12月31日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前週末比265ドル06セント高の2万3327ドル46セントで終えた。
トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は29日に電話会談し、1月に予定されている貿易協議に向けた事務レベルの調整が進展しているとの認識で一致。トランプ氏は会談後、ツイッターに「大きな進展がなされている!」と投稿した。
市場では米中の貿易戦争が早期に終結することへの期待が広がり、ボーイングなど中国との取引が多い銘柄を中心にダウは全面高となった。
ダウ平均は年間では5.6%下げた。前年を下回るのは2015年以来3年ぶり。下落率は08年以来10年ぶりの大きさだった。
月末と年末に伴う機関投資家の「お化粧買い」や売り方の買い戻し、値ごろ感からの買いも相場上昇に寄与したとの声がある。
もっとも、米中交渉については米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが週末、交渉に詳しい関係者の話として「トランプ氏は株式相場を落ち着かせるため、事実を誇張している可能性がある」と報じた。米連邦予算の失効による政府機関の一部閉鎖も続いている。政治の先行き不透明感は根強く、相場は伸び悩む場面があった。
市場ではダウ平均が1年3カ月ぶり安値を付けた24日を起点とした「自律反発狙いの買いが続いただけ」との指摘もあった。「まだ底値固めの段階」で、売りが完全に一巡したとは言い切れないという。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、前週末比50.755ポイント高の6635.277で終えた。アップルやネットフリックスなど主力株の一角が買われた。バイオ株などヘルスケア関連の上げも目立った。
年間では3.9%安と、11年以来7年ぶりに前年を割り込んだ。下落率は08年以来10年ぶりの大きさだった。
S&P500種株価指数は昨年末と比べて6.2%安で終え、3年ぶりに下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,327.46 +265.06
S&P500種
2,506.85 +21.11
ナスダック
6,635.277 +50.755
NY金(ドル/トロイオンス)
1,281.30-1.70
NY原油(ドル/バレル)
45.85 +0.44
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続落。
3月物は前週末比100円安の1万9815円で引けた。この日の米株式相場は上昇したが世界的な景気の先行き不透明感は根強く、日本株先物は売り優勢となった。
円高進行も重荷だった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
19815 ( -25 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
19860 ( +20 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は小反落した。
前週末の終値に比べ5.84ポイント安の6728.13で引けた。ただ、構成銘柄の約6割は上昇した。大みそかで午後0時半までの短縮取引だった。
ポンド高を受けて、通貨高による業績への悪影響が懸念される輸出関連株が売られ、株価指数を押し下げた。ただ、トランプ米大統領が週末に米中貿易交渉について進展の可能性を言及したことから、貿易懸念が後退し、下値を支えた。
主な個別銘柄では、石油大手BPは1.3%安と弱含んだ。金融大手HSBCホールディングスは0.5%安、製薬大手グラクソ・スミスクラインは1.0%安と軟調。通信大手ボーダフォンは1.1%安、時価総額の大きいたばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコも2.7%安と売られた。下落率トップはプライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループの2.8%安だった。
半面、石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルが0.5%高と小じっかり。金融大手バークレイズは0.3%高と強含み、高級衣料バーバリーは0.9%高と買われた。
害虫駆除のレントキル・イニシャルとネット専業スーパーのオカド・グループの値上がりが大きくなった。
■フランス・パリ株価指数
フランスのCAC40指数は1.11%上昇した。
