21日のNYダウ工業株30種平均は続落した。
前日比166ドル97セント安の2万4797ドル78セントで終えた。
前日の株価下落を受けた買い戻しが先行した。注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では、大半が経済成長に自信を示し、インフレ見通しにも楽観的な見方を強めたことが明らかとなった。
発表後に相場は上げ幅を拡大したものの、10年債利回りが4年ぶりの水準に上昇するなど長期金利の上昇が嫌気され上げ幅を縮小した。
1月30~31日開催分のFOMC議事要旨の公表後は乱高下した。数人の委員が「経済活動や労働市場の拡大が相当な賃金や物価の上昇圧力につながるとの確実な証拠が乏しいと指摘した」と指摘していたことがわかった。利上げペースは緩やかとの見方から、ダウ平均は一時300ドル超上昇した。
ただ、その後米長期金利の指標である10年物の米国債利回りが上昇し、一時は2.95%と節目の3%に接近した。金利上昇が続けば、株式の投資妙味が薄れるとの見方が広がった。企業の資金調達の重荷となるほか、個人消費にも悪影響が出て米景気改善の足かせになるとの見方も売りを誘った。
ナスダック総合株価指数は3日続落し、前日比16.080ポイント安の7218.228で終えた。マイクロソフトやアップルなど時価総額の大きい銘柄が下げ、指数を押し下げた。
セクター別では、運輸や消費者・サービスが上昇する一方で食品・生活必需品小売や不動産が下落した。
個別では、エネルギー会社のデボン・エナジー(DVN)は決算内容が予想を下振れたほか、原油・ガス生産見通しを引き下げ、大幅下落した。
半導体のクアルコムが下落。同社に敵対的買収を仕掛けている同業のブロードコムが買収価格を引き下げたのが嫌気された。買収の不透明感からブロードコムも下げた。インターネット金融サービス会社のレンディングクラブ(LC)や衛星テレビのディッシュ・ネットワーク(DISH)は決算内容が嫌気され、軟調推移した。
一方、自動車部品販売のアドバンス・オート・パーツは四半期決算で販売が市場予想ほど落ちこまず、買いが膨らんだ。市販薬の独自商品を発売すると伝わったアマゾンは初めて心理的な節目である1500ドルを突破した。
VIX指数は20.04と低下(前営業日20.60)。ダウ平均が25267.99ドルまで上昇したことで、VIX指数は21.04から16.97まで低下した。しかしながら、1月30-31日のFOMC議事録がややタカ派的な内容だったことで、ダウ平均は24792.99ドルまで反落し、VIX指数は20台へ上昇して引けた。
NYダウ工業株30種(ドル)
24,797.78-166.97
S&P500種
2,701.33-14.93
ナスダック
7,218.228-16.080
米10年債利回り(%)
2.9519 +0.059
米2年債利回り(%)
2.2701 +0.043
NY金(ドル/トロイオンス)
1,332.10+0.90
NY原油(ドル/バレル)
61.34-0.45
円・ドル
107.74 – 107.75 -0.03
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は買い先行後に伸び悩んだ。
3月物は前日比変わらずの2万1855円で終え、大阪取引所の終値を115円下回った。
1月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨の公表直後は、米株式とともに一時買われた。買い一巡後は米長期金利の上昇を背景にNY株式相場が下げ、日経平均先物も売りに押された。一方で円が対ドルで売られたのが下値を支えた。
この日の3月物の高値は2万2170円、安値は2万1800円。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7281.57(+34.80)
FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日20日の終値に比べ34.80ポイント高の7281.57で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
個別では、資源商社のグレンコアは5%超高となり、指数の上げをけん引した。2017年の通期決算が大幅増益となったことが好感された。銀行のロイズ・バンキング・グループの通期利益は市場予想をやや下回ったものの、増益となり、業績回復に向かっているとの見方から買われた。アングロ・アメリカンの上げが目立った。同様に保険株も結局、全面高で引けた。銀行株にも買いが入った。
時価総額の大きい石油のロイヤル・ダッチ・シェルも買いに転じた。
半面、たばこ株が売られた。ただ下げ幅は縮小して引けた。シャイアーをはじめ医薬品株も売りに押された。広告のWPPグループが安かった。ロシアの鉄鋼大手エブラズは利益確定の売りで下落した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12470.49(-17.41
ドイツ株式指数(DAX)は小幅反落。終値は前日20日と比べて17.41ポイント安の12470.49だった。前日に大幅上昇した反動もあり、売りが先行した。
個別では、電力のRWEが安かった。同業のエーオンも下げた。医薬・化学大手のメルク、アディダス、日用品のバイヤースドルフの下げが目立った。
一方で、アナリストが目標株価を引き上げたドイツ取引所が高くなった。銀行株も上昇した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5302.17(+12.31
