NYダウ280ドル安、米中貿易摩擦を懸念

1日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比280ドル85セント安の2万6583ドル42セントとほぼ1カ月ぶりの安値で終えた。
この日のダウは小幅高で始まった後、好決算企業に買いが入り、上げ幅は一時310ドルを超えた。ダウ平均の日中の高値と安値の差は626ドルに達した。
 
トランプ米大統領はこの日、制裁関税の対象外となっている3000億ドル(約32兆円)相当の中国産品に、9月1日から10%の関税を上乗せするとツイッターで表明。中国からの輸入品ほぼ全てに制裁関税を拡大することになる。これを嫌気し、株価は中盤までの株高の流れから一転、大幅安となった。
建機のキャタピラーや半導体のインテル、マイクロン・テクノロジーなど中国売上高比率が高い銘柄が売られた。アップルやナイキなど中国で生産し米国に輸出している企業も、追加関税によるコスト高を警戒した売りで下げた。中国生産が多いギャップなどアパレル株、中国から製品を仕入れている家電量販店のベストバイは急落した。
 
売りは中国関連銘柄以外にも広がった。リスク回避の債券買いで米長期金利が2年9カ月ぶりの水準に低下し、利ざや縮小の懸念から金融株が軒並み下げた。米中摩擦が世界景気の減速につながるとの懸念から原油先物相場が急落し、エクソンモービルなど石油株の売りにつながった。
 
通称「恐怖指数」と呼ばれる株式相場の予想変動率を示す変動性指数(VIX)は17台に急上昇し、6月上旬以来ほぼ2カ月ぶりの高水準を付けた。
 
セクター別では、公益事業や医薬品・バイオテクノロジーが上昇する一方で銀行や耐久消費財・アパレルが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は4日続落し、同64.298ポイント安の8111.121と7月上旬以来の安値で終えた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,583.42-280.85
S&P500種
2,953.56-26.82
ナスダック
8,111.121-64.298
NY金(ドル/トロイオンス)
1,432.40-5.40   
NY原油(ドル/バレル)
54.53+0.58
円・ドル
107.33 – 107.34-1.81

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は大幅下落した。
9月物は前日比335円安の2万1035円で引け、1日の大取終値を465円下回った。
トランプ米大統領が1日に対中制裁関税の発動を表明し、円高と米株安が進み日経平均先物は売られた。米中貿易摩擦が激化し世界景気の悪化につながるとの警戒感が広がった。この日の9月物安値は2万1015円、高値は2万1570円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21035 ( -465 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21045 ( -455 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7584.87(-1.91)
FTSE100種総合株価指数は小幅ながら3日続落した。前日の終値に比べ1.91ポイント安の7584.87で引けた。企業合併をはやして序盤は値を上げたが、資源株が圧迫要因となった。構成銘柄の半数以上は上昇した。
 
午前には一時買いが先行する局面があったが、指数の貢献度が大きい資源株・素材株が下落し、相場の重荷になった。
 
個別銘柄では、包装資材大手モンディが5.4%安。英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェル(B株)はさえない決算が嫌気され、5.0%安。A株も4.9%安。スイス資源大手グレンコアは4.5%安。英鉱業大手アングロ・アメリカンは4.3%安、産銅大手アントファガスタは3.9%安、英・豪系資源大手リオ・ティントは3.4%安だった。
 
半面、外国為替相場でのポンド安を受けて、通貨安の恩恵を受けやすい多国籍企業のたばこ株や医薬品株、酒類のディアジオなどが上昇した。ロンドン証券取引所(LSE)グループはは6.5%高、1日朝方に情報会社リフィニティブ・ホールディングスを買収することで合意したとの報道を材料に高くなった。銀行株も買いが先行した。
医療機器大手スミス・アンド・ネフューは3.5%高、英銀大手スタンダード・チャータードは3.3%高と好調だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12253.15(+64.11)
ドイツ株式指数(DAX)は続伸。終値は前日と比べて64.11ポイント高の12253.15だった。
個別では、ドイツ取引所が高かった。医薬・農薬大手のバイエルとアディダスの上げも目立った。一方、重電のシーメンスが安かった。自動車関連株も売りに押された。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5557.41(+38.51)
 
 

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