24日のNYダウ工業株30種平均が4営業日ぶりに反発した。前日比197ドル65セント高の2万5241ドル94セントと6月12日以来、ほぼ1カ月半ぶりの高値で終えた。好決算を発表した銘柄を中心に買われ、ダウ平均を押し上げた。
前日引け後にグーグルの持ち株会社アルファベッドが発表した4~6月期決算は、売上高が前年同期比25.6%増、実質1株当たり利益も市場予想を大きく上回った。
また、ダウ構成銘柄のユナイテッド・テクノロジーズがこの日朝方に発表した決算は純利益が42.2%増となり、同社は通期の業績見通しを上方修正した。
この日のダウは買い優勢で開始。ハイテク株に買いが集まったほか、原油先物価格の持ち直しを眺めてエネルギー株も上昇した。ただし、明日の米・EU首脳会談を見極めたいとの思惑もあり、上値は限られた。
2018年4~6月期決算が増収増益だった航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)が上昇。売上高と1株利益がともに予想を上回った通信のベライゾン・コミュニケーションズも上げた。3銘柄でダウ平均を約50ドル押し上げた。
原油先物相場の上昇を受けて石油株や素材株にも買いが向かった。足元で米長期金利の上昇基調が強まっており、利ざや拡大期待から金融株も堅調だった。
ナスダック総合株価指数は小反落し、同1.105ポイント安の7840.768で終えた。米長期金利の上昇基調が割高感につながった面があり、動画配信のネットフリックスなど大型ハイテク株の一角に利益確定売りが出た。
ナスダック指数は上げる場面もあった。前日夕に市場予想を上回る決算を発表し、アナリストの目標株価引き上げが相次いだアルファベット(グーグル)の上昇が目立った。
セクター別では、医薬品・バイオテクノロジーや電気通信サービスが上昇する一方で耐久消費財・アパレルやメディアが下落した。
個別では、アルファベットの好決算を受けて、今週に決算発表を控えるSNSのフェイスブック(FB) 1.78%高やネット小売のアマゾン(AMZN)に買いが広がった。医薬品のバイオジェン(BIIB)、複合企業のユナイテッド・テクノロジーズ(UTX) が3.8%高、オートバイメーカーのハーレー・ダビッドソン(HOG)は、決算内容が好感され堅調推移した。通信大手のベライゾン(VZ)は、5四半期連続で契約者数が増加したほか、通期見通しを引き上げ買われた。
一方で、家電のワールプール(WHR)は、原材料費高騰の影響による軟調決算が嫌気され大幅下落となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,241.94+197.65
S&P500種
2,820.40+13.42
ナスダック
7,840.768-1.105
米10年債利回り(%)
2.9486 -0.016
米2年債利回り(%)
2.6372 +0.004
NY金(ドル/トロイオンス)
1,225.50-0.10
NY原油(ドル/バレル)
68.74+0.22
円・ドル
111.21 – 111.22+0.01
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。9月物は前日比90円高の2万2550円で引け、同日の大取終値を40円上回った。
米企業の好決算を手がかりにダウ工業株30種平均が反発し、日本株もつれて買われた。
ただ、日銀が金融緩和政策の修正を検討するとの見通しが根強く、上昇幅は限られた。この日の9月物高値は2万2605円、安値は2万2390円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
22550 ( +40 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
22580 ( +70 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7709.05(+53.26)
FTSE100種総合株価指数は資源株の主導で3営業日ぶりに反発した。前日23日の終値に比べ53.26ポイント高の7709.05で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
好決算の発表が続いたことで欧州各国株式相場が上昇し、英国も連れ高となった。朝方に上げ幅が拡大した後、高値圏で小動きだった。鉱業株と銀行株の値上がりが株価指数の上昇に大きく影響した。
個別銘柄では、英・豪系資源大手BHPビリトンが5.7%高、鉱業大手アングロ・アメリカンとスイス資源大手グレンコアは5.6%高と鉱業関連株が軒並み大幅高となった。
英国債の利回り上昇に加え、スイスの金融大手UBSが発表した第2四半期の純利益が市場予想を上回ったことも後押しとなり、銀行株も高くなった。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)の上げが目立った。製紙のモンディは、2.6%高、ソフトウエア開発のマイクロフォーカスの2.5%高と値上がりも大きかった。
半面、公益企業株は売られた。総合公益会社のユナイテッド・ユーティリティーズ・グループと電力のSSE、電力・ガス供給のナショナル・グリッドは2.3%安と下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12689.39(+140.82)
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反発した。終値は前日23日と比べて140.82ポイント高の12689.39だった。午前に一段高となった後、高値圏で推移した。欧州で好決算の発表が続いたことから、欧州各国株式相場が上昇した。
個別では、コメルツ銀行と自動車のフォルクスワーゲン、ハイデルベルクセメントの値上がりが目立った。
一方で、電力のエーオンとRWEは下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5434.19(+55.94)
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて約1%上昇した。
