NYダウ19ドル高、景気敏感株に買い

4日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比19ドル80セント高の3万4133ドル03セントで終えた。新型コロナウイルスに対するワクチンの接種が進み、米経済の正常化が加速するとの見方が強まり、景気敏感株への買いが続いた。
 
この日は朝方から高値警戒感を背景とした利益確定の動きが出る中、幅広い銘柄に売りが先行。特にアップルなど主要ハイテク銘柄が売り込まれる中、ダウの下げは一時300ドルを超えた。ただ午後に入ると、安値拾いの買いも入る中でじりじりと値を戻す展開が続いた。ナスダック総合指数は3営業日続落し、終値の下落率は1.9%に達した。
また、イエレン米財務長官がバイデン政権の成長戦略をめぐり「極めて緩慢な金利上昇につながる可能性がある」と述べており、ハイテク株の売り圧力が強まった公算がある。
 
米メディアは4日、「バイデン米大統領は7月4日までに米国の成人の70%が最低1回は新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けることを新たな目標とする」と伝えた。米国や欧州では新型コロナの感染を防ぐための経済活動の制限が緩和されつつある。経済活動の正常化が進み景気拡大につながるとの見方は根強い。化学のダウや建機のキャタピラーなど景気敏感株の一角が買われた。原油先物相場の上昇を受け、石油のシェブロンも高い。
 
通信のベライゾン・コミュニケーションズ、医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)も買われ、相場を支えた。
 
ただ、上値は重く、取引時間中は前日終値を下回って推移する場面が目立った。イエレン米財務長官がインタビューで政府の財政支出の拡大に伴い「米経済が過熱しないように確実を期するため、金利はほんの少し上昇せざるを得ないかもしれない」と述べた。足元では堅調な米景気を示す経済指標の発表が相次いでおり、FRBによる利上げ時期が早まる可能性が意識された。金利の上昇で相対的な割高感が意識されやすいハイテク株が売られ、スマートフォンのアップルや顧客情報管理のセールスフォース・ドットコムが下げた。ダウ平均の下げ幅は一時300ドルを超えた。
 
ダウ平均の構成銘柄以外では、電気自動車のテスラやインターネット通販のアマゾン・ドット・コムが売られた。決済サービスのペイパル・ホールディングスも大幅安となった。
 
米株市場で市場心理を測る指標となる変動性指数(VIX)は一時21台まで上昇し、不安心理が高まった状態とされる20を上回った。
 
ナスダック総合株価指数は3日続落した。前日比261.615ポイント安の1万3633.503で終えた。
 
 
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
34,133.03+19.80
S&P500種
4,164.66-28.00
ナスダック
13,633.503-261.615
NY金(ドル/トロイオンス)
1,776.00-15.80
NY原油(ドル/バレル)
66.25+0.56
円・ドル
109.29 – 109.31+0.02
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

4日のシカゴ日経平均先物は反落した。6月物は前日比385円安の2万8720円で引けた。30日の大取終値を160円下回った。この日の米株市場は根強い回復期待を受けて景気循環株が主に買われたほか、イエレン長官のWSJとのインタビューでの「FRBの利上げを推奨し予想することはしない」との発言が伝わると、引け間際にダウは上昇に転じた。
一方、金利先高感にハイテク株を中心に軟化し、嫌気した売りが出た。
 
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
28720 ( -160 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
28735 ( -145 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
4日のFTSE100種総合株価指数は反落した。前営業日の4月30日の終値に比べ46.64ポイント安の6923.17で引けた。構成銘柄の8割近くが下げた。
FT指数は高寄りして7000の大台を回復すると、正午すぎに7034.26まで上昇。しかし、その後は下げに転じ、この日の安値圏で取引を終えた。銀行株と医薬品株が売られ株価指数を押し下げた。
 
個別銘柄では、投資会社のインターミディエイト・キャピタル・グループが5.0%安とネット専業スーパーのオカド・グループ、英教育・メディア大手ピアソン、英プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループは各4.4%安。英産業用ソフトウエアのアベバグループは4.3%安と下げが目立った。原油相場の上昇を背景に石油株は上昇した。
 
一方、メキシコ産金大手フレスニロは3.4%高、産金・産銀会社ポリメタル・インターナショナルは3.1%高、英石油大手BPは2.4%高、英たばこ大手インペリアル・ブランズは2.0%高と好調だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
4日のドイツ株式指数(DAX)は全面安だった。終値は前日と比べて379.99ポイント(2.5%)安の1万4856.48だった。米国株が下がって始まると、ドイツ株も午後に下げ幅を徐々に広げた。
 
個別では、医薬・化学大手の独メルクは、アナリストが投資判断を引き下げたことなどが響いて5%超下落した。2021年1~3月期の決算を発表した半導体のインフィニオンテクノロジーズの下げも目立った。

■フランス・パリ株価指数
CAC40(仏)6,251.75 -56.15

 

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