NYダウ210ドル高、利下げ期待

15日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸した。前週末比210ドル82セント(0.52%)高の4万0211ドル72セントで終え、5月17日以来、2カ月ぶりに最高値を更新した。米国のインフレが落ち着き、米連邦準備理事会(FRB)が9月にも利下げを始めるとの見方から株買いが続いた。ダウ平均の上げ幅は350ドルを超える場面があった。

13日に起きた共和党のトランプ前大統領への銃撃事件を巡り、トランプ氏が大統領に返り咲けば各種規制が緩和されるとの思惑から、金融や医療保険サービス銘柄が上昇。「メキシコ国境の壁建設工事が増えるという連想」を背景に建機メーカーなども買われた。気候変動対策の後退が見込まれ、石油企業が値上がりした一方で、再生可能エネルギー関連銘柄は下落した。

15日発表の7月のニューヨーク連銀製造業景況指数はマイナス6.6と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(マイナス6.0)を下回った。米景気の減速感で物価上昇圧力が緩和し、FRBが金融緩和に動きやすくなるとの見方につながった。FRBのパウエル議長は15日、利下げ時期については明言を避ける一方、インフレの鈍化を歓迎するとの考えを示した。

15日の米債券市場では長期金利が上昇(債券価格は下落)した。

ダウ平均の構成銘柄では、キャタピラーとシェブロンが上昇した。朝に2024年4〜6月期決算を発表したゴールドマン・サックスが買われた。複数のアナリストが目標株価を引き上げたアップルも高かった。アメリカン・エキスプレスとユナイテッドヘルス・グループも上げた。半面、ナイキとボーイング、ベライゾン・コミュニケーションズに売りが出た。

ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比74.120ポイント(0.40%)高の1万8472.566で終えた。テスラやアルファベットが上昇した。一方、エヌビディアなど半導体株の一角には売りが出た。

S&P500種株価指数も続伸し、前週末比15.87ポイント(0.28%)高の5631.22で終えた。10日に付けた最高値(5633)を上回る場面があったが、取引終盤にかけて上げ幅を縮めた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

15日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比120円安の4万1090円で終えた。同日はダウ工業株30種平均は、銃撃を受けたトランプ前大統領が11月の大統領選で勝利するとの見方が強まり、過去最高値を更新するなど米株式相場が上昇したが、日経平均先物には売りが優勢となった。

 

シカゴ日経225先物 (円建て)

41090 ( -80 )



シカゴ日経225先物 (ドル建て)

41135 ( -35 )



( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100 8182.96(-69.95)

15日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前週末比69.95ポイント(0.84%)安の8182.96で終えた。高級ブランドの英バーバリー・グループが16%安と大幅に下げた。英GSKなど製薬株が売られたほか、銅など非鉄金属の先物価格が下落したのを背景にスイスのグレンコアといった資源株も売りに押された。

FTSEの構成銘柄では、2024年4〜6月期の既存店売上高が前年同期比21%減になったと公表。あわせて最高経営責任者(CEO)の交代と配当の停止を発表したバーバリーが16.08%安と下落率トップ。小売り大手フレイザーズ・グループと産銅大手アントファガスタは3.60%安と続いた。

一方、建機レンタルのアシュテッド・グループは2.45%高、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループは1.69%高と買われた。

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

 

DAX 18590.89(-157.29)

15日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前週末比157.29ポイント(0.83%)安の1万8590.89で終えた。前週末にDAXが約1カ月半ぶりの高値をつけるなど足元で相場水準が切り上がっていたため、利益確定の売りに押された。

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジー(4.94%安)や電力大手RWE(3.42%安)、高級車メーカーBMW(2.56%安)が下げを主導した。

 

 

■フランス・パリ株価指数

CAC40 7632.71(-91.61)

フランスCAC40種指数は1.19%安で引けた。

英高級衣料大手バーバリーが業績悪化に伴う配当停止を発表したことで、株価急落を招くなど、高級品銘柄が低迷したことが響いた。

 

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