1日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比162ドル77セント安の2万6430ドル14セントで終えた。
序盤はアップルなどの一部ハイテク株がけん引し、プラス圏で推移していた。
アップルは前日の取引終了後に1~3月期決算を発表。主力のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の不振が懸念されたものの、1株当たり利益は市場予想を上回った。同社は750億ドルの自社株買いや5%の増配も発表し、業績をめぐる過度の懸念が和らいだ。5%近く上げ1銘柄でダウ平均を67ドル近く押し上げた。時価総額は11月初旬以来ほぼ5カ月ぶりに1兆ドルの大台を回復する場面があった。
また、米雇用の増加が続くとの見方も相場を支えた。米民間雇用サービス会社ADPが発表した4月の全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数が前月比27万5000人増と、18年7月以来の高水準になった。経済成長が当面は続くとの見方が投資家心理の改善につながった。
一方、米連邦準備理事会(FRB)が利下げに向かうとの期待が後退し、幅広い銘柄が売られた。
FRBは1日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利のフェデラルファンド(FF)金利を据え置いた。声明文では景気判断を引き上げた一方、物価については表現をやや弱めた。金融政策が緩和に向かいつつあるとの思惑からダウ平均は上げ幅を広げる場面があった。
ただ、パウエル議長の会見が始まると下落に転じた。議長は現在の政策は「適切だ」と繰り返し、物価の伸び悩みについては「一時的な要因」によるものだと強調した。市場では「FRBが金融緩和に傾いているという証拠はなかった」との指摘があった。
米景気の先行きに慎重な見方が広がったのも相場の重荷だった。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した4月の製造業景況感指数は2カ月ぶりに低下し、16年10月以来の低水準で市場予想も下回った。「新規受注」「生産」「雇用」など主要な項目の低下が目立った。
S&P500種株価指数が前日まで3日続けて過去最高値を更新しており、目先の利益を確定する目的の売りも出やすかった。主要な株価指数は取引終了にかけて下げ幅を広げ、この日の安値圏で終えた。
ナスダック総合株価指数は続落し、45.748ポイント安の8049.640で終えた。アルファベット(グーグル)に4月29日夕に発表した四半期決算が低調だったのを嫌気した売りが続いたほか、マイクロソフトなど主力株の一角に売りが優勢になった。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,430.14 -162.77
S&P500種
2,923.73-22.10
ナスダック
8,049.640 -45.748
NY金(ドル/トロイオンス)
1,284.20-1.50 1日 終値
NY原油(ドル/バレル
63.12-0.48 2日 4:45
円・ドル
111.53 – 111.54
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は続落した。
6月物は前日比160円安の2万2200円で引け、26日の大取終値を50円下回った。米利下げ期待が後退し米株とともに売られた。
1日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)は、市場予想通り金利据え置きを決めた。
その後の記者会見でパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が低インフレは一時的と示唆し、利下げ観測が後退した。
この日の6月物安値は2万2180円、高値は2万2475円。
シカゴ日経225先物6月限 (円建て)
22200 ( -50 )
シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て)
22215 ( -35 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は続落。前日の終値に比べ32.96ポイント安の7385.26で引けた。
FT指数は高寄り後にジリ安の展開。午後に入って7400台を割り込むと、終盤に4月4日以来4週間ぶりの安値となる7379.65まで下落した。
構成銘柄の約6割が下落した。
全面高で始まった鉱業株は、銅相場の下落に伴い売りに押され、結局全銘柄が下げた。鉱業株は指数に占める割合が多く、株価指数に与える影響が大きい。時価総額の大きい石油株、医薬品株とたばこ株も全面安となった。
個別銘柄では、銀行株ではHSBCホールディングスとロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)が下落に転じた。個別銘柄ではソフトウエア開発のマイクロフォーカスが5%安と大幅安で引けた。
半面、小売り関連など内需株への買いが目立った。決算内容を発表したセインズベリーをはじめ、スーパーマーケット株が上げた。マークス・アンド・スペンサー(M&S)など小売株も軒並み上昇した。テイラー・ウィンピーをはじめ住宅建設株は全面高となった。保険株も買いが先行した。
