NYダウ237ドル安、米中貿易摩擦を警戒

28日のNYダウ工業株30種平均は反落した。前週末比237ドル92セント安の2万5347ドル77セントとこの日の安値圏で終えた。
 
前週までの下落を受けて値ごろ感からはハイテク株の一角などに買いが入り、上昇して寄り付いた。新製品を発表した半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)や、同業他社への身売りを発表した決済システムのトータル・システム・サービシズなどが買われ、その他の通信株やIT株にも買いが波及した。
 
ただ、米中対立をめぐる懸念は根強く、買い一巡後はじり安に転じた。トランプ米大統領は前日、「中国と合意する準備がまだできていない」との見方を示し、対中関税の引き上げ拡大を示唆。市場関係者は「米中の対立は長期化が避けられない雰囲気だ」と指摘した。
 
ダウ、ナスダックとも取引後半でマイナス圏に沈み、この日の安値圏で引けた。
米中摩擦が長引くとの警戒感を招いた。工業製品・事務用品のスリーエムや建機のキャタピラー、アップルなど、中国売上高比率が高い銘柄が総じて下落した。
 
米債券市場で10年物国債利回りが一時2.26%と約1年8カ月ぶりの低水準を付けた。利ざや縮小の懸念から、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が売られた。米国と世界の景気減速が意識され、投資家心理が悪化したのも景気敏感とされる金融株の売りを促した。
 
ナスダック総合株価指数は前週末比29.658ポイント安の7607.351と3月12日以来ほぼ2カ月ぶりの安値で終了した。バイオ関連や半導体株が下げ、指数を押し下げた。フェイスブックとアマゾン・ドット・コムは上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,347.77-237.92
S&P500種
2,802.39-23.67
ナスダック
7,607.351-29.658
NY金(ドル/トロイオンス)
1,277.10-6.50   
NY原油(ドル/バレル)
59.02-0.12
円・ドル
109.33 – 109.34-0.08

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反落した。
6月物は前週末比110円安の2万1015円で引け、28日の大取終値を215円下回った。
米中貿易交渉の一段の長期化懸念が広がり、米株とともに売られた。トランプ米大統領が27日に訪問先の日本で米中貿易協議について「合意の用意はない」と述べ、投資家心理を冷やした。
世界景気の先行き不透明感も強まり、6月物は一時2万0985円まで売られた。この日の6月物高値は2万1290円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21015 ( -215 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21020 ( -210 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7268.95(-8.78)
FTSE100種総合株価指数はもみ合いの中を小反落した。前営業日の24日終値に比べ8.78ポイント安の7268.95で引けた。ただ、構成銘柄の約6割は上昇した。
午後に上昇に転じる場面もあったが、その後再び下がった。医薬品とたばこ株の値下がりが株価指数の下落に大きく影響した。
 
個別銘柄では、英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコが3.3%安。医薬品のアストラゼネカの下げも目立った。ベトナム政府の声明によると、同社は2020~24年に同国で2億2000万ドルを投資する。アナリストが投資判断と株価目標をともに引き下げた銀行のロイズ・バンキング・グループも下がった。
 
半面、中国の鉄鉱石の価格上昇を背景に鉱業株が買われ、なかでもリオ・ティントとBHPグループの値上がりが目立った。テスコなどスーパーマーケット株も買われた。総合ヘルスケアのNMCヘルスは、2019年の売上高と利益の目標をともに引き上げたことが好感され、7%超上がった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12027.05(-44.13)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて44.13ポイント安の12027.05だった。
イタリアの財政赤字をめぐり、欧州連合(EU)の欧州委員会が課徴金を命じる可能性があると伝わり、欧州各国株式相場が下落した。ただ、午後に米国株が上がって始まると、各国とも下げ幅がやや縮まった。
 
個別では、工業用ガスのリンデとドイツ銀行の値下がりが目立った。医薬・農薬大手のバイエルとタイヤのコンチネンタルは上昇した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5312.69(-23.50)

 

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