NYダウ215ドル安、景気減速への懸念

 
18日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前週末比215ドル65セント(0.7%)安の3万1072ドル61セントで終えた。朝方は主要企業の決算など好材料に反応した買いが先行し、一時は350ドル強上昇した。
ただ、スマートフォンのアップルが人材採用を抑制すると午後に伝わると、企業業績を警戒した売りが強まった。ダウ平均は次第に伸び悩み、午後に下げに転じた。
 
 
米金融大手ゴールドマン・サックスがこの日発表した4~6月期決算は純利益が減少したものの、1株当たり利益が市場予想を上回る内容。また、米航空機大手ボーイングがデルタ航空からの大型受注を明らかにしたのを受け、両社株が活発に買われ、午前のダウは総じて堅調に推移した。
ただ、ダウが伸び悩む中、米メディアが景気悪化への対策としてアップルが一部部門の来年の雇用と支出の伸びを抑制する計画を報道。同社株が売り込まれ、ダウは午後にマイナス圏に沈んだ。その後は医療・ヘルスケア株主導で売られ、取引終盤まで軟調な展開が続いた。
市場では、来週開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅などに注目が集まっている。
 
米株で時価総額最大のアップルが業績悪化に備え始めたと受け止められ、ハイテク株などに売りが広がった。アップルは2%安で終え、ソフトウエアのマイクロソフトも下げた。ダウ平均の構成銘柄以外では検索サイトのアルファベットの下げも目立った。
 
朝方は好材料が出た銘柄を中心に買いが先行した。18日朝に市場予想を上回る決算を発表した金融のゴールドマン・サックス、主力機の大量受注が伝わった航空機のボーイングはともに一時6%高を付けた。ただ、景気への懸念がくすぶる中、両銘柄とも買い一巡後は急速に伸び悩んだ。
 
クレジットカードのビザや機械のハネウェル・インターナショナル、工業製品・事務用品のスリーエムなど景気敏感株の一角が安い。このところ値持ちのよかった製薬のメルクなどディフェンシブ株への売りも目立った。原油高を受け石油のシェブロンは買われた。
 
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前週末比92.373ポイント(0.8%)安の1万1360.048で終えた。アップルなど主力ハイテク株の一角に加え、バイオ製薬などヘルスケア株が総じて売られた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
31,072.61-215.65
S&P500種
3,830.85-32.31
ナスダック
11,360.048-92.373
FTウィルシャー5000
38,894.35-294.08
NY金(ドル/トロイオンス)
1,710.20+6.60
NY原油(ドル/バレル)
101.88-0.72
円・ドル
138.12 – 138.14-0.79
 
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

18日のシカゴ日経平均先物は小幅に下げた。
9月物は前週末比60円安の2万6920円で引け、15日の大取終値を160円上回った。景気悪化への警戒感が広がり引けにかけて売られた。朝方の市場では米金融大手の決算などを手掛かりに買いが先行した。その後米アップルなど企業の業績懸念が広がり、反落した。
 

シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
26920 ( +160 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
26945 ( +185 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7223.24(+64.23)
18日のFTSE100種総合株価指数は続伸し、前週末に比べ64.23ポイント(0.90%)高の7223.24で引けた。中国当局による不動産市場の下支えへの期待が広がり、金属相場が上昇。資源株が買われた。原油先物相場の上昇でエネルギー株にも買いが入った。
FTSEでは、銅価格の上昇を好感し、産銅大手アントファガスタが4.5%高と上昇率トップ。原油高を受け、石油大手BP(2.5%高)や同シェル(2.4%高)も買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12959.81(+95.09)
18日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前週末に比べ95.09ポイント(0.74%)高の1万2959.81で終えた。18日の中国株高に加え、米国株が高く始まったことで投資家心理が上向いた。一方、ロシア産の天然ガスの供給不安が上値を抑えた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6091.91(+55.91)
フランスCAC40種指数は0.93%高だった。
米国の急速な利上げ観測が後退したことで買いが先行した。
 

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