16日のNYダウ工業株30種平均は前日比214ドル66セント高の2万5862ドル68セント3日続伸で終えた。
相場上昇をけん引したのは、ダウ構成銘柄であるシスコシステムズとウォルマート。シスコシステムズが前日夕に発表した2~4月期(第3四半期)決算は増収増益。5~7月期の売上高と1株当たり利益の見通しが、市場予想を上回ったことも買い材料となった。
一方、ウォルマートが16日朝に発表した2~4月期(第1四半期)決算では、米国の既存店売上高が前年同期比3.4%増と市場予想(3.1%増)を上回った。前日に発表された4月の小売売上高はマイナスに落ち込んだものの「ウォルマート決算で米個人消費の底堅さを確認できた」と好感された。
16日発表された住宅や雇用関連の米経済指標が市場予想を上回ったことも株買いを後押しした。4月の住宅着工件数の増加率は市場予想を上回り、週間の新規失業保険申請件数は市場予想よりも減った。銀行などの景気敏感株をはじめ幅広い銘柄への買いにつながった。
航空機のボーイング株の上昇もダウ平均を押し上げた。主力機「737MAX」の墜落事故の原因となった飛行制御システムのソフトウエアの修正が完了したと16日に発表したのが好感された。ダウ平均の上げ幅は一時300ドルを上回った。
市場関係者からは「実際の発動までまだまだ時間があるため、当面は好調な米景気や企業決算を支えに株を買おうという投資家が多い」との声が聞かれた。
セクター別では、ソフトウェア・サービスや素材が上昇する一方で半導体・半導体製造装置や自動車・自動車部品が下落した。
ナスダック総合株価指数は前日比75.899ポイント高の7898.046で終了した。マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムなど主力ハイテク株が買われ、指数を押し上げた。
一方、半導体株が軒並み下落した。米政府が15日に中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)との取引を禁止する措置を発表したのを受け、同社に半導体を供給する企業の業績悪化が懸念された。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,862.68+214.66
S&P500種
2,876.32+25.36
ナスダック
7,898.046+75.899
NY金(ドル/トロイオンス)
1,286.20-11.60
NY原油(ドル/バレル)
63.23+0.36
円・ドル
109.84 – 109.85+0.39
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。
6月物は前日比95円高の2万1255円で引け、16日の大取終値を205円上回った。
ウォルマートなど企業の好決算や堅調な米景気指標を手掛かりに投資家心理が上向き、日経平均先物は米株とともに買われた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
21255 ( +205 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
21265 ( +215 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7353.51(+56.56)
FTSE100種総合株価指数は英通貨ポンド安やリスク選好の戻りを受けて3日続伸した。前日の終値に比べ56.56ポイント高の7353.51で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
売りが先行して始まった後、上昇に転じた。資源株と金融株が指数をけん引した。為替相場でのポンド安を背景に通貨安の恩恵を受けやすい多国籍企業にも買いが入った。
銅相場高を追い風に鉱業株が軒並み上げた。原油も大幅上昇し、石油株は全面高になった。いずれも時価総額が大きく、株価指数への貢献度が高い。保険株を筆頭に金融株も買われた。
個別銘柄では、英資産運用会社ハーグリーブズ・ランズダウンが3.8%高。英信用リスク管理サービス会社エクスペリアンは3.6%高、保険会社ヒスコックスは3.5%高。英自動車保険大手アドミラル・グループは3.3%高、英プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループは3.2%高と上げが目立った。
海外で収益を得る医薬品株とたばこ株のほか、ソフトウエア開発のセージ・グループや酒類のディアジオなどが買われた。
半面、公益事業株が売られ、指数の下落を主導した。アナリストが目標株価を引き下げた総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズと、年間の営業利益が減益となった電力・ガス供給ナショナル・グリッドが安かった。ファッションのバーバリー・グループは5.9%安と大幅下落した。通期の営業利益が市場予想を下回ったことが影響した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12310.37(+210.80)
ドイツ株式指数(DAX)は大幅に3日続伸した。終値は前日と比べて210.80ポイント高の12310.37だった。
売りが先行して始まった後、上昇に転じた。
個別銘柄では、鉄鋼のティッセン・クルップが9%超高と急伸し、株価をけん引した。フィンランドの企業が同社のエレベーター部門の買収に関心を示しているとの報道が買い材料視された。工業用ガスのリンデの上げも目立った。
一方で前日上昇した自動車株が利益確定目的の売りで下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5448.11(+73.85)
