24日のNYダウ工業株30種平均が5営業日ぶりに反落し、前週末比181ドル45セント安の2万6562ドル05セントで終えた。
トランプ米政権は24日、中国による知的財産権侵害を理由とする第3弾の制裁関税措置を発動した。即時に報復措置に踏み切った中国は、対米貿易摩擦に関する白書を発表して「米国は経済的などう喝を続けている」と強く反発した。米メディアによると、中国は今週予定された閣僚級協議の開催を拒否したといい、対立解決の糸口が見えなくなる中、米株式市場では取引開始から売りが広がった。中国市場への依存度の大きいキャタピラーやボーイングなどが売られ、相場の下げを主導した。
まrた、前週末に連日で過去最高値を更新していたため、25~26日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に利益確定の売りも出た。
主要産油国が23日の会合で増産決定を見送ったことで、原油先物相場が大幅高となった。エクソンモービルなどエネルギー株は上げた半面、原油高が米経済の逆風になるとして相場全体の重荷となったとの指摘があった。
ナスダック総合株価指数は反発し、同6.293ポイント高の7993.248で終えた。アナリストが21日発売の新型「iPhone(アイフォーン)」の販売状況を評価したと伝わったアップルが高い。
24日から、S&P500種株価指数(11業種)の業種分類が再編された。従来の「電気通信サービス」が「コミュニケーションサービス」となり、アルファベット(グーグル)やフェイスブック、ネットフリックスなどの主要ハイテク株や、映画・娯楽のウォルト・ディズニーが加わった。指数再編に伴う持ち高調整の売買が活発だったといい、前週末に下げた大型ハイテク株への買いも目立った。
セクター別では、エネルギーやテクノロジー・ハード・機器が上昇する一方で自動車・自動車部品や耐久消費財・アパレルが下落した。
個別では、有料衛星ラジオのシリウスXMホールディングス(SIRI)は、インターネットラジオのパンドラ・メディア(P)と35億ドルで買収合意し大幅下落した。
ケーブルテレビのコムキャスト(CMCSA)は、英衛星テレビ大手スカイと388億ドルで買収合意し、財務負担への懸念から軟調推移。中国での売上比率の大きい航空機メーカーのボーイング(BA)や建設機械のキャタピラー(CAT)が売られた。
一方で、主要産油国の増産見送りを受けて原油相場が上昇し、エクソン・モービル(XOM)やシェブロン(CVX)などエネルギー関連会社が堅調推移となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,562.05-181.45
S&P500種
2,919.37-10.30
ナスダック
7,993.248+6.293
米10年債利回り(%)
3.0889 +0.021
米2年債利回り(%)
2.8211 +0.017
NY金(ドル/トロイオンス)
1,204.40+3.10
NY原油(ドル/バレル)
72.27+0.19
円・ドル
112.81 – 112.82 +0.11
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は下落した。
12月物は前週末比25円安の2万3700円で取引を終えた。
米中貿易摩擦が激化する懸念が意識され、米株式市場でダウ工業株30種平均が5営業日ぶりに反落し、日本株先物もつれ安した。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
23700 ( -50 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
23735 ( -15 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7458.41(-31.82)
FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに下落した。前週末21日の終値に比べ31.82ポイント安の7458.41で引けた。米中の「貿易戦争」に対する懸念が再燃し、資源株を中心に幅広い銘柄が売られた。構成銘柄の約7割が下げた。
時価総額の大きいたばこ株や医薬品株は午後に下げ幅を広げた。外国為替相場でポンドが上昇し、為替差益による業績への影響を意識した売りが出た。
個別銘柄では、産銅大手アントファガスタが2.7%安、スイス資源大手グレンコアが2.0%安となるなど資源株が総じて緩んだ。
品質試験サービスのインターテック・グループや酒類のディアジオも下げた。銀行株への売りも広がった。ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の発言を受けて欧州の長期金利が上昇したことを背景に利ざやが縮小するとの見方などが売り材料視された。
半面、スカイが8%超高と急伸した。米メディア・娯楽大手の21世紀フォックスと競り合っていたコムキャストが同社を買収することが決まったことが買い手がかりになった。
金鉱のランドゴールド・リソーシズも6.0%高、カナダの金鉱大手バリック・ゴールドとの合併で合意し、世界シェア拡大を期待した買いが入った。原油高で石油株は上昇した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12350.82(-80.06)
ドイツ株式指数(DAX)は5営業日ぶりに反落。終値は前週末21日と比べて80.06ポイント安の12350.82だった。
午後に入り、米中貿易摩擦が長期化するとの警戒感が再燃し下げ幅を広げた。構成銘柄の約9割に売りが広がった。指数に占める割合の多い自動車株が売られ、株価下落に響いた。
個別銘柄では、ディーゼル車の改良に関してドイツ政府との交渉が難航していると伝わったダイムラーの下げが目立った。
一方で採用銘柄に加わった決済サービス会社のワイヤーカードが上げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5476.17(-18.00)
