NYダウ22ドル高、早期利下げ期待

 
17日のNYダウ工業株30種平均は小反発し、前週末比22ドル92セント高の2万6112ドル53セントと5月6日以来の高値で終えた。
 
今回のFOMCでは、米中貿易摩擦激化などに伴う世界経済の減速懸念が広がる中、米連邦準備制度理事会(FRB)が年内の利下げについてどの程度手掛かりを示すかに注目が集まる。今会合では政策金利が据え置かれる見通しだが、市場は早ければ7月の利下げを予想。市場は17日時点で、年末までに3回利下げが実施される可能性を約35%織り込んでいる。
利下げへの布石として、今回のFOMC後の声明や議長会見で金融緩和に前向きな姿勢を示すとの観測が買いを誘った。
 
ダウ平均は70ドルあまり上げる場面があった。
17日朝発表の6月のニューヨーク連銀製造業景況指数が低調で早期利下げ観測が高まり、株買いにつながった。同指数はマイナス8.6と5月のプラス17.8から大幅に低下し、2016年以来の低水準となった。プラス10前後との市場予想も大幅に下回った。米国を巡る貿易摩擦が製造業の景況感悪化を招いていることが鮮明になった。
 
利下げ期待に支えられ、アップルやネットフリックスなどの成長株が相場をけん引。セクター別では通信株が高く、フェイスブックのほか、携帯大手TモバイルUSとスプリントの合併に伴う資産売却先として取り沙汰される衛星放送大手ディッシュ・ネットワークに買いが集まった。この日はエネルギー株も物色され、上伸した。
 
ただ、FOMCの内容を見極めたい投資家が多く、ダウ平均は引けにかけて伸び悩んだ。
利下げによる利ざや縮小懸念から、金融株が下落。金融機関が投資判断を引き下げた化学大手ダウなどを中心に、素材株も安かった。
 
ナスダック総合株価指数は反発し、同48.365ポイント高の7845.024と5月16日以来の高値で終えた。今週中にも独自の仮想通貨の発表を予定しているとの報道を手がかりにフェイスブックが大幅高となった。利下げ期待から大手ハイテク株が全般に買われた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
26,112.53+22.92             
S&P500種
2,889.67+2.69
ナスダック
7,845.024+48.365
NY金(ドル/トロイオンス)
1,342.90-1.60   
NY原油(ドル/バレル)
51.94+0.01
円・ドル
108.53 – 108.54-0.03

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。
9月物は前週末比90円高の2万1070円で引け、17日の大取終値と並んだ。
年内の米利下げ観測が根強いなか買いが優勢だった。
ただ、18~19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の内容を見極めたいとの向きが多く、値動きは限られた。
 
この日の9月物高値は2万1125円、安値は2万0980円。
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21070 ( 0 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21095 ( +25 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7357.31(+11.53)
FTSE100種総合株価指数は反発した。前週末の終値に比べ11.53ポイント高の7357.31で引けた。構成銘柄の6割が上昇した。
 
午前は18~19日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えた様子見ムードで前週末終値付近で売り買いが交錯した。午後にかけて医薬品株などが買いに転じたほか、銀行株も値上げ幅を広げ、相場を押し上げた。
 
個別銘柄では、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズが3.3%高。ロシア鉄鋼大手エブラズと英銀大手スタンダード・チャータードは各1.9%高と買われた。
 
半面、英包装資材DSスミスは5.1%安。英格安航空大手イージージェットは4.4%安、英ガス・電力大手セントリカは2.4%安と下げた。時価総額の大きいたばこ株と酒類のディアジオにも売りが出た。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12085.82(-10.58)
ドイツ株式指数(DAX)は小幅続落した。終値は前週末と比べて10.58ポイント安の12085.82だった。航空のルフトハンザが11%超安と急落し、相場の重荷になった。
 
個別銘柄では、ルフトハンザは燃料費の増加などが響き、通年の利益見通しを引き下げたことで売りが膨らんだ。
一方でドイツ銀行は上昇した。不良資産の受け皿となる資産管理会社(バッドバンク)の設立など一部事業の見直しを準備しているとの英紙報道を好感した買いが入った。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5390.95(+23.33)
欧州の主要株式市場では、フランスの株価指数CAC40は上昇した。
 

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