23日のNYダウ工業株30種平均は前日比177ドル29セント高の2万7349ドル19セントと続伸しtた。
15日に付けた過去最高値に10ドル弱まで迫った。
米中の貿易交渉が進展するとの期待に加え、米主要企業が相次いで市場予想を上回る決算を発表したのも買いにつながった。
朝に発表された米清涼飲料大手コカ・コーラと米総合電機大手ユナイテッド・テクノロジーズ(UTC)の2019年4~6月期決算が好調な結果となり、ダウ構成銘柄でもある両社株が相場の上昇をけん引した。
コカ・コーラは市場予想を上回る増収増益決算と通期予想の上方修正を発表し、株価は6%あまり上昇した。航空機・機械のユナイテッド・テクノロジーズとバイオ製薬のバイオジェンも、市場予想を上回る増収決算と通期見通しの引き上げが好感された。
午後には米ブルームバーグ通信が、米中閣僚級の貿易協議のため、ライトハイザー通商代表部(USTR)代表ら米政府交渉団が29日に訪中すると報道。通商問題をめぐる米中対立の緩和への期待感から、午後のダウは一段高となった。
また、米長期金利が上昇(債券価格は下落)し、利ざやの縮小懸念が後退したのを受けゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が買われた。原油先物相場の上昇を好感し、エクソンモービルやシェブロンが買われたのも相場上昇を支えた。
トランプ大統領が22日、今後2年間の連邦政府の歳出と債務の大枠について与野党で合意したと発表した。歳出の急減や米国債のデフォルト(債務不履行)など、市場に混乱をもたらすリスクが回避されるとの観測も買い安心感を誘った。ダウ平均は一時、過去最高値を上回った。
一方で、相場は伸び悩む場面があった。国際通貨基金(IMF)が23日、2019年の世界経済の成長率予想を引き下げた。米中などの貿易摩擦の影響で、世界の貿易量を前回予測から大幅に下方修正した。世界景気の先行き不透明感が意識され、ダウ平均は一時32ドル高まで上げ幅を縮小した。
ナスダック総合株価指数は47.266ポイント高の8251.403で終えた。中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)への制裁を巡り、米商務省が個別に出す輸出許可について適切な時期に決断してほしいとの米企業トップの要請にトランプ大統領が22日夕に同意した。通信用半導体のザイリンクスなどが買われ、指数を押し上げた。
NYダウ工業株30種(ドル)
27,349.19+177.29
S&P500種3,005.47+20.44
ナスダック
8,251.403+47.266
NY金(ドル/トロイオンス)
1,421.70-5.20
NY原油(ドル/バレル)
57.18+0.41
円・ドル
108.20 – 108.2+0.10
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続伸した。
9月物は前日比305円高の2万1695円で引け、23日の大取終値を95円上回った。
米中貿易協議の進展期待が広がり、日経平均先物は米株とともに買われた。
米メディアが23日午後にライトハイザー米通商代表部(USTR)代表など政府高官が29日に訪中すると伝えた。
この日の9月物高値は2万1700円、安値は2万1375円。
シカゴ日経225先物9月限 (円建て)
21695 ( +95 )
シカゴ日経225先物9月限 (ドル建て)
21700 ( +100 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7556.86(+41.93)
FTSE100種総合株価指数は3日続伸した。前日の終値に比べ41.93ポイント高の7556.86で引けた。構成銘柄の7割近くが上昇した。日中を通して高値圏で推移した。
欧州中央銀行(ECB)の25日の定例理事会を前に金融緩和観測が浮上しているほか、月末の米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げなどを見越し、株式には買いが集まった。外国為替相場で英通貨ポンドが下落したことも支援材料となった。
ポンド相場の下落を受けて、通貨安で恩恵を受けるとみられる医薬品など多国籍企業銘柄も買われた。
個別銘柄では、投資会社のメルローズ・インダストリーズが5.1%の大幅高。包装のDSスミスは前日に引き続き、この日も大幅に上昇した。上期の1株利益の見通しを示した製紙のモンディも上がった。
半面、スーパーマーケット株は売られた。最新の調査で、12週間の国内の食料品販売がほぼ3年ぶりに減少したことが材料視された。テスコの値下がりが目立った。前日に大幅安となったレジャー・外食のウィットブレッドは3.0%安とこの日も下げ幅が大きくなった。複数のアナリストが投資評価を引き下げたことなどが響いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12490.74(+201.34)
ドイツ株式指数(DAX)は3日続伸した。終値は前日と比べて201.34ポイント高の12490.74だった。世界各国の株高を受けて、欧州でも各国株式相場が上昇した。欧州中央銀行(ECB)が25日の定例理事会で利下げするとの観測も買いにつながった。
個別では、タイヤのコンチネンタルは6%超上がった。自動車のダイムラーも4%超上昇した。中国国有自動車大手の北京汽車集団が23日に、ダイムラーの株式5%を取得したと発表したことが材料視された。下落したのは、電力のRWEを含む6銘柄だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5618.16(+51.14)
フランスの株価指数CAC40は1%前後上昇した。
