NYダウ219ドル高 堅調な雇用統計受け反発、ナスダック最高値迫る

1日のNYダウ工業株30種平均は、前日比219ドル37セント高の2万4635ドル21セントと反発で終えた。
 
米労働省が朝方発表した5月の雇用統計は、失業率が3.8%と前月(3.9%)から低下し、2000年4月以来18年1カ月ぶりの低水準となった。非農業部門の就業者数も季節調整済みで前月から22万3000人増え、市場予想(ロイター通信調べ)の18万8000人増を上回った。堅調な雇用統計を受けて景気の先行きに楽観的な見方が広がり、幅広い銘柄に買いが入った。
 
また、欧州連合(EU)は1日、米国がEUに適用した鉄鋼、アルミニウムの輸入制限措置をめぐり、世界貿易機関(WTO)に提訴。総額64億ユーロ(約8200億円)相当の米国産品に関する報復関税の準備も始めた。貿易摩擦への警戒感が広がる中、影響を受けにくいとの思惑などからハイテク株に買いが集まった。
アップルやインテル、マイクロソフトなどIT関連株が軒並み大幅に上げて相場上昇をけん引した。雇用統計を受けて米長期金利が上昇し、利ざや悪化懸念が和らいだJPモルガン・チェースやゴールドマン・サックスなど金融株が買われたのも指数の押し上げに寄与した。
 
ナスダック総合株価指数は、前日比112.215ポイント高い7554.332と、3月12日に付けた過去最高値(7588.325)に迫った。アルファベット(グーグル)が自動運転事業の強化期待などから大きく上げたほか、アップル、ネットフリックスなど主力株が軒並み買われた。
 
半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が目標株価の引き上げを受けて上げ、ハイテク株全体に買いが波及したとの見方があった。
 
セクター別では、半導体・半導体製造装置やテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で公益事業や食品・飲料・タバコが下落した。
 
個別銘柄では、ヨガウェアのルルレモン・アスレティカ(LULU)は、通期見通しが予想を上振れ、大幅上昇。短文投稿サイトのツイッター(TWTR)は、一部アナリストによる目標株価引き上げを受け、堅調推移。検索大手のアルファベット(GOOGL)は、傘下の自動運転のウェイモが年内の自動運転サービス開始に先立ち、自動車大手のフィアット・クライスラー(FCAU)から62000台の車両を調達することが明らかとなり、買われた。
 
一方で、会員制卸売のコストコ・ホールセール(COST)は、粗利益率の減少が嫌気され、売られた。総合小売りのシアーズ・ホールディングスは急落。前日に赤字決算と大規模な店舗閉鎖を発表したのを嫌気した売りが続いた。
 
VIX指数は13.46と低下(前営業日15.43)。
伊連立政権やスペイン新政権発足により、目先の市場の最大の懸念だった欧州政局をめぐるリスク回避はいったん緩和した。
米株は、底堅い米雇用統計や米ISM製造業景況指数の内容もポジティブに反映して上昇した。VIX指数は一時13.37と先週末以来の水準まで低下した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,635.21+219.37
S&P500種
2,734.62+29.35
ナスダック
7,554.332+112.215
 
米10年債利回り(%)
2.9022 +0.08
米2年債利回り(%)
2.4716 +0.061
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,299.30-5.40   
NY原油(ドル/バレル)
65.71-1.33
円・ドル
109.50 – 109.51   +0.74
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前日比265円高の2万2365円で終え、大阪取引所の終値を145円上回った。5月の米雇用統計が市場の予想以上に好調で、米株式相場が上昇したのにつれ高した。米長期金利が上昇し円安に転じたことも買い材料視された。
この日の6月物の高値は2万2375円、安値は2万2060円。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22365 ( +145 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22370 ( +150 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日の5月31日の終値に比べ23.57ポイント高の7701.77で引けた。構成銘柄の約6割が上昇した。
イタリアとスペイン両国の新政権が誕生する見通しとなったことから、欧州各国株式相場が上昇し、英国株も連れ高となった。商品株と金融株の上昇が株価指数を押し上げた。
 
個別では、バークレイズなど銀行株がこの日買い戻された
前日に通期決算を発表したジョンソン・マッセイは、UBSがこの日株価目標を引き上げたことを受けて約4%上昇した。
住宅建設のバラット・ディベロップメンツは、JPモルガンが投資判断を引き上げたことが好感され上がった。
 
半面、総合ヘルスケアのNMCヘルスと郵便大手のロイヤル・メールの下げが目立った。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日の5月31日と比べて119.38ポイント高の12724.27だった。イタリアとスペイン両国で新政権が誕生することとなり、南欧の政治不安が後退したことで、欧州各国株式相場が上昇した。
 
個別銘柄では、最近売られていた銀行株が買い戻された。コメルツ銀行は4%超上昇した。ドイツ銀行は米連邦準備理事会(FRB)による評価に関する報道で前日に大幅下落した反動もあり、この日は上昇した。一方、電力のエーオンとRWEは売られた。
 

■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて1%以上、上がった。
 

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