NYダウ26ドル安、一時937ドル高も原油価格の急落を嫌気

7日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反落した。前日比26ドル13セント安の2万2653ドル86セントで終えた。
欧米で新型コロナウイルスの感染拡大ペースがやや鈍化したことを好感し、午前中には一時930ドル超上昇したものの値を消し、荒っぽい値動きとなった。
 
前日の株式相場は、欧州の一部や米ニューヨーク州で新型コロナの感染者、死者の増加ペースが鈍化したのを受け、大幅に上昇した。この日も、その勢いを継続して取引が始まった。ただ、取引時間中としてはほぼ1カ月ぶりの高値水準に戻したこともあり、午後は戻り待ちや利益確定の売りが優勢になった。
 
ダウ平均は前日に1627ドル高と過去3番目の上げ幅を記録していた。欧米で新型コロナウイルスによる感染拡大ペースが鈍ってきたとの見方が買いを後押ししていた。一方、7日はニューヨーク州が1日あたりの死者数が過去最多になったと公表し、問題収束にはまだ時間がかかるとの見方が再び強まった。
 
主要産油国間の協調減産の実現に懐疑的な見方が広がり、原油先物価格が下落に転じたことも、売りを促した。
 
午前中は、航空株やレジャー関連株など新型コロナの打撃が大きく、売り込まれてきた銘柄が買われたが、終盤に掛けて勢いを失った。
米サウスカロライナ州の工場の生産休止を発表した航空機のボーイングが5%安で終えた。前日に大幅高となったスマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトも利益確定売りに押され、1%安だった。
 
新型コロナによる下げ相場でも値持ちが良かった小売りのウォルマートや日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)といったディフェンシブ株の下げも目立った。
 
市場心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は3%高の46.7で終えた。不安心理が高まった状態とされる20を大きく上回る。相場の先安懸念がくすぶっていることも、不安定な値動きにつながった。
 
セクター別では自動車・自動車部品や保険が上昇した一方で、家庭・パーソナル用品や食・生活必需品小売りが下落した。
 
ナスダック総合株価指数は反落し、25.97ポイント(0.3%)安の7887.260で終えた
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
22,653.86-26.13
S&P500種
2,659.41-4.27
ナスダック
7,887.260-25.978
NY金(ドル/トロイオンス)
1,683.70-10.20
NY原油(ドル/バレル)
24.26-1.82
円・ドル
108.75 – 108.76-0.12
 


【シカゴ日本株先物概況】

7日のシカゴ日経平均先物は小幅続伸した。6月物は前日比55円高の1万8975円で引け、7日の大取終値を175円下回った。新型コロナウイルスの感染拡大が鈍化するとの期待が続き、シカゴ日経平均先物は米株とともに買いが先行した。
日本政府が7日の臨時閣議で決定した新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策も支援材料になった。引けにかけては新型コロナによる景気不安が根強いなか米株が反落に転じ、上げ幅を縮めた。
 
この日の6月物高値は1万9860円、安値は1万8520円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
18975 ( -175 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
19120 ( -30 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5704.45(+122.06)
7日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日の終値に比べ122.06ポイント高の5704.45で引けた。
新型コロナウイルスの感染拡大ペースの鈍化を手掛かりに、投資家のリスク回避姿勢が引き続き和らいだ。欧州株が上昇し、買いが英国株にも波及した。
英国ではジョンソン首相が集中治療室に移されたことで持ちきりだが、相場にはさほど影響していない。
指数構成銘柄全体の約8割が上昇した。
主な個別銘柄では、クルーズ運航の英カーニバルや格安航空会社(LCC)のイージージェット、航空エンジンのロールス・ロイスといった旅行、航空関連株の上昇が目立った。
 
半面、製薬大手アストラゼネカが2.5%安、同ヒクマ・ファーマシューティカルズは6.3%の大幅安だった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10356.70(+281.53)
7日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて281.53ポイント高の10356.70だった。3月11日以来ほぼ1カ月ぶりの高値を付けた。
新型コロナウイルスの感染鈍化への期待が高まり、相場を支えている。特に建設や銀行セクターの上昇が目立っている。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4438.27(+92.13)
 
 

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