NYダウ215ドル高と続伸、ワクチン正式承認で

23日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前週末比215ドル63セント高の3万5335ドル71セントで終えた。前週まで新型コロナウイルスのインド型(デルタ型)の感染拡大への懸念で売られた景気敏感株が買い直された。ハイテク株も幅広く買われ、ナスダック総合株価指数は約2週間ぶりに過去最高値を更新した。
 
米食品医薬品局(FDA)は午前に、米ファイザーと独ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンを正式承認したと発表した。ワクチン接種ペースの加速や企業などでの義務付けの拡大などで、経済活動の正常化が進展するとの期待が高まり、景気動向の影響が大きい銘柄を中心に買いが先行した。
 
米疾病対策センター(CDC)によると、22日時点でワクチン接種を完了した人の割合は52%にとどまる。正式承認により未接種者の不安が軽減され、接種率が高まるとの観測を誘った。企業や学校などでワクチン接種を進めやすくなるとの期待も投資家心理の改善につながった。
 
景気敏感株では航空機のボーイングが3%高となった。半導体のインテルや建機のキャタピラー、化学のダウへの買いも目立った。米原油先物相場が大幅に反発し、石油のシェブロンも高い。ダウ平均の構成銘柄以外では、ワクチン普及の恩恵を受けやすいクルーズ船株や空運株など旅行・レジャー関連株が軒並み買われた。
 
朝方は小幅に上昇した米長期金利が次第に前週末終値(1.25%)付近に低下した。長期金利が低下すると相対的な割高感が薄れるハイテク株が買われやすくなり、顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムは2%、スマートフォンのアップルは1%上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、前週末比227.989ポイント(1.5%)高の1万4942.652で終えた。過去最高値更新は5日以来。ネット通販のアマゾン・ドット・コムと検索サイトのアルファベットが2%高、交流サイトのフェイスブックも買われた。エヌビディアが5%高、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が4%高と、半導体関連株への買いが目立った。電気自動車のテスラも4%近く上昇した。
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
35,335.71+215.63
S&P500種
4,479.53+37.86
ナスダック
14,942.652+227.989
NY金(ドル/トロイオンス)
1,806.30+22.30
NY原油(ドル/バレル)
65.58-0.06
円・ドル
109.67 – 109.68-0.23
 
 


【シカゴ日本株先物概況】

23日の日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比340円高の2万7600円で引け、23日の大取終値を80円上回った。
NYダウは、食品医薬品局(FDA)が国内で初めてファイザー・独ビオンテック製の新型コロナウイルスワクチンを正式承認したため、コロナ感染拡大への懸念が後退し、寄り付き後、上昇。さらに、原油価格の反発が買い材料になったほか、連邦準備制度理事会(FRB)の経済シンポジウムが対面形式からオンライン形式に変更されたことを受けて、この会合でパウエル議長が緩和縮小計画を発表するとの警戒感が後退したことも支援材料となり、上げ幅を拡大した。新型コロナウイルスの感染拡大への警戒感が薄れ、日経平均先物は米株とともに買われた。
 
 
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
27600 ( +80 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
27605 ( +85 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7109.02(+21.12)
23日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前週末の終値に比べ21.12ポイント(0.3%)高の7109.02で引けた。
米連邦準備制度理事会(FRB)の量的緩和縮小観測が強まる中、来週のパウエルFRB議長のジャクソンホールでの講演を前に投資家の様子見気分が強かった。ただ、外為相場のポンド安が相場を後押しした。構成銘柄の6割が上昇した。
原油と銅の相場高を追い風に主力の石油株と鉱業株が買われ、指数の上げを主導した。
 
個別銘柄では、スーパーマーケットのセインズベリーが急伸し、15%超高で引けた。同社に対して米投資会社が大型の買収提案を検討中との報道が手掛かりになった。高級ファッションのバーバリー・グループも買われた。
半面、ポンド高が業績の重荷になる医薬品株や食品・日用品のユニリーバなど多国籍企業の下げが目立った。通信のBTグループや電力のSSEも安かった。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15852.79(+44.75)
23日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前週末と比べて44.75ポイント(0.3%)高の1万5852.79だった。
 
23日のアジア株や米株高が欧州市場にも波及した。
 
個別では、前週末に下落した料理宅配大手のデリバリーヒーローやアディダスが高かった。
不動産のボノビアの下げが目立った。同業のドイチェ・ボーネンに対して株式公開買い付けを実施すると発表した。ドイチェ・ボーネンも売られた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6683.10(+56.99)
 
 

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