による利ざや縮小が嫌気され、軒並み大幅安となった。原油先物相場の下落でエクソンモービルなど石油株も下げた。
 
FOMC後に開示された米経済見通しでは、失業率は高止まりし、22年でも新型コロナウイルスの感染拡大前の水準を大きく上回るとの予想を示した。米経済の正常化には時間がかかるとの見方が市場で改めて強まり、景気敏感株の売りを促した面もあった。内需の中小型株で構成する株価指数「ラッセル2000」は2.6%安の大幅下落となった。
 
半面、PER(株価収益率)が高いハイテク株は金利低下で相対的な投資妙味が増す。「投資家は流動性相場が続くことへの自信を強めた」との声が聞かれた。
 
セクター別では、ソフトウェア・サービス、テクノロジー・ハード・機器が上昇した一方、銀行やエネルギーが下落。
 
ナスダック総合株価指数は4日続伸。前日比66.59ポイント(0.7%)高の1万0020.35と、終値で初めて1万台で終えた。スマートフォンのアップル、インターネット通販のアマゾン・ドット・コム、ソフトウエアのマイクロソフトがそろって上場来高値を更新した。エヌビディアなど半導体株の一角も買われた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,989.99-282.31
S&P500種
3,190.14-17.04
ナスダック
10,020.346+66.593
NY金(ドル/トロイオンス)
1,720.70-1.20
NY原油(ドル/バレル)
39.02-0.58
円・ドル
107.09 – 107.10-0.24

 


【シカゴ日本株先物概況】

10日のシカゴ日経平均先物は小幅続落した。
6月物は前日比30円安の2万2860円で引け、10日の大取終値を160円下回った。

米連邦準備制度理事会(FRB)による連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて、利食い売り先行で寄り付いた。FRBが市場の予想通り政策金利を据え置き、当面実質ゼロ金利政策を据え置く方針を示すと、一時上昇に転じたものの買いは続かず、引けにかけて再び小幅下落する展開となった。
FOMCを受け米株が売られた局面でシカゴ日経平均先物6月物は一時2万2745円まで下げた。引けにかけて下げ幅を縮めた。6月物高値は2万3175円。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
 22860 ( -160 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22870 ( -150 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6329.13(-6.59)
10日のFTSE100種総合株価指数は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策発表を控えて様子見ムードが広がり、小幅に3日続落した。
前日の終値に比べ6.59ポイント(0.1%)安の6329.13で引けた。
米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を英国時間10日の夕方に控え、買いに傾いた持ち高を調整する売りが優勢だった。
 
個別銘柄では、料理宅配サービスを手掛けるジャスト・イート・テイクアウェー・ドットコムは13%下落した。同社は10日、同業の米グラブハブと全株式交換による合併の協議が進んでいると発表。合併による短期的な財務負担を懸念した売りが出たようだ。
旅行大手カーニバルは9.8%安、欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は7.4%安だった。
 
一方、英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは3.2%高、英有害生物管理会社レントキル・イニシャルは3.1%高。製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズと英資産運用会社ハーグリーブズ・ランズダウンは各3.0%高と好調だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12530.16(-87.83)
10日のドイツ株式指数(DAX)は3日続落した。終値は前日と比べて87.83ポイント(0.7%)安の1万2530.16だった。
きのうまで続落しており、反動買いが入ったようだ。また今晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表を前に、様子見姿勢が強まっている。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5053.42(-41.69)

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