25日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比191ドル66セント(0.6%)高の3万2120ドル28セントで終えた。
この日のダウ平均は、5月のFOMC議事要旨の発表を控えて様子見姿勢が強く、もみ合う展開で取引が始まった。
午後に公表された議事要旨では、大半の出席者が、今後の2会合で0.5%の大幅利上げが適切との見解を示していたことが判明。さらに雇用を維持しつつ、高インフレの抑制に取り組むことで一致していたことを明らかにした。
ただ、今後の2会合での大幅利上げは、パウエルFRB議長がすでに示唆していたことから、「サプライズはなく、これまでの利上げに取り組む姿勢が維持された」と受け止められた。市場には安心感が広がり、ダウ平均は上昇した。
議事要旨では大半の参加者が今後数回の会合でも「0.5%の利上げが適切になるだろう」とみていた。物価を安定させるため、参加者は利上げと資産圧縮の両輪で「金融政策を早急に中立的なスタンスに移行させるべきだ」との見方で合意したこともわかった。
市場では「タカ派政策への警戒を強める新たな内容はなく、安堵感からの株買いを誘った」との声が聞かれた。金融引き締めが米景気を冷やすとの懸念は強いが、ダウ平均は前週まで8週連続で下げており、幅広い銘柄に押し目買いが入りやすかった。
前日に業績懸念から下げが目立ったハイテク株が買い直され、市場心理が改善した面もあった。ダウ平均の構成銘柄では顧客情報管理のセールスフォースが2%高で終え、ソフトウエアのマイクロソフトも高い。
消費関連株や景気敏感株も買い直された。クレジットカードのアメリカン・エキスプレスが3%高となり、ホームセンターのホーム・デポや映画・娯楽のウォルト・ディズニーの上げも目立った。航空機のボーイングや建機のキャタピラーは2%上昇した。原油高を受け、石油のシェブロンも買われた。
半面、前日に上げが目立ったディフェンシブ株は一転して売りが優勢だった。日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、日用品・医薬品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、製薬のメルクが下げた。
ナスダック総合株価指数は反発し、前日比170.293ポイント(1.5%)高の1万1434.741で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムは3%高、交流サイトのメタプラットフォームズも反発した。電気自動車のテスラは5%高、取引終了後に決算発表を控えていた画像処理半導体のエヌビディアは5%高となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
32,120.28+191.66
S&P500種
3,978.73+37.25
ナスダック
11,434.741+170.293
FTウィルシャー5000
40,319.62+453.91
NY金(ドル/トロイオンス)
1,846.30-19.10
NY原油(ドル/バレル)
110.78+0.45
円・ドル
127.22 – 127.24+0.11
【シカゴ日本株先物概況】
25日のシカゴ日経平均先物は反発した。6月物は前日比115円高の2万6790円で引け、25日の大取終値を110円上回った。25日の米株式市場では、足元で売りが強まっていた小売りやハイテク株が買い戻され、投資家心理が上向いた。米連邦準備理事会(FRB)が25日公開した5月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨は、6、7月連続の大幅利上げを示したが、市場予想の範囲内とあって反応は限られた。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
26790 ( +110 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
26810 ( +130 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7522.75(+38.40)
25日のFTSE100種総合株価指数は反発し、前日に比べ38.40ポイント(0.51%)高の7522.75で引けた。前日に売られていたエネルギーや飲食料品・たばこなどに値ごろ感からの買いが入った。
個別銘柄を見ると、英エネルギー大手SSEが5.7%高で上昇率トップ。英航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスも4.3%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14007.93(+88.18)
25日のドイツ株価指数(DAX)は反発した。前日に比べ88.18ポイント(0.63%)高の1万4007.93で終えた。欧州中央銀行(ECB)が金融政策の正常化を早期に進めるとの警戒感が和らぎ、買い直された。DAXでは独自動車大手フォルクスワーゲンが1.6%高と堅調となっている。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6298.64(+45.50)
フランスCAC40種指数は0.73%高となった。
CACでは仏金融大手ソシエテ・ジェネラルが4.4%高と締まった。
