NYダウ196ドル高、6日続伸。米利上げ加速の懸念後退

10日のNYダウ工業株30種平均が6日続伸し、前日比196ドル99セント高の2万4739ドル53セントで終えた。
6日続伸は2月中旬以来、およそ3カ月ぶりの連続上昇となった。米物価指標を受けて利上げペースが速まるとの観測が後退し、買い安心感につながった。
 
朝方発表された4月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇、変動の大きいエネルギーと食料品を除いたコアは0.1%上昇と、ともに市場予想を0.1ポイント下回った。
 予想を下回るCPIを受け、インフレ高進による米利上げペースの加速観測が後退。この日のダウは、緩やかな利上げ継続に対する安心感から幅広い銘柄に買いが入り、中盤にかけて徐々に上げ幅を拡大した。
 
米長期金利の指標とされる10年債利回りが節目の3%を割り込み、ほぼ終日前日終値を下回って推移した。金利上昇は株価の割高感につながるため、長期金利の低下を好感した買いも相場を押し上げた。
 
S&P500種株価指数が節目の2700近辺を上抜けした。上昇の勢いが意識され、一段高につながったとの指摘もあった。S&P500は2723と3月16日以来の高値で終えた。
 
ナスダック総合株価指数は5日続伸し、同65.070ポイント高の7404.975と3月16日以来、およそ2カ月ぶりの高値で終えた。ゴールドマン・サックスと提携してクレジットカードを発行すると報じられたアップルが連日で上場来高値を更新した。引け後に決算発表する半導体のエヌビディアも買われた。
 
業種別S&P500種株価指数では「電気通信サービス」「公益事業」を中心に、全11業種が上昇した。
 
個別では、原油相場の先高観からエクソンモービルなど石油株が上昇。前日夕発表の決算で売上高が市場予想ほど減らなかったメディアの21世紀フォックスも上げた。
 
一方で、前日夕の決算で業績見通しが物足りないと受け止められた旅行予約サイトのブッキング・ホールディングスが大幅安。決算は市場予想以上だった動画配信のロクも下げて終えた。慎重な業績見通しを発表した衣料・雑貨のエル・ブランズも安い。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
24,739.53+196.99
S&P500種
2,723.07+25.28
ナスダック
7,404.975+65.070
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,313.00-0.70   
NY原油(ドル/バレル)
71.41+0.27
円・ドル
109.41 – 109.42  -0.30

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅に反発した。6月物は前日比30円高の2万2515円で引け、大阪取引所の終値を15円上回った。

米消費者物価指数の上昇率が市場予想を下回り、利上げペースが早まるとの懸念が後退。
米株相場が上昇し、日経平均先物にも買いが及んだ。

この日の6月物高値は2万2550円、安値は2万2425円。推定売買高は2万4296枚(夜間電子取引、日中電子取引を含む)。

シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22515 ( +15 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22520 ( +20 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は続伸した。前日9日の終値に比べ38.45ポイント高の7700.97で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
 
株価指数は午前に下げに転じた後、英中銀イングランド銀行が正午に公表した四半期インフレ報告で、2018~20年の経済成長率と物価の見通しをともに引き下げたことから、年内の英利上げ観測が後退し、指数は再び上昇。午後遅くに上げ幅が拡大した。銀行株と鉱業株の上げが指数を押し上げた。決算発表が相次ぐなか、個別銘柄の明暗が分かれた。
 
 
個別では、衣料小売りのネクストは6%超上がった。春の好天で第1四半期の売上高が市場予想を上回ったことを受けて、通期利益の見通しを引き上げたことが好感された。第1四半期の広告収入が増加したメディアのITVも6%高。
WMモリソン・スーパーマーケッツと飲料のコカ・コーラ・ヘレニック・ボトリングはともに、第1四半期の増収率が市場予想を上回ったことから上昇した。
 
半面、石油のロイヤル・ダッチ・シェルとBPはともに配当権利落ちで売られた。第1四半期の減益が嫌気され金関連のランドゴールド・リソーシズは約7%安。
通信のBTグループは、業績見通しが市場予想を下回ったことから7%超下落した。配当権利落ちのガス供給・販売のセントリカも5%超下がった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日9日と比べて79.81ポイント高の13022.87だった。
 
個別では、アナリストが株価目標を引き上げた電力のエーオンの上げが目立った。工業用ガスのリンデと医薬・化学大手の独メルクも買われた。
一方で、ハイデルベルクセメントはアナリストによる株価目標引き下げを受けて下落した。タイヤのコンチネンタルも売られた。
 

■フランス・パリ株価指数
フランスのCAC40は同0.21%上昇し5545.95と、終値ベースで2008年1月以来の高値を付けた。

 

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