27日のNYダウ工業株30種平均は前週末比259ドル29セント高の2万6049ドル64セントと2月初め以来、およそ半年ぶりの高値で終えた。
S&P500種株価指数も連日で過去最高値を更新した。ナスダック総合株価指数は初めて8000を超えた。同71.920ポイント高の8017.895で終えた。
北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡り、米とメキシコが2国間で大筋合意した。貿易摩擦への過度の懸念が薄れ、買い安心感につながった。
最大の一つである自動車の関税をゼロとする条件を定めた「原産地規則」は厳格化する方向で決着した。メキシコとの大筋合意を受けて、市場では世界的に激化する貿易戦争が収束に向かっていくとの期待感が高まり、ダウは一時280ドル近く上昇した。
相場をけん引したのは、海外売上高比率が高く、貿易摩擦緩和の恩恵を受けるとされる建機のキャタピラーや化学のダウ・デュポンなどが上げ、ダウ平均を押し上げた。
ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターなどの自動車株も買われた。米長期金利が上昇したのを受け、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株にも買いが入った。
動画配信のネットフリックスなど主要ネット株の買いも目立った。米とメキシコの貿易交渉の進展を好感して投資家心理が改善し、成長期待の大きい主要ネット株に買いが向かった。
セクター別では、自動車・自動車部品や半導体・半導体製造装置が上昇する一方で公益事業や食品・生活必需品小売が下落した。
個別では、NAFTA再交渉の進展による自動車関税撤廃への期待から、自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)やフォード(F)が上昇した。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は、同業インテル(INTC)のプロセッサーに脆弱性が発見され、需要拡大期待から堅調推移。動画ストリーミングのネットフリックス(NFLX)は、アップル(AAPL)の端末上でアップルのシステムを介さずに視聴契約する方法を検討していることが明らかとなり買われた。
一方で、電気自動車のテスラ(TSLA)は、株式非公開化計画を断念し下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,049.64+259.29
S&P500種
2,896.74+22.05
ナスダック
8,017.895+71.92
NY金(ドル/トロイオンス)
1,216.00+2.70
NY原油(ドル/バレル)
68.92+0.20
円・ドル
111.03 – 111.04-0.12
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は5日続伸した。
9月物は前週末比275円高の2万2885円で引け、同日の大取終値を115円上回った。
米国とメキシコが27日、北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉を巡り大筋合意に達したため、リスク投資意欲が強まり、米株とともに買い進まれた。
米株式市場ではナスダック総合株価指数やS&P500種株価指数が過去最高値をつけた。
この日の9月物高値は2万2890円、安値は2万2635円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22885 ( +115 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22890 ( +120 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
休場
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12538.31(+143.79)
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日23日と比べて28.94ポイント高の12394.52だった。午後に下落に転じる場面もあったが、その後再び上昇した。
個別では、過去2日で大幅下落したタイヤのコンチネンタルは、この日買い戻された。素材メーカーのコベストロと鉄鋼のティッセン・クルップも上昇した。
一方で、電力のRWEとエーオン、ドイツ銀行は下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5479.10(+46.60)
