NYダウ26ドル安、米中交渉への懸念広がる

 19日のNYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比26ドル72セント安の2万5887ドル38セントで終えた。
 
明日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が利上げに消極的な姿勢を示すとの見方から、買いが先行した。ダウ平均は上昇して始まり、上げ幅は一時195ドルに広がった。
また、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは、両政府高官が来週から協議を再開すると報じた。協議は最終段階にあり、4月末の合意を目指しているといい、この報道が幾分株価を下支えしたもようだ。
 
一方で、ブルームバーグ通信が19日、「(一部の米当局者は)中国が米国の要求に抵抗していると懸念している」と報じた。交渉が進んでいるとの期待が相場の支えになってきたため、先行き不透明感が嫌気された。この日は新規の買い材料に欠けたことも相場の重しとなった。
 
FOMCの結果発表を20日に控えることも様子見ムードにつながった
FOMCでは、2019年の利上げ回数の予想が前回会合の2回から、1回またはゼロ回に下方修正されるとみられている。「株式相場はかなりの『ハト派寄り』政策を織り込んでいるが、公表される実際の金利見通しを見極めたい投資家が買い手控えた」との指摘があった。
 
市場関係者からは「株価がFOMCの政策決定の内容をほぼ織り込み、新たな材料がない中で、いったん利食い売りの動きが出た」との指摘が聞かれた。
 
セクター別では、半導体・半導体製造装置や自動車・自動車部品が上昇する一方で運輸や公益事業が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前日比9.468ポイント高の7723.946と昨年10月上旬以来の高値で終えた。エヌビディアなど半導体株の上昇が目立った。アマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)など主力株の一角も買われた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,887.38-26.72
S&P500種
2,832.57-0.37
ナスダック
7,723.946+9.468
NY金(ドル/トロイオンス)
1,306.50+5.00   
NY原油(ドル/バレル)
58.98-0.05
円・ドル
111.39 – 111.40+0.13

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅反落した。
6月物は前日比15円安の2万1390円で引け、19日の大取終値を20円上回った。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を20日に控えて一段の買いに慎重ムードが広がり、日経平均先物は売りに押された。
米経済紙は19日、米中貿易交渉について4月中の合意を目指すと伝えたが、反応は限られた。
この日の6月物安値は2万1245円、高値は2万1495円。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21390 ( +20 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21420 ( +50 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7324.00(+24.81)
FTSE100種総合株価指数は7日続伸した。前日の終値に比べ24.81ポイント高の7324.0と、2018年10月上旬以来、5カ月半ぶりの高値で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。資源株の値上がりが株価指数を押し上げた。
 
個別銘柄では、資源商社のグレンコアは3.0%高と値上がりが目立った。鉱業のアントファガスタは、通期の利益は減少したものの、予想を上回る配当性向が好感され2.8%高と買われた。ネット専業スーパーのオカド・グループは5%超上がった。第1四半期の小売売上高が2桁の伸びを示したことが買い材料となった。
スーパーマーケットのセインズベリーも上昇。同業のアズダとの経営統合をめぐり、英競争当局から先月に統合阻止か多数の店舗売却の必要性を指摘されたことに対応し、両社は19日に年10億ポンド相当の価格の引き下げを公約した。
情報・出版のインフォーマと医薬品のヒクマ・ファーマシューティカルズはそれぞれ、アナリストによる投資判断引き上げが好感され、買われた。
 
半面、ロシアの鉄鋼大手エブラズは4%近く下がった。ロシアの大株主による売却が響いた。出版のRELXも売られた。情報サービス大手レレックスは1.6%安、英銀大手スタンダード・チャータードは1.1%安とふるわなかった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11788.41(+131.35)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて131.35ポイント高の11788.41と、2018年10月上旬以来、約5カ月半ぶりの高値で引けた。
米金融当局が利上げ停止の姿勢を強めるとの期待から、欧州各国の株式市場で買いが広がった。
個別銘柄では、オンライン決済サービスのワイヤーカードと自動車のダイムラー、医薬・農薬大手のバイエルの値上がりが目立った。
一方で、ドイツ銀行と電力のRWEは売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5425.90(+13.07)
 

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