22日のNYダウ工業株30種平均は反落した。前日比200ドル94セント安の3万0015ドル51セントで終えた。
英国などで新型コロナの変異種が確認されたのを受け、世界的に渡航禁止や入国者隔離の動きが広がっている。今後の景気への影響が懸念される中、ダウは軟調な展開。
米議会は21日に9000億ドル規模の追加経済対策を可決した。米主要株価指数が過去最高値圏にある中、目先の材料出尽くしとみた利益確定売りが優勢となった。英の新型コロナウイルスの変異種のまん延も市場心理の重荷だった。
米議会が可決した経済対策で失業給付の特例加算が来年3月まで延長され、中小企業の雇用維持策や最大600ドルの現金給付なども含まれた。成立への期待で米国株は買われてきた経緯があるため「噂で買って事実で売る動きが出た」という。
市場では「クリスマス休みを控えて休暇モードになっており、積極的な売買は手控えられている」との指摘が聞かれた。
英国で感染力が強い変異種が広がるなど、新型コロナの感染拡大への懸念も買い手控えにつながった。旅客需要の低迷が長引くとの見方からクルーズ船のノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングスや空運のアメリカン航空グループなど、旅行・レジャー関連株が軒並み売られた。
自社株買いの再開を好感して前日に大幅高となった金融のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースが売られた。米原油先物相場が下落し、石油のシェブロンも安い。建機のキャタピラーやクレジットカードのビザとアメリカン・エキスプレスなど景気敏感株への売りが目立った。
一方、電気自動車の自社開発を進めていると伝わったスマートフォンのアップルが3%高となった。顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムやソフトウエアのマイクロソフトなどソフトウエア株が総じて買われ、相場を支えた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比65.402ポイント(0.5%)高の1万2807.918と過去最高値を更新した。アナリストが目標株価を引き上げた決済サービスのペイパル・ホールディングスが高い
NYダウ工業株30種(ドル)
30,015.51-200.94
S&P500種
3,687.26-7.66
ナスダック
12,807.918+65.402
NY金(ドル/トロイオンス)
1,882.80-6.10
NY原油(ドル/バレル)
46.80-1.17
円・ドル
103.59 – 103.61+0.18
【シカゴ日本株先物概況】
22日のシカゴ日経平均先物は小幅に反発した。
3月物は前日比40円高の2万6555円で引け、22日の大取終値を215円上回った。
22日の米株式市場でナスダック総合株価指数が反発し、日経平均先物に買いが波及した。
一方、米議会が21日に追加経済対策を可決したため、材料出尽くし感から売られる場面もあった。
この日の3月物高値は2万6590円、安値は2万6305円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
26555 ( +215 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
26585 ( +245 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6453.16(+36.84)
22日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反発した。前日の終値に比べ36.84ポイント(0.6%)高の6453.16で引けた。構成銘柄の7割超が上昇した。
引けにかけて上げ幅を広げた。ドイツなど他の欧州株が大幅に上昇し、英株にも買いが波及した。今週末にクリスマス休暇を控え、すでに休暇に入っている投資家も多く取引は低調だった。
感染力の強い新型コロナウイルス変異種をめぐる懸念を背景とした週明けの売りは1日で一服。既存のワクチンが変異種にも有効だという専門家の見通しも示されたこともあり、安心感が広がった。
前日に急落した航空のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は6%近く上げ、上昇銘柄の首位となった。銀行株も買い戻され、全銘柄が上昇した。保険株も上げた。食品・日用品のユニリーバや酒類のディアジオなど輸出株も買われた。
一方、金属相場の下落を受けて主力の鉱業株は安かった。金関連のフレスニージョの下げが目立った。医薬品のアストラゼネカも下落した。開発中の肺炎治療薬の初期の臨床試験データが目標に達せず、失望売りが出た。他の医薬品銘柄にも売りが広がった。利益確定の売りでネット専業スーパーのオカド・グループは下げた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13418.11(+171.81)
22日のドイツ株式指数(DAX)は大幅に反発した。終値は前日と比べて171.81ポイント(1.3%)高の1万3418.11だった。
前日に大幅下落した反動から、割安感の出た銘柄を中心に買いが広がった。ほぼ全銘柄が上げた。
個別では、半導体のインフィニオンテクノロジーズやIT(情報技術)のSAPなどハイテク株が高かった。時価総額の大きい医薬・農薬大手のバイエルも上げた。ドイツテレコムは変わらず。下落したのはフォルクスワーゲンだけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5466.86(+73.52)
