NYダウ26ドル高、米中関係悪化警戒

4日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに小反発し、前週末比26ドル07セント高の2万3749ドル76セントで終えた。
 
新型コロナウイルスの発生源をめぐり、ポンペオ米国務長官が3日、中国湖北省武漢市のウイルス研究所である「かなりの量の証拠がある」と発言。トランプ米大統領も中国の対応を非難したことから、市場では、米中対立の激化への懸念が広がり、ダウ平均は下落して始まった。
ダウ平均は朝方に一時362ドル下げた。化学のダウや建機のキャタピラーなど中国関連銘柄の下げが目立った。
 
ただ、売り一巡後は石油株やハイテク株を中心に買いが強まり、引けにかけて上げに転じた。4日の米原油先物相場が大幅高となり、エクソンモービルなど石油株が買われた。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなど、2020年1~3月期決算で業績の底堅さを示したハイテク株が総じて上昇した。
 
セクター別ではエネルギー、ソフトウェア・サービスが上昇した一方で、運輸や資本財が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前週末比105.77ポイント高の8710.71で終えた。決算が嫌気され1日に大幅安となったネット通販のアマゾン・ドット・コムが反発。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が5%高、動画配信のネットフリックスと半導体のエヌビディアも3%高と上昇が目立った。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
23,749.76+26.07
S&P500種
2,842.74+12.03
ナスダック
8,710.715+105.767
NY金(ドル/トロイオンス)
1,713.30+12.40
NY原油(ドル/バレル)
21.54+1.15
円・ドル
106.68 – 106.69-0.03

 


【シカゴ日本株先物概況】

4日のシカゴ日経平均先物は続落した。
6月物は前週末比125円安の1万9390円で引けた。米中関係の悪化を警戒する売りが出た。ポンペオ米国務長官は3日の米テレビ番組で、新型コロナウイルスが中国の武漢市の研究所から発生した可能性を示す「多くの証拠がある」と述べた。
トランプ米大統領も同様の立場を取っており、米中を巡る地政学リスクが意識された。ただ、NYダウは、引けにかけ経済活動再開期待で原油価格が続伸すると上昇に転じた。日経平均先物は米株の反発につれて買われ、下げ幅を縮めた。
 
この日の6月物安値は1万9060円、高値は1万9425円。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
19390 ( -240 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
19425 ( -205 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
4日のFTSE100種総合株価指数は3日続落した。終値は前週末に比べ9.28ポイント(0.2%)安の5753.78だった。
新型コロナウイルスの発生源をめぐる米中対立再燃が投資家心理を圧迫した。ただ、ユーロ圏の株価指数は1日の休場の影響で大きく下落する中、英国株の下げは小幅にとどまった。製薬株の上昇なども下支えとなった。
指数構成銘柄全体の約7割が下落した。航空関連株が下げを主導した。
 
個別銘柄では、格安航空大手イージージェットが7.2%安と軟調。欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は5.2%安とさえず、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスも6.9%安と売られた。スタンダードチャータード銀行やHSBCなど、業績が世界景気の動向に左右されやすい金融株の値下がりが目立った。
 
一方、製薬大手ヒクマ・ファーマシューティカルズが5.9%高で上昇率トップ。グラクソ・スミスクライン(3.2%高)やアストラゼネカ(1.9%高)など医薬品株は買われた。開発中の新型コロナワクチンへの期待が高まっていることが背景にある。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
4日のドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前営業日の4月30日と比べて394.84ポイント(3.6%)安の10466.80だった。新型コロナウイルスの感染源を巡る米中対立の激化を懸念した売りが広がった。1日はメーデーで休場だった。
鉄鋼・機械大手のティッセン・クルップが14%安と急落した。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)4,378.23 -193.95

 

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