24日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比22ドル38セント安の2万4553ドル24セントで終えた。
米中貿易交渉の難航が意識され、相場の重荷になった。半導体株の上昇で、これまで相対的に値持ちの良かった製薬のファイザーなどに利益確定の売りが膨らみ、ダウ平均を押し下げた面もあった。
ロス米商務長官は24日朝、CNBCテレビのインタビューで、中国との通商摩擦について「解決するまではるか遠い」との見方を表明。先週から高まっていた月末開催の米中閣僚級協議への進展期待がしぼみ、ダウは寄り付きから売りが優勢となり、一時150ドル超下落した。米中交渉が前進するとの期待が後退し、アップルや航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズなどが下落した。
一方、佳境に入った米主要企業の2018年10~12月期決算の発表はここまで総じて堅調に進捗(しんちょく)。24日は、アメリカン航空グループの決算が旺盛な旅客需要が業績を押し上げ、1株当たり利益は市場予想を上回った。サウスウエスト航空の1株当たり利益も市場予想を上回り、航空株全体に買いが広がった。
また、テキサス・インスツルメンツ(TI)などが前日夕に発表した2018年10~12月期決算で1株利益などが市場予想を上回り、半導体関連銘柄の収益に対する過度の警戒感が後退した。インテルなど半導体株全般に買いが広がった。投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、製薬や消費財関連など景気動向に業績が左右されにくいディフェンシブ株から資金が流出した。
ダウ平均ではメルクやジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)などが売られ、相場の重荷となった。
セクター別では、半導体・半導体製造装置や自動車・自動車部品が上昇する一方で、食品・飲料・タバコや医薬品・バイオテクノロジーが軟調。
ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比47.694ポイント高の7073.462で終えた。半導体関連株に加えフェイスブックやアマゾン・ドット・コムなど主力株の一角も上げた。
個別では、アメリカン航空(AML)やジェットブルー(JBLU)、サウスウェスト(LUV)など航空各社が好調な10-12月決算を発表して上昇した。半導体のザイリンクス(XLNX)も好決算を発表して急騰、同業のインテル(INTC)やエヌビディア(NVDA)なども堅調推移となった。
一方で鉱山開発のフリーポート・マクモラン(FCX)は、金利上昇による支払利息の負担が響き、予想を下回る決算を発表して下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,553.24-22.38
S&P500種
2,642.33+3.63
ナスダック
7,073.462+47.694
NY金(ドル/トロイオンス)
1,284.00+0.60
NY原油(ドル/バレル)
53.18+0.56
円・ドル
109.61 – 109.62-0.10
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。
3月物は前日比25円高の2万0570円で終え、大阪取引所の終値を10円上回った。円相場が安値圏で推移したほか、米株式市場でナスダック総合株価指数が続伸したのが好感された。
一方、ロス米商務長官が朝方に米テレビで米中貿易交渉の合意には「なお距離がある」との見解を示したため投資家心理が悪化し、上値は重かった。
3月物の高値は2万6030円、安値は2万0425円だった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
20570 ( +10 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
20595 ( +35 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6818.95(-23.93)
FTSE100種総合株価指数はもみ合いの中を3営業日続落した。FT100種平均株価指数の終値は前日比23.93ポイント安の6818.95と、2週間ぶり安値。ただ、値下がり銘柄は約半数にとどまった。
朝方から携帯電話サービスのボーダフォン・グループが売られ、指数の下げを主導した。南アフリカ部門の四半期売り上げが減少したことが響いた。
時価総額の大きいたばこ株と医薬品株が売りに押されたことも指数の上値を重くした。
個別銘柄では、英通信大手ボーダフォンが3.5%安。英生活用品大手レキット・ベンキーザーは3.3%安、英たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは2.3%安。英格安航空大手イージージェットと英有害生物管理会社レントキル・イニシャルはそれぞれ2.0%安と下げが目立った。午前は買いが先行していた銀行株と鉱業株の一角が下落して引けた。銀行株ではスタンダードチャータード銀行とHSBCホールディングス、鉱業株ではアントファガスタとアングロ・アメリカンが売りに転じた。
半面、英ガス・電力大手セントリカは2.5%高、保険会社セントジェームズ・プレイスは2.2%高、ロシア鉄鋼大手エブラズは1.8%高、建機レンタルのアシュテッド・グループは1.6%高。英プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループと旅行代理店大手トゥイはいずれも1.4%高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11130.18(+58.64)
ドイツ株式指数(DAX)は4日ぶりに反発した。終値は前日23日と比べて58.64ポイント高の11130.18だった。
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズが6%超高と大幅に上昇し、株価指数をけん引した。欧州の同業STマイクロエレクトロニクスが下半期の業績に強気な見通しを示したことが買い安心感につながった。電力株も買われた。
一方で消費財のヘンケルが安かった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4871.96(+31.58)
フランスの株価指数CAC40は上昇した。STマイクロが10%超高と急上昇した。
