2日のNYダウ工業株30種平均は小幅に5日続伸し、前日比25ドル07セント(0.1%)高の3万4600ドル38セントで終えた。米経済活動の正常化への期待が強く、消費関連や石油株が買われた。ただ、ダウ平均は5月上旬に付けた過去最高値に接近し、高値警戒感から売りも出やすく上値は重かった。
この日は米経済指標の発表に乏しい中、5月の米雇用統計を今週末に控え、様子見気分が広がった。原油高を受けてエネルギー株などに買いが入る中、午前のダウは強含みの展開を維持。だが、午後は積極的な商いが手控えられ、前日終値近辺でもみ合う展開が続いた。
5月のカード利用の拡大基調を公表したクレジットカードのビザが買われた。米原油先物相場が上昇し、石油のシェブロンも高い。金融のゴールドマン・サックスや航空機のボーイングも上げた。
株式市場では景気への楽観論が強い半面、債券市場では前日に売られた長期債が買い直された。長期金利が一時1.5%台に低下し、高PER(株価収益率)のハイテク株や利回り狙いの投資家が多いディフェンシブ株の一角が買われ、ダウ平均を支えた。
一方、景気敏感株の中でもこのところ株価上昇が目立っていた銘柄は短期的な利益確定売りに押された。化学のダウは2%安となり、機械のハネウェル・インターナショナルも下げた。
米連邦準備理事会(FRB)が2日に公表した米地区連銀経済報告(ベージュブック)は「物価上昇圧力が前回の報告から強まった」と指摘した。4日には5月の米雇用統計の発表を控える。市場は雇用者数の大幅な伸びや失業率低下を予想しており、内容次第では量的緩和の縮小につながるとの見方もある。雇用統計を見極めたい投資家が多く、相場の動きは限られた。
ナスダック総合株価指数は小反発し、前日比19.849ポイント(0.1%)高の1万3756.327で終えた。スマートフォンのアップルや画像処理半導体のエヌビディアが買われた。一方、一部自動車のリコール(回収・無償修理)が明らかになった電気自動車のテスラは3%安で終えた。
NYダウ工業株30種(ドル)
34,600.38+25.07
S&P500種
4,208.12+6.08
ナスダック
13,756.327+19.849
NY金(ドル/トロイオンス)
1,909.90+4.90
NY原油(ドル/バレル)
68.75+1.03
円・ドル
109.53 – 109.60-0.24
【シカゴ日本株先物概況】
2日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比130円高の2万8875円で引け、2日の大取終値を55円下回った。
NYダウは雇用統計をはじめとする雇用関連指標の発表を週後半に控え、様子見姿勢が強い中でも、経済活動の正常化への期待は根強く、寄り付き後、上昇した。高値にあるNYダウは警戒感から上値が重い。足元で株価上昇が続いていた景気敏感株を中心に利益確定の売りも強く、マイナス圏に沈む場面もあった。米長期金利の低下を背景にナスダック総合株価指数が反発し、日経平均先物に買いが波及した。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28875 ( -55 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28880 ( -50 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7108.00(+27.54)
2日のFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日の終値に比べ27.54ポイント(0.4%)高の7108.0で引けた。指数構成銘柄では、上昇と下落がほぼ半数となり、方向感は乏しかった。小動きで推移した後、午後に米国株が上がって始まると英国株も上げ幅をやや広げた。原油相場の上昇を背景に石油株が買われ、株価指数を押し上げた。
個別銘柄ではファッションのバーバリー・グループは3%超上げた。アナリストによる投資判断と株価目標の引き上げが好感された。航空機エンジンのロールス・ロイスの上昇も目立った。
一方、ホームセンター大手キングフィッシャーが2.1%安、投資会社メルローズ・インダストリーズと化学大手ジョンソン・マッセイが1.8%安とさえなかった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15602.71(+35.35)
2日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて35.35ポイント(0.2%)高の1万5602.71と、終値ベースで連日の最高値更新となった。最近発表された経済指標から欧米の景気堅調が示唆され買いが優勢だった。
個別では、フォルクスワーゲン(VW)など自動車株が買われた。5月のドイツ自動車製造業者らの事業状況を示す指標が約3年ぶりの高水準になったとの調査が公表され、これが好感された。エネルギー関連のシーメンス・エナジーは売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6521.52(+32.12)
