7日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比211ドル25セント(0.9%)高の2万3875ドル89セントで終えた。経済活動の再開が多くの州に広がり、米景気が回復するとの期待から主力ハイテク株を中心に買いが優勢となった。
ナスダック総合株価指数は4日続伸し、同125.274ポイント(1.4%)高の8979.662と3月4日以来2カ月ぶりの高値で終えた。昨年末終値(8972.604)をわずかに上回った。
外出規制の影響で、利用口座数や決済取引高が増加したオンライン決済大手のペイパル・ホールディングスが14.0%高となり、ナスダック相場をけん引。アップルが1.0%高、グーグルの親会社アルファベットも1.8%高と上昇した。
米国では半数以上の州で、経済活動の再開に動きだしている。一部レストランやジム、飲食店なども営業を始め、経済悪化に歯止めがかかるとの期待が広がり、幅広い業種が買われた。7日発表の新規の失業保険申請件数は316万件と高水準だったが、3月下旬に付けた600万件超から落ち着きつつある。新型コロナウイルスで落ち込んだ景気が次第に持ち直すとの期待を誘った。
中国の4月の貿易統計で輸出額は市場予想に反して増加に転じた。中国経済の正常化が進みつつあるとの見方が強まった。「米中閣僚が来週にも貿易について協議する」との報道を受け、新型コロナの感染拡大の責任問題で両国の対立が深まるとの懸念がやや薄れた。
前日夕以降に主要企業が発表した四半期決算が市場予想ほど悪くなく、投資家心理を上向けた。2020年1~3月期の赤字幅が大きく縮小した配車サービスのリフトが20%超上昇。決済サービスのスクエアも急伸した。4月後半に顧客に決済利用に改善の兆しが出てきたと明らかにした。
ダウ平均の構成銘柄では航空機のボーイングや映画・娯楽のウォルト・ディズニー、クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが上昇した。ダウ平均は一時429ドル高まで上げた。
セクター別では保険・消費者サービスが上昇した一方で、食・生活必需品小売りが下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,875.89+211.25
S&P500種
2,881.19+32.77
ナスダック
8,979.662+125.274
NY金(ドル/トロイオンス)
1,725.80+37.30
NY原油(ドル/バレル)
23.39-0.60
円・ドル
106.29 – 106.30-0.06
【シカゴ日本株先物概況】
7日のシカゴ日経平均先物は反発した。
6月物は前日比415円高の1万9775円で引け、7日の大取終値を75円上回った。
中国の4月輸出が予想外の増加に改善したほか、米国で広がる経済再開の動きや新型コロナウイルスのワクチン開発への期待から、ハイテクを中心に米国主要企業の決算が好感された。ナスダック総合株価指数は約2カ月ぶりの高値で引けた。日経平均先物は米株とともに買われた。
この日の6月物高値は1万9840円、高値は1万9280円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
19775 ( +75 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
19815 ( +115 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 5935.98(+82.22)
7日のロンドン株式市場でFTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日比82.22ポイント(1.4%)高の5935.98で引けた。
経済活動の再開に期待が広がった。英国では10日にジョンソン首相が記者会見し、都市封鎖(ロックダウン)からの出口戦略を説明する。11日から一部の屋外施設の営業が再開される見通しだ。指数構成銘柄全体の約9割が上昇。資源や金融を中心に幅広い業種に買いが入った。
個別銘柄では、鉱業大手アングロ・アメリカンが7%の大幅高。金融大手ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が5.5%高となったのを筆頭に、銀行株も軒並み締まった。高級衣料バーバリー(3.7%高)など世界の景気に敏感な銘柄も買われた。
半面、通信大手BTが8.1%の急落となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 10759.27(+153.07)
7日のドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日と比べて153.07ポイント(1.4%)高の10759.27だった。新型コロナウイルスの影響で停滞している経済活動が再開するとの期待が相場を押し上げた。中国の4月の貿易統計で輸出額が市場予想に反して前年同月比で増加となったことも買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4501.44(+68.06)
