NYダウ271ドル高、雇用改善期待

5日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比271ドル58セント高の3万5064ドル25セントで終えた。前日は新型コロナウイルスの感染拡大を警戒して300ドルあまり下げたが、経済再開の流れは変わらないとの見方から景気敏感株を中心に買い直された。米長期金利の低下が一服したのも投資家心理を上向けた。
 
米労働省が朝方発表した新規の失業保険申請件数は、前週比1万4000件減少の38万5000件と2週連続で改善。市場予想とほぼ同じだった。雇用情勢の改善が確認され、安心感から買いが先行した。ただ、6日に7月の雇用統計の発表を控え、様子見姿勢も見られた。
 
新型コロナのインド型(デルタ型)の感染拡大へは警戒されているが、感染者数の増加に比べ死亡者や入院患者数の増加は緩やかで、経済活動が正常化する流れは続くとの見方が改めて広がった。前日に下げが目立った景気敏感株や経済再開の恩恵を受ける銘柄が幅広く買い直された。
 
娯楽・映画のウォルト・ディズニーが2%上げ、航空機のボーイングや建機のキャタピラー、クレジットカードのビザが高い。原油高を受けて石油のシェブロンも買われた。長期金利の上昇で利ざや縮小の懸念が後退し、金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが上昇した。
 
ダウ平均の構成銘柄以外では旅行・レジャー株への買いが目立った。空運のアメリカン航空グループとクルーズ船のロイヤル・カリビアン・クルージズともに8%高。4~6月期決算で売上高が市場予想を上回った旅行予約サイトのブッキング・ホールディングスとカジノホテルのウイン・リゾーツも大幅高だった。
 
5日の米債券市場で長期金利は1.2%前後と、前日に付けた低水準(1.12%)を上回って推移した。長期金利がひとまず下げ止まり、米景気への過度な懸念が後退したのも株買いを誘った。
 
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前日比114.584ポイント高の1万4895.117と過去最高値を更新した。最高値更新は7月26日以来。ソフトウエアのマイクロソフトやインターネット検索のアルファベットなど主力ハイテク株が総じて上昇した。
S&P500種株価指数は反発し、前日比26.44ポイント高の4429.10と2営業日ぶりに過去最高値を更新した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,064.25+271.58
S&P500種
4,429.10+26.44
ナスダック
14,895.117+114.584
NY金(ドル/トロイオンス)
1,808.90-5.60
NY原油(ドル/バレル)
69.10+0.01
円・ドル
109.77 – 109.78+0.21

 


【シカゴ日本株先物概況】

5日のシカゴ日経平均先物は反発した。9月物は前日比290円高の2万7810円で引け、5日の大取終値を130円上回った。米株高を好感する買いが入った。
NYダウは、週次失業保険申請件数が2週連続で減少し労働市場の斬新的な改善が示唆されたため、寄り付き後、上昇。投資家心理が改善し、終日堅調に推移した。
7月の米雇用統計の発表を6日に控え、持ち高調整の動きもみられた。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27810 ( +130 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27825 ( +145 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7120.43(-3.43)
5日のFTSE100種総合株価指数は小幅ながら4日ぶりに反落した。前日の終値に比べ3.43ポイント安の7120.43で引けた。英イングランド銀行は市場予想通り金融政策を据え置いた。消費者物価指数が4%に達する予測を示したことなどを背景にポンドが上昇。これが英国株の重しとなった。
構成銘柄の6割は上昇したが、主力の鉱業株が下落し相場の重荷になった。
 
個別銘柄では、銅相場安を受けてアングロ・アメリカン(5.0%安)や鉱業のリオ・ティント(4.2%安)など鉱業株が安かった。銀行のロイズ・バンキング・グループの下げも目立った。アナリストが目標株価と投資判断を引き下げたことが響いた。好決算を発表した同グレンコア(1.8%安)などが下落率上位に名を連ねた。
 
半面、航空機エンジンのロールス・ロイスが5.9%高と航空大手のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)も4.4%高と高かった。レジャー・外食のウイットブレッドも上げた。広告大手WPPは2.7%高と締まった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15744.67(+52.54)
5日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて52.54ポイント高の1万5744.67だった。
 
個別では、医薬・化学大手のメルクが大幅高となり、産業機器のシーメンスも上昇した。5日にそれぞれ発表した2021年4~6月期の好決算が手掛かりになった。
一方、米バイオ医薬企業を買収すると発表した医薬・農薬大手のバイエルは大幅に下落した。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6781.19(+34.96)

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