NYダウ181ドル高、対メキシコ関税の先送り報道

 
6日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前日比181ドル09セント高の2万5720ドル66セントで終えた。
 
ブルームバーグ通信は6日、トランプ米政権が不法移民問題を理由としたメキシコへの制裁関税について、発動延期を検討していると報道。10日の関税率5%への引き上げは実施される公算が大きいものの、メキシコが不法移民の取り締まりに動けば、直ちに取り下げられる可能性が高いとする米当局者の声も伝えた。
市場では米メキシコ間の対立緩和への期待が高まり、幅広い銘柄が買われた。市場で高まっている米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測も引き続き相場の上昇を支えた。ダウは一時260ドル高まで上昇した。
 
市場では「FRBが利下げすれば米景気を支える」との期待も根強い。景気減速への警戒感が和らぎ、景気動向に敏感な素材株など出遅れ感の強かった銘柄に買いが入ったとの見方もあった。
 
米原油先物相場が上昇し、原油安を背景に前日は下げが目立った石油株が軒並み買われた。シェブロンやエクソンモービルが上昇し、指数を押し上げた。
 
朝方は小幅に下げる場面があった。前日までの2日間で700ドルあまり上昇した後で、目先の利益を確定する目的の売りが出やすかった。
 
欧州中央銀行(ECB)は6日の理事会で少なくとも2020年前半までは政策金利を据え置くと決めた。19年末までとしていた従来から先送りした。ただ、市場の一部では予想ほど金融緩和に前向きではないと受け止められた。一部の欧州株式相場が下げ、米株式相場にも売りが波及した。
 
セクター別では、エネルギーや半導体・半導体製造装置が上昇する一方で、運輸や自動車・自動車部品が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、40.078ポイント高の7615.553で終えた。アナリストが投資判断を引き上げたアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が買われるなど、半導体株の一角が高い。エバコアISIが投資判断を「買い」、目標株価を足元の水準より高い205ドルで投資判断を開始したアップルのほか、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムなど主力株も買われた。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,720.66+181.09
S&P500種
2,843.49+17.34
ナスダック
7,615.553+40.078
NY金(ドル/トロイオンス)
1,342.70+9.10   
NY原油(ドル/バレル)
52.99+0.40
円・ドル
108.32 – 108.33+0.09

 


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は小幅に続伸した。
6月物は前日比90円高の2万0880円で終え、大阪取引所の終値を140円上回った。
米国が10日にメキシコからの全輸入品に課す予定の追加関税の発動が先送りされるとの報道を受けて、米株式相場が上げ幅を広げたのにつれ日経平均先物も買われた。
7日発表予定の5月の米雇用統計を控え、様子見姿勢も強かった。
 
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
20880 ( +140 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
20880 ( +140 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7259.85(+39.63)
FTSE100種総合株価指数は4日続伸した。前日の終値に比べ39.63ポイント高の7259.85で引けた。
米利下げ観測が継続する中、欧州中央銀行(ECB)も利上げ時期の先送りを表明。金融政策による景気持ち直しへの期待感が広がった。株価は終日プラス圏で推移した。
指数構成銘柄全体の約6割が上昇した。
石油とたばこ株の値上がりが株価指数の上昇に大きく影響した。
 
個別銘柄では、たばこ大手インペリアル・ブランズが5.7%の大幅高。同ブリティッシュ・アメリカン・タバコも3.1%高で、上昇率の上位を占めた。ユナイテッド・ユーティリティーズ・グループなど公益企業株も買われた。食品サービスのコンパス・グループの値上がりも目立った。
 
半面、配当権利落ちで、小売りのキングフィッシャーが4.8%安とスーパーマーケットのセインズベリー3.8%安と軟調。時価総額の大きい携帯電話サービスのボーダフォン・グループは、それぞれ大幅安。金融サービスのハーグリーブス・ランズダウンは3日連続で大きく下げた。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11953.14(-27.67)
ドイツ株式指数(DAX)は4営業日ぶりに反落した。終値は前日と比べて27.67ポイント安の11953.14だった。米国などで利下げ観測が強まり、欧州各国株式相場は上昇して始まった。ただ、6日の欧州中央銀行(ECB)の理事会とドラギ総裁の記者会見を受けて、域内の金融緩和期待が後退。一時は欧州各国株式相場がそろって下落に転じるなど不安定な展開となった。
 
個別では、不動産のボノビアが4%超下落した。ベルリンで賃借料の上限が設けられる計画だと一部で報じられたことが嫌気された。ドイツ銀行も大幅安。一方で、工業用ガスのリンデと電力のRWEは買われた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5278.43(-13.57)
フランスの株価指数CAC40が下落した。
 
 

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