5日のNYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比28ドル01セント(0.1%)高の2万7677ドル79セントで終えた。
米中貿易協議の行方を見極めたい投資家が多く、積極的な売買は手控えられて相場は方向感に欠けた。アナリストが高評価を与えたアップルとナイキが上昇し、ダウ平均を支えた。
中国商務省の高峰報道官は5日の記者会見で、米中貿易協議「第1段階の合意」に合わせ、発動済みの追加関税を部分的に撤回するよう改めて米国に要請。一方で「双方の交渉団は緊密に連絡を取り合っている」と説明した。トランプ米大統領もこの日、貿易協議は「とても順調に進んでいる」と記者団に語った。こうした発言を受けて市場では協議進展を期待した買いが優勢となった。
スポーツ用品のナイキとスマートフォンのアップルが買われ、ダウ平均を押し上げた。中国事業の成長期待からゴールドマン・サックスがナイキの投資判断を「買い」に引き上げた。シティグループはウエアラブル端末の販売好調を理由にアップルの目標株価を上方修正した。
ただ、翌日に米雇用統計の発表を控えているほか、15日に迫る米国の対中追加関税の発動期限を前に貿易協議の進展具合を慎重に見極めたいとの思惑もあり、株価の動きは限定的だった。
耐久消費財・アパレルやテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で小売やエネルギーが下落した。
ナスダック総合株価指数は前日比4.029ポイント高の8570.701で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,677.79+28.01
S&P500種
3,117.43+4.67
ナスダック
8,570.701+4.029
NY金(ドル/トロイオンス)
1,480.20-4.20
NY原油(ドル/バレル)
58.34-0.09
円・ドル
108.75 – 108.76-0.13
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅に下落した。12月物は前日比10円安の2万3330円で引け、5日の大取終値を20円上回った。米中貿易協議の先行きを見極めたいとの向きが多いなか、市場関係者は15日の対中制裁関税の「第4弾」発動を前に、米中が協議で一部合意し関税発動の回避に至るかどうかに注目している。
翌日に米雇用統計の発表を控えているほか、15日に迫る米国の対中追加関税の発動期限を前に貿易協議の進展具合を慎重に見極めたいとの思惑もあり動きは限定的だった。
この日の12月物安値は2万3250円、高値は2万3440円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23330 ( +20 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23330 ( +20 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7137.85(-50.65)
FTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ50.65ポイント安の7137.85で引けた。外国為替相場のポンド高が株式相場の上値を抑えたほか、米中貿易協議の進展期待の後退なども逆風となった。株価は安値圏で寄り付き、午後に下げ足を速めた。
指数構成銘柄全体の約6割が下落した。
個別銘柄では、グレンコアは約9%下落した。5日午後に、英重大不正捜査局(SFO)が、贈収賄疑惑で同社への捜査を始めたと伝わり、売りが加速した。
外国為替市場でポンドが対ドルで7カ月ぶりの高値となるなか、ポンド高が業績を圧迫するとの見方から時価総額の大きい鉱業株や石油株、医薬品株などの多国籍企業に売りが出た。包装のDSスミスも7.2%と大幅安となり、同業のモンディ(1.4%安)、スマーフィット・カッパ(3.5%安)など製紙セクターも軟調だった。アナリストが2020年の半期決算は予想を下回るとの見方を示したことが響いた。保険株も軒並み下げた。
半面、総合ヘルスケアのNMCヘルスが高かった。ファッションのバーバリー・グループの上げも目立った。グッチのオーナー、仏ケリングがダウンジャケットの有名ブランド、モンクレールの買収に関心を示しているとの報道を受け、高級ブランド業界の再編が広がるとの観測が広がった。金相場高を背景にフレスニージョなど関連株も上げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13054.80(-85.77)
ドイツ株式指数(DAX)は3日ぶりに反落した。終値は前日と比べて85.77ポイント安の13054.80だった。
前日に大幅上昇したこともあり、利益確定などの売りが優勢だった。
個別では、重電のシーメンスや日用品のバイヤースドルフなど幅広い銘柄が下落した。一方、上昇したのは航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズなど4銘柄だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5801.55(+1.87)
